概要
いわゆるウルトラ怪獣の内、初代『ウルトラマン』で初登場したもの。
傾向
近未来的な装備を固めた科学特捜隊と、人類を護る正義のヒーロー・ウルトラマンの存在により、『ウルトラマン』は前作『ウルトラQ』を超える人気番組となった。
…が、一つ一つのエピソードは『ウルトラQ』と同様怪獣や宇宙人を中心としたものとなっており、科学特捜隊とウルトラマンはむしろ狂言回しの役割を担うことが多かった。
「怪獣という脅威にいかにして立ち向かうか」という命題に対しては「ウルトラマンの存在」という回答がすでに用意されていることから、怪獣そのものを(単なる脅威としてではなく)より深く掘り下げて描写する余地が生まれたという部分もある。
シリーズ最初の作品なだけあって正しく『シンプルイズベスト』を地に行くデザインの怪獣や宇宙人が多い。
「光のヒーロー」である「ウルトラ戦士」に対する影の主役としての「ウルトラ怪獣」のポジションが、この段階ですでに確立されていたといえる。
なお、小説『ゴールドラッシュ作戦』によれば、怪獣は科学特捜隊資料部の部長「金下哲也」が命名しており、記号で分類されているという設定になっている(イニシャルに使われるMは海、Cは宇宙、Eは地上や地底、Fはそれ以外の生まれの怪獣という意味である)。
『メビウス』でいうレジストコードに当たるものは世間に発表する際の利便性を考慮したものである。
なお、レッドキングやネロンガなど初代ウルトラマンと戦った怪獣はあっさりと敗れている場合が多いため、初代ウルトラマンの怪獣は弱いというイメージが強い人もいるかもしれないがそれは大きな間違いである。アントラー、ゴモラ、キーラ、ゼットンなど初代ウルトラマンでも苦戦する相手はいたし、それより何より大抵の怪獣があっさりと初代ウルトラマンにやられているように見えるのは、怪獣が弱いのではなく『怪獣退治の専門家』という二つ名を与えられるほどに初代ウルトラマンが強すぎるのである。
放映リストと登場した怪獣、宇宙人
※太字は平成以降の映像作品で再登場。
No. | サブタイトル | 登場怪獣・宇宙人 |
---|---|---|
1 | 「ウルトラ作戦第一号」 | 宇宙怪獣ベムラー |
2 | 「侵略者を撃て」 | 宇宙忍者バルタン星人 |
3 | 「科特隊出撃せよ」 | 透明怪獣ネロンガ |
4 | 「大爆発五秒前」 | 海底原人巨大ラゴン |
5 | 「ミロガンダの秘密」 | 怪奇植物グリーンモンス、肉食植物ミロガンダ |
6 | 「沿岸警備命令」 | 海獣ゲスラ |
7 | 「バラージの青い石」 | 磁力怪獣アントラー |
8 | 「怪獣無法地帯」 | どくろ怪獣レッドキング、有翼怪獣チャンドラー、地底怪獣マグラー、友好珍獣ピグモン、怪奇植物スフラン |
9 | 「電光石火作戦」 | ウラン怪獣ガボラ |
10 | 「謎の恐竜基地」 | エリ巻き恐竜ジラース |
11 | 「宇宙から来た暴れん坊」 | 脳波怪獣ギャンゴ |
12 | 「ミイラの叫び」 | ミイラ怪獣ドドンゴ、ミイラ怪人ミイラ人間 |
13 | 「オイルSOS」 | 油獣ペスター |
14 | 「真珠貝防衛指令」 | 汐吹き怪獣ガマクジラ |
15 | 「恐怖の宇宙線」 | 二次元怪獣ガヴァドン |
16 | 「科特隊宇宙へ」 | 宇宙忍者バルタン星人(2代目) |
17 | 「無限へのパスポート」 | 四次元怪獣ブルトン |
18 | 「遊星から来た兄弟」 | 凶悪宇宙人ザラブ星人、にせウルトラマン |
19 | 「悪魔はふたたび」 | 青色発砲怪獣アボラス、赤色火焔怪獣バニラ |
20 | 「恐怖のルート87」 | 高原竜ヒドラ |
21 | 「噴煙突破せよ」 | 毒ガス怪獣ケムラー |
22 | 「地上破壊工作」 | 地底怪獣テレスドン、凶悪地底怪人地底人 |
23 | 「故郷は地球」 | 棲星怪獣ジャミラ |
24 | 「海底科学基地」 | 深海怪獣グビラ |
25 | 「怪彗星ツイフォン」 | 冷凍怪獣ギガス、彗星怪獣ドラコ、どくろ怪獣レッドキング(2代目) |
26 | 「怪獣殿下 前篇」 | 古代怪獣ゴモラ、怪奇植物スフラン(2代目) |
27 | 「怪獣殿下 後篇」 | ゴモラ |
28 | 「人間標本5・6」 | 三面怪人ダダ |
29 | 「地底への挑戦」 | 黄金怪獣ゴルドン |
30 | 「まぼろしの雪山」 | 伝説怪獣ウー |
31 | 「来たのは誰だ」 | 吸血植物ケロニア |
32 | 「果てしなき逆襲」 | 灼熱怪獣ザンボラー |
33 | 「禁じられた言葉」 | 悪質宇宙人メフィラス星人、宇宙忍者バルタン星人(3代目)、凶悪宇宙人ザラブ星人(2代目)、誘拐怪人ケムール人(2代目)、巨大フジ隊員 |
34 | 「空の贈り物」 | メガトン怪獣スカイドン |
35 | 「怪獣墓場」 | 亡霊怪獣シーボーズ |
36 | 「射つな!アラシ」 | 変身怪獣ザラガス |
37 | 「小さな英雄」 | 怪獣酋長ジェロニモン、ピグモン(再生)、ドラコ(再生)、テレスドン(再生) |
38 | 「宇宙船救助命令」 | 光熱怪獣キーラ、砂地獄怪獣サイゴ |
39(終) | 「さらばウルトラマン」 | 宇宙恐竜ゼットン、変身怪人ゼットン星人 |
その他の媒体に登場する怪獣達
漫画『ウルトラマン 一峰大二版』
ソノシート『ウルトラマン危機一髪!』
- バルタン星人
- ベムラー
- ギャンゴ
絵物語『ウルトラマン マグネット作戦』
公式外伝漫画『COMIC'S★ウルトラ大全集 ウルトラマン-封印解けし-』
仏像などを思わせるフォルムが特徴的な謎の存在。
鉄魔神ヴァスヴァールと雷神怪獣アスタロテの創造主であり、彼らを弥呼神山麓に封印していた。
- 雷神怪獣アスタロテ
全長:80m。同作の表紙に描かれている怪獣である。
弥呼神山麓の鏡神湖に眠っていた怪獣で放電現象を起こしていた原因。角から電撃を発射する能力を持つ。
名前の由来は中東の神話に登場する豊穣の女神のアスタルトから。
- 鉄魔神ヴァスヴァール
アスタロテが倒された後に弥呼神山麓の地中から出現した巨大な飛行船物体。
一見すると超巨大宇宙船の様に見えるが、その正体はハスハランによって造られた機械生命体の使者で、高度な人工知能が搭載されており、搭乗員と会話することも可能。
ゲームブック『謎の隕石群を撃て!』
ゲームブック『東京救出作戦』
- バルタン星人
公式外伝小説『ウルトラマン VOL.1 -ゴールドラッシュ作戦-』
地中から出現した怪獣ジグリスと渥美半島付近の海域から出現した怪獣ムンデラーが合体した怪獣。
キャッチリングと体当たりを合わせたような必殺技「ウルトラゴールドラッシュ」によって撃破される。
公式外伝小説『ウルトラマン -ジャイアント作戦-』
かつて1959年にO大の渡辺博士によって製作された工業用の制御ロボット。
役目を終えて廃棄されたはずだが、自らを地球兵器を寄せ付けぬロボットに改修し、5体の挑戦者を戦い合わせて勝ち残った者に地球の支配権を与える「ジャイアント作戦」を開始した。
アラシ隊員の「マルサイト・セブン」によって破壊されるが、死に際に意味深な言葉を残す。
関連タグ
ウルトラマンマックス、ウルトラギャラクシー大怪獣バトル、ウルトラマンX、ウルトラマンR/B、ウルトラマンZ:初代マン怪獣が多く登場するTVシリーズ。