演・CV:三元雅芸
概要
「お前も経験してきただろ!? この社会は、俺たちにとって生きにくい世界なんだ!今、この瞬間も、影で泣いてる同胞たちがいる…。お前、黙って見過ごせるのか? 同じ宇宙人として!これは革命なんだ。一緒に作ろう…。『新しき世界』を…」
『ウルトラマンタイガ』第18話「新しき世界のために」に登場。
小森セイジと名乗って人間に擬態して地球で生活しており、ピット星人の水野ヒトミと共に同居している。ただし、“バット星人”という名称は作中では一度も登場していない。
凶悪だった初代やグラシエと異なり、比較的穏健な考えを持った個体で、他種族であるピット星人と恋仲になってそのまま同棲していたり、暴漢から自身を庇ってくれた礼に、宗谷ホマレを自宅に招いて一緒に食事をしたりする等、自分と同じ異星人には友好的な振る舞いを見せている一方、過去に余程辛い目に遭った為か、「地球人は宇宙人を受け入れず、冷遇・迫害している」と鬱屈した思いと憎悪を抱いている。
また、本作では、手から電流のようなものを発して相手を気絶させると言う、過去の個体が持っていなかった能力を見せた他、ホマレとも徒手空拳である程度渡り合える等、戦闘能力も高い(但し、暴漢に襲われた際には「騒ぎになって自分が宇宙人である事がバレてしまうかもしれないから」と言う理由で、これらの力を行使せずされるがままになっていた)。
活躍
ある時、奇妙な出で立ちの青年から、ゼットンが納められたカプセルを渡された事で「虐げられた同胞の為に地球を変革する」と言う強い激情に駆られ、暴走する。
だが、同棲相手であったヒトミから事情を知らされたホマレが現場に急行、ホマレの必死の説得にも耳を貸さず、ヒロユキを見せしめにゼットンに焼き殺させようとする等、手段を選ばず暴れまわったが、最後は壮絶な取っ組み合いの説得に絆され、戦意を喪失した。
その後は、もう一度地球での生活をやり直す事を決意したようで、数日後にホマレとヒロユキが自宅を訪ねた際には、ヒトミが引っ越しの準備を行っていた(色々と迷惑をかけてしまった事への自責の念からか、セイジ自身は姿を見せる事はなかった)。
基本的に地球を侵略しようという意思はなく、ゼットンを操ってテロ活動を行ったのも、元を辿れば「地球で迫害されている宇宙人達を解放し、彼らが安心して暮らせる社会を作りたい」と言う純粋な思いが暴走した結果によるものであった。
確かに「地球人の狭量さ、排他性に苦しんだ宇宙人」と言う背景には同情の余地はあるが、一方で地球ではヴィラン・ギルドなどの悪質な宇宙人が引き起こした犯罪行為や破壊活動が多発しており、そういった影響もあって地球は宇宙人に対して強い警戒心や排他的になる温床が育まれており、そう言った事情を無視して暴力と恐怖による強引な手段には短絡な浅はかさを感じる。ヒロユキからも「自分の考えを一方的に相手を押し付けようとするやり方なんて侵略と同じだ」と、一刀両断されている。
しかもその結果は、多くの無関係な人間を巻き込んでしまったことには変わらず、宇宙人の冷遇に対する抑止力になるどころか、宇宙人を憎む差別的な意識を持った人間を生み出してしまうという皮肉な顛末を迎える事となってしまった。
これまでのバット星人のような根っからの悪人とは呼べない存在であり、こうした背景もあってか、シリーズ史上初めて、死亡せずに最後まで生存したバット星人となっている。