概要
漫画『銀魂』第153訓(アニメでは第94話)「電車に乗るときは必ず両手を吊り革に」に登場。
列車内で同乗していた坂田銀時に「ヘマやらかすなよ」と言われた矢先、マダオは降車途中で乗降口と駅のプラットホームの隙間に片足を引っ掛けて転倒。
勢いが止まらず偶然近くにいたミニスカ着物の女性の腕を掴んでしまい、道連れにする形で共にホームから転落。
運悪く急行列車が通り過ぎて大惨事になる所だったが、勢い余って奥の線路にまで転げ落ちていたため、九死に一生を得た。
周囲の人々が唖然と見守る中、線路上には女性を逆さまに担ぎ上げて開脚させた状態で着地しているマダオの姿があった。
所謂キン肉バスターをまともに食らった女性は失神、自身の下着を衆目に晒すハメになった。
女性の下着を強制露出させたと認識した周囲の人々は、マダオを痴漢呼ばわりした。
なお、女性の下着は原作漫画で生パンだった所をアニメではスパッツに修正していたのだが、裁判が行われる第95話では原作通りの生パンに再修正されている。
痴漢の容疑で逮捕されたマダオは、事故による痴漢冤罪であると主張して容疑を否認。
事態は裁判に発展、マダオの行いが故意であった場合、痴漢行為および暴行罪、場合によっては殺人未遂に該当するとして詮議にかけられることになる。
「大江戸線 キン肉バスター痴漢事件」の詮議
マダオの弁護についた銀時は「キン肉バスターの定義」を議題とした弁論で破牙検事と対決。
(アニメに登場した紙の資料には「筋肉バスター」と表記されていたが、原作漫画の表記は「キン肉バスター」である)
キン肉バスターはキン肉マンが使用するからキン肉バスターであって、長谷川泰三が使用したのだから呼称を「長谷川バスター」に改めるように異議を申し立てる。
検事は「キン肉マンの技」であるからこそ誰が使用してもキン肉バスターになると反論したが、銀時はキン肉マンはキン肉バスターの開発者ではなく、阿修羅バスターのように名称が変わるという主張を通し、奉行(裁判官)はこの申立を認め、以降は長谷川バスターと呼ばれるようになった。
マダオは銀時の弁舌に関心しながらも「全く意味のないやり取り」と評していたが、実際の所マダオの行為をキン肉バスターと認識したのは目撃者の主観によるものであり、その前提を崩しにかかるのはそこまで無意味でもない。
現に銀時はさらに主張を広げ「プリンス・カメハメから伝授された48の殺人技を証拠もなく痴漢行為に結び付けた」として検事を追い込みにかかっている。
もっとも、マダオの部屋から発見された大量のエロDVDがこの流れを本当に無意味にしてしまうのだが…
第155訓「愛は勝つ」のラストにて見事裁判に勝訴したマダオだが、その直後密かに裁判を傍聴していた妻・ハツの姿を発見し彼女を追いかける。
しかし奉行所入り口の階段でつまづいた拍子に、ハツに長谷川バスターをかけてしまうのだった。
「キン肉バスターの定義」についての補足
「長谷川バスター」の呼称を認めさせた銀時の主張だが、深く突っ込めば色々と穴がある。
「掟やぶりのロビンスペシャル」というセリフが示す通り、プロレスで「他人の得意技を使用してはならない」という暗黙の了解がキン肉マンの世界にも存在している。
元々はプリンス・カメハメが伝授した「五所蹂躙絡み」ではあるが、それをキン肉マンが伝授されたのが「キン肉バスター」なので、他人の得意技ではない。
例に挙げられている阿修羅バスターはアシュラマンの6本の腕を駆使した改良技であり「トリプルキン肉バスター」という別名を持つ。
キン肉マンの作中で「バスター」の名が付いた技はキン肉バスターの丸パクリではなく、何らかの改良・改変が加えられており、作中でキン肉マン以外のキャラクターが「キン肉バスター」を名乗って使う場面も存在している。
アニメオリジナルのダーティバロンがキン肉バスターを模倣して「バロンバスター」と呼んだが、これも正確には「リベンジバスター」のパクリである。
したがって、破牙検事の言う「キン肉バスターは誰が使用してもキン肉バスター」という理屈は、実は筋が通っている。