データ
別名 | メガトン怪獣 |
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身長 | 60m |
体重 | 20万t |
出身 | 宇宙 |
概要
武器は口から吐く炎と鋭いヒレ、体の硬さだが、最大の特徴は20万tという非常に重い体重である。
どのくらい重いかと言うと、3万5千tあるウルトラマンと比べても6倍近く、東京タワー50本分、タイタニック7隻分、戦艦大和3隻分、日本のブドウの年間生産量とほぼ同じというレベルである。劇中でも落着の衝撃で大きめの地震が起き、クレーターらしき窪みもできていた。
この重量は背中の甲板一つ一つが500tに及ぶためとされ、宇宙エネルギーを集めるソーラーパネルのような役割を果たしているとのこと。
活躍
突如として宇宙から、赤い火球の姿で東京港・晴海の埋め立て地に飛来した。
その後は積極的に暴れ回ることもなく、四つ足でノソノソと歩き回り、歩き疲れればその場で眠ってしまうという呑気な行動をとっていた。しかし、攻撃を受けたわけでもないのに所構わず火を吐き、その体重ゆえに動くだけで地面にめり込むなどの物的被害が発生。ジェットビートルの爆撃にびくともしなかったため、ムラマツは「宇宙に送り返すしかない」と判断した。
その重さゆえに、ジェットビートルでワイヤーをかけ吊り上げる、オートジャイロを取り付ける、ガマクジラ撃破に繋げた実績もある打ち上げロケットを突き刺すなどの作戦はことごとく失敗。ワイヤー作戦の際に現れたウルトラマンもその巨体を動かす事はできず、時間切れで一度は撤退するハメになっている。
最終的に、「スカイドンの体内に水素を注入して浮かばせる」という珍妙な作戦によってようやく空高く送り出すことに成功したが、連絡ミスで事情を知らず訓練飛行していた自衛隊の戦闘機が未確認物体とみなして攻撃したことでガスが漏れ降下し始める。あわや東京に落下する寸前、ウルトラマンが体当たりでスカイドンを粉砕し、ようやく事態は収束したのだった。
非常に厄介な怪獣として描写され、いきなり火炎放射をはじめるなど危険な習性ではあったが、スカイドン自身の活動による被害はと言えば埋め立て地の資材炎上と地面陥没、建物一棟と数台の自動車で、建物被害は科学特捜隊のロケット弾作戦のミスみたいなものである。
スカイドンが明確な攻撃の意思を見せたのはワイヤー作戦への抵抗やウルトラマンへの反撃だけだったので、歴代ウルトラシリーズでもたまに出現する「悪意や敵意の無い怪獣」に分類される事も多い。
最終的に木端微塵に粉砕される結末はあんまりだという同情論も少なくなかった。
その一方、ウルトラマンからいきなり顔面にローキックされたり、馬乗りからの連続パンチを受けても眠たげに平然としているどころか、攻撃されている最中でも堂々と寝てしまうなど防御力が非常に高く、持ち上げようと踏ん張るウルトラマンを前足一本で軽く投げ飛ばすパワーの持ち主でもある。
さんざん殴られてから反撃を始めれば体重差もあって終止有利に立ち回り、カラータイマーが鳴るまで粘って撤退に追い込むなど、ウルトラマンが光線技を使わなかったとは言え意外に手強い怪獣でもあった。
科特隊がとった各作戦に突っ込みどころが多すぎる点は言及してはいけない。
ウルトラマンもウルトラマンで、重量と落下エネルギーが加算されたスカイドンに対して真下から体当たりして倒しているが、大丈夫だったのだろうか……。
漫画
一峰大二版漫画ウルトラマン
アルマジロのように体を丸めて転がり建物を薙ぎ倒すなどの重い身体に見合わない活動的な怪獣として描かれた。
ウルトラマンに勝ってガッツポーズをするシーンがある。また、口からは火炎を吐いて暴れ回る。
本作でもその重さはダテではなく、その上全身は非常に強固な鱗で覆われているため、スペシウム光線も八つ裂き光輪もまるで通じない。
ウルトラマンの八つ裂き光輪を口の中に叩き込まれてもまだ暴れ回っていたが、腹の中で八つ裂き光輪が光っているのを見たウルトラマンが矢継ぎ早に繰り出した八つ裂き光輪を飲み込まされ、ビリヤードのように体内で八つ裂き光輪が動き回り体中を突き破られて粉々に吹っ飛んだ。
ウルトラセブン ゴードの巻
宇宙人達が復活させた怪獣の1体。
突如として地下から出現し、ローリングアタックで戦車部隊を蹴散らした。
劣勢になると宇宙船に回収されたが、ゴードによって宇宙船ごと撃破された。
ウルトラマンSTORY0
バルタン星人に改造された個体が登場。体長 200m程の巨体。砂漠で洞窟に化け、ゴライアンを食べようとしたものの、逆にアゴを外されてしまい、持ち上げられて放り投げられたところで背骨を叩き折られて風船のように弾け飛んだ。
ちなみに身長が既存の個体の3.33(10/3)倍とした場合、体重は1000/27倍=740万tである。そんな巨体を軽々持ち上げて投げ飛ばすとは……ゴライアンさん、マジぱねぇっす。
ジャッカル軍団大逆襲!!
ジャッカル軍団配下の怪獣軍団の一体。メビウスらのいない光の国を襲撃、一般隊員をその重量で踏みつけた。駆けつけたアウラのアーパッシュデルタアローでキングザウルス三世諸共倒された。気怠そうな顔は相変わらずだが、デルタアローで貫かれる際にはアヘ顔のような目付きになっている。どうしてこうなった。
ゲーム
PS2版
敵キャラの一体として、ストーリーモード2周目以降の隠しステージに登場。
案の定、投げ技は通じない。またトドメを刺すこともできない。では負けるしかないのかというとそうでもなく、普通に体力を減らせる。しかし体力を0にすると「スカイドン 爆睡!」となり、ウルトラマンは呆れ返ってスカイドンを放置したまま飛び去ってしまう。これでステージクリアとなる。
余談
- 名前の由来は「空(スカイ)から『ドーン』と落ちてくる」から。
- 別名の由来である単位のメガトン(Mt)とは100万tのことで、スカイドンの体重を当てはめると0.2メガトンである。十分重いとはいえ詐欺じゃないだろうか。
- 着ぐるみのお腹がダブダブしていて、人によっては軽そうに見えるかもしれないが、これはガマクジラの改造の為。「科特隊の罠にはまってウルトラマンの体当たりで倒される」という奇妙な類似点もある。
- 脚本では粘液質の肌に長い牙、アザラシに手足と尻尾が付いたような容姿となっていた。
- 上記の通りスカイドンが落ちてきたのは晴海であり、放映当時(1966年)は更地ばかりで、大きな施設と言えば埠頭と東京国際見本市会場くらいしかなかったが、もしも1980年代~90年代前半の、特にお盆や年末に落ちてきた日には、目も当てられない大惨事となっていたに違いない。
- 第34話は明るい音楽が多用されていつもの戦闘BGMさえグダグダになり、妙な作戦を繰り出しては失敗する科特隊のドタバタ劇、変身アイテムでうっかりをやらかすハヤタなどギャグシーンが多い回だが、流れ星や雪と並ぶ「空から降ってくるもの」としてビルから飛び降りる人間が描写され、「人間だって降ってくる。とかく東京の空は危険である」というえげつないブラックジョークがナレーションから朗らかな調子で放たれるなど混沌とした回でもある。
- 1970年のアカデミー作品賞を受賞したアメリカ映画『真夜中のカーボーイ』では、一瞬だけ劇中のテレビに『ウルトラマン』が流れ、スカイドンとジャミラが映っているシーンが存在している。そのため、僅かな出番とはいえアカデミー賞作品に登場したという貴重な実績があるウルトラ怪獣となっている。
関連イラスト
関連タグ
クラウドス:スカイドンをオマージュした怪獣。