概要
キン肉マンが師匠であるプリンス・カメハメによって伝授された“48の殺人技”の一つ。
続編「キン肉マンⅡ世」では設定が変更され、キン肉族に代々伝わる必殺技とされた(スグル以降伝わるとしたのか、キン肉族に下記のように「五所蹂躙絡み」と偶然似た技が伝わっていたとするのか詳細は不明)。
キン肉マンおよびその息子・キン肉万太郎の使用する代表的な必殺技であり、王位争奪編終了後の読み切り2編ではフィニッシュホールドとして使われた。
初めて使用されたのは第21回超人オリンピック決勝のウォーズマン戦であり、これで逆転勝利を勝ち取った。
実際のプロレスでも使われる事もある。
その原型は、ルチャ・リブレ(メキシコのプロレス)で使われていた「ラ・マテマティカ」で、開発者は“数学仮面”エル・マテマティコ。本来は抱え上げた体勢で体を揺さぶり、相手を痛めつけるジャベ(ルチャ式の複合関節技)であった。
その後、サムソン冬木が日本に持ち帰り、抱えた体勢から後ろに倒れ込む投げ技「サムソン・ストライカー」として使用した。
現在はプロレスリング・ノア所属のモハメド・ヨネ選手が作者公認の下、「キン肉バスター」の名称で使用している。
なお、ゆでたまごはラ・マテマティカからキン肉バスターを考案したのではなく、偶然同じ形になってしまったという。メキシコに取材旅行に出かけた際に初めてその存在を知り、驚いたと語っている。
解説
まず、相手をつかんだまま上空に飛び上がり、絵の様に両手で相手の両腿をつかみ、相手の頭を自分の肩口に乗せて固定して着地し、その衝撃で首折り・股裂き・背骨折りを同時に行う必殺技。
別名「五所蹂躙絡み」(ごどころじゅうりんがらみ)。『キン肉マンII世』でキン肉族の秘宝として初登場した別名だが、後の読み切り『キン肉バスター誕生秘話!!の巻』では、カメハメが考案したときの名前がそれで、キン肉マンに伝授するに当たり、フェイバリットになるであろうことから改めて新しい名前を考えさせたという設定になっている。
なお上記の初披露となるウォーズマン戦の時のみ、最初は相手の脚を抱え込んでおり、着地と同時に相手の脚を広げ股裂きを行う形になっていた(以降は最初から相手の脚を開いた体勢で抱えるようになった)。
弱点と対処
首のフックが甘い、両ひざから下や両腕が極められていないという弱点があり、以下のような対処法がある。
- 首を抜けば比較的簡単にこの技から抜けることが出来る(ネック・エスケープ・キン肉バスター破り)。
- 阿修羅バスターなどを除くと腕が極められてない為両手で何かして外したり「(相手の体格が大きすぎなければ)相手が着地する前に自分の手をつく」ことも一応可能。
- 両足が太腿を掴まれているだけで膝から先が空いている(派生技では改善されたが)事を利用して両足を振って外したり反動で返し技に持っていく方法もある。
- 「壁や天井を無くして着地できなくする」「極められている最中に牙や装備品などで相手を攻撃する」などの方法で破られたこともある。
技の掛け方が完璧に近いほど、返し技も使いにくくなる模様。
派生技
上記のように弱点が存在する反面、作中でそれを克服しようとするなどで多くの派生技が開発・あるいは似た技が使用されている。
作中の派生技一覧
技名 | 初使用者 | 説明 |
---|---|---|
キン肉バスター返し | バッファローマン | キン肉バスターをかけられた際に、空中で180°回転し、逆にこちらが技をかけた状態で落下する。6を返すと9になる。別名「リベンジバスター」 |
新(ネオ)・キン肉バスター | キン肉マン | キン肉バスターの体制で回転しながら上昇し、天井に着地する。バッファローマンにキン肉バスター返しをされた際に使用 |
ダブル・キン肉バスター | キン肉マン | 新・キン肉バスターとキン肉バスターを連続で仕掛ける |
口さけキン肉バスター | キン肉マン | スニゲーター戦で使用。相手の上下顎を掴んだ状態で落下し、口を裂く |
サイドキン肉バスター | キン肉マン | ロープの反動を利用して競技場の壁に相手をぶつける |
阿修羅バスター | アシュラマン | 6本の腕で相手の四肢をロックしたキン肉バスター。別名「トリプルキン肉バスター」 |
改良・阿修羅バスター | アシュラマン | 四肢に加え、相手の首を手でロックした状態で落下する。 |
ブラッドユニット阿修羅バスター | アシュラマン | 6本の腕全てを使って相手の頭部のみをロックした状態で落下する。 |
アルティメット・スカー・バスター | スカーフェイス | キン肉バスター+相手の首を自分の足で三角締めのようにフックする。単にキン肉バスターの弱点を克服する派生技ではなく首折り・股裂き・背骨折りに三角締めの効果が加わった新必殺技と呼べる存在。 |
ターンオーバー・キン肉バスター | キン肉万太郎 | 相手の体の向きを逆にした状態で落下する。 |
アルティメット・阿修羅バスター | アシュラマン | 阿修羅バスターにアルティメット・スカー・バスターの首フックを加えたもの。マッスル・Gと並び、一度も破られていない究極のバスターの一つ。 |
マッスル・G(グラヴィティ) | キン肉万太郎 | 落下中に火事場のクソ力による強烈なGを相手に与えて上体を反り返らせ、相手の両手を自分の両足で挟んで着地する。あらゆるキン肉バスター破りが通用せず、首折り・股裂き・背骨折りに加え両腕と肋骨まで破壊するというキン肉バスターを全ての面で進化させたキン肉マン二世に相応しいスペシャルホールドとなっている。 |
ペルフェクシオンバスター | ネメシス | キン肉バスター+相手の両手を自分の両足で挟んで着地する。 |
バイキングバスター | パイレートマン | 逆さに抱えた相手の背中側から手を回し、裏拳を相手の胸に押し付ける形で胴体を挟み込んで固定するバスター。 |
クアドラプルバスター | サムソンティーチャー | 4本の腕で相手の四肢をロックしたバスター。 |
キン肉バスターイモータル | キン肉マン | 相手の脚を交差させふくらはぎを掴んだ上でその脚で相手の腕を自分の後方に固定して放つバスター。従来のものよりも首のフックが強化されており、超神であっても容易には抜け出せない。なお、イモータルは「死ぬ運命より逃れられない人間(モータル)」に対する「不老不死の神々」の意味で使われる事が多い単語であり「(超)神を打ち破った技」にふさわしい名前と言える。 |
タッグ技
ツープラトンでもキン肉バスターやその派生技が使用されている。
- キン肉ドライバーとキン肉バスターが上下に連なるマッスル・ドッキング
- 二人がかりで巨体の相手にキン肉バスターを仕掛けるバスターバリエーションPART5
- 相手二人に同時にキン肉バスターを仕掛けるバスターバリエーションPART6(バスターズ・ドッキングとも)
- サイドキン肉バスターとマッスル・ミレニアムがリング中央で合体するマッスル・コラボレーション
- 一人の相手にキン肉バスターとOLAPを同時に掛けるNIKU→LAP
- マッスル・Gとジャパニーズ・レッグクラッチホールド&キングジャーマンの合体技であるマッスル・エボルシオン
外部作品
その印象深さからか、キン肉マンシリーズ以外にも外部作品でパロディとして使用される事がある。
作品名 | 使用者 | 備考 |
---|---|---|
漫画『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』 | 院田唐音 | |
漫画『銀魂』 | 長谷川泰三 | 別名「長谷川バスター」 |
漫画『清村くんと杉小路くんと』 | 杉小路高千穂 | 「48の殺人技ー!?」 |
漫画『ごくせん』 | 山口久美子 | |
漫画『男子高校生の日常』 | 唐沢としゆき | 相手よりも自分に大ダメージ |
ゲーム『龍虎の拳2』 | テムジン | 蒙古雷撃弾という技名だがどう見てもキン肉バスター。専用やられグラ有り |
ゲーム『鉄拳』(3以降) | キング(2代目) | ゲーム中での技名は「マッスルバスター」 |
ゲーム『真・三国無双』(6以降) | 黄蓋 | 技名は「抜山蓋世撃」。( ゚∀゚)o彡°ショーグン!ショーグン! |
アニメ『真剣で私に恋しなさい!!』 | 川神百代 | 別名「川神ドライバー」 |
特撮『仮面ライダーウィザード』 | 仮面ライダービースト(仁藤攻介) | 第25話にて披露 |
特撮『獣電戦隊キョウリュウジャー』 | キョウリュウブルー(有働ノブハル) | 技名「ノッさんバスター」。夏の劇場版にて披露 |
アニメ『ウマ娘プリティーダービー』 | イクノディクタス | 通称「イクノバスター」。第9話にて披露 |
特撮『仮面ライダーリバイス』 | 仮面ライダーバイス | 技名「バイスバスター」。 第15話で披露。これに限らずいろんなパロディも披露している。 |
他、いろいろな漫画で格闘シーンなどにさりげなく差し込まれていたりする。