概要
運営事業者は『株式会社プロレスリング・ノア』(後の運営事業者に事業譲渡後に社名を株式会社ピーアールエヌに改称)⇒『ノア・グローバルエンタテインメント株式会社』を経て『株式会社CyberFight』。
団体名は旧約聖書の創世記に登場する人物「ノア」からとっている。またロゴマークには創世記の中でオリーブの葉をくわえて戻り嵐が終わったことを知らせた鳩が使われているが、宗教的意図はない。
2000年6月13日、ジャイアント馬場の死後の馬場元子体制による全日本プロレスの運営に強い不満を抱いていた所属選手達が団結して三沢光晴が中心になって総勢約50名が離脱、設立。この時点で全日本に残留した当時の所属選手は川田利明(ただし事実上はフリー契約)、渕正信、馳浩、太陽ケアの4名とスタン・ハンセンやスティーブ・ウィリアムズなどの常連外国人、スタッフではリングアナウンサーのタイガー木原とレフェリーの和田京平のみだった。
隆盛と衰退、そして沈没
三沢が全日本プロレス社長時代では実施できなかった大型のセット、ライトアップ、花道など華やかな演出を充実させつつ「スポーツライク」と表現する、伝統的な駆け引きや受けの美学を中核とした試合を行っていた。更にZERO1や新日本プロレス、更には武藤敬司体制の全日本プロレスとの交流を行い、多くのドリームカードを実現。04、05年には東京ドーム大会を実現するなど、総合格闘技人気に押されていた当時のプロレス界において「一人勝ち」とも言われる程の隆盛を示す。
しかし、いわゆる四天王プロレス的な過激な技の応酬を繰り返す試合運びを旨としていたこともあり、選手たちの負担も大きなものとなっていく。代表的な例では小橋建太がかねてからの首とひざの故障に加え腎臓癌を患って以前ほどの動きができなくなったこと、三沢はガウンの襟部分が当たっただけで首に痛みを覚えるほどの爆弾を抱えていたことがあげられる。
そして団体の大黒柱である三沢がリング禍で死亡した2009年以降、次々と団体を苦境に追いやる事柄が続くが、鈴木軍の襲来によって、苦境への一途は更に悪化してしまった。
- 相次ぐ所属選手の退団や怪我による、常時試合可能な所属選手の不足
- それに伴う首都圏での人気下降と地方での不人気
- 2001年4月から続いてきた日本テレビでの中継が、2009年3月に打ち切られる
- 2008年頃に起きた、タニマチの成田眞美による巨額詐欺事件
- 三沢ともども全日から離脱してきたフロント・仲田龍による愛人への会社資金の横流し
- その仲田の急死(他殺を疑う者も多かったが、PAに駐車していた車内で発見されたことから、休憩中に病死したことがほぼ確実視されている)
- 取締役でもあった森嶋猛選手の急な引退劇
- 2015年1月10日の新日本プロレスの極悪ヒール軍団鈴木軍の襲来と全タイトル独占と観客の大不評
これらが次々と重なり、ついに2016年11月1日、株式会社プロレスリング・ノアがプロレス団体「プロレスリング・ノア」の運営、興行、関連事業をエストビー株式会社に譲渡して株式会社プロレスリング・ノアは株式会社ピーアールエヌに商号変更、11月7日、エストビー株式会社が社名をノア・グローバル・エンタテインメント株式会社に変更し、巨額の負債を旧会社(PRN)に押しつけた上でプロレス事業は続行される。
そして2017年2月に前運営会社「株式会社ピーアールエヌ」が東京地方裁判所より破産手続開始が決定され、同年7月12日付でピーアールエヌ社は清算結了、三沢選手らが設立した会社としてのノアは消滅した。
NOAH the REBORN
借金をゼロにし、新体制となって再出発した当団体だが、ノアの観客数は伸び悩みが続く事になる。2017年はNOAH the REBORNをスローガンとし、フリー選手やインパクト・レスリング、ドラディション、DDT、大日本プロレス、ZERO1、琉球ドラゴンプロレスなど多くの団体の選手をリングに上げる。所属選手としては丸藤正道がDDTなどに参戦しKO-Dタッグベルト戴冠、拳王がZERO1火祭り参戦などの動きはあったものの、この年の時点では目立った成果は挙げられなかった。しかし拳王、小峠篤司がヘビー級に転向、Hi69、HAYATA、YO-HEY、タダスケといった選手が所属選手になり、ジュニアヘビー戦線に関してはがらりと顔ぶれが変わる事になった。また中嶋勝彦が長くチャンピオンに君臨、ジュニアから転向した小峠も一時タッグベルト戴冠、インパクトのエディ・エドワーズが外国人初のGHCヘビー級戴冠、リーグ戦であるグローバルリーグではこれもジュニアから転向した拳王が潮崎を破り優勝、更にエディ・エドワーズも破りGHCヘビーを戴冠するなど、大きく様相は様変わりした。
NOAH the LIVE
2018年ではNOAH the LIVEをスローガンに進発。新年早々に海外修行に出ていた清宮海斗が復帰、即拳王とタイトルマッチを行う。これに勝利した拳王はその後杉浦貴にベルトを奪われ、一旦時代が戻った感もあったものの結果的に世代闘争が加速、現在ではそれをメインとした戦いが行われている。ジュニア戦線も人気選手であった石森太二の退団という痛手は負ったものの、原田らが結成したRATEL'Sの人気やフリーの実力者である田中稔らの活躍もあり、活気を維持している。そして5.29後楽園大会では1500人以上を動員(団体発表)、超満員となるなど次第に復活の予兆を見せ始めている。
また丸藤正道はこの年の全日本、チャンピオン・カーニバルに初参戦する。ノアは前述の通り全日本から分裂した団体であり、また現在の全日本社長がかつてノアに所属していた秋山準であった為にその参戦は大きな話題となった。丸藤は決勝で宮原健斗を破り初優勝を成し遂げ、その後三冠ヘビー級に挑戦するも戴冠はならなかった。
その後は杉浦貴が清宮以外の新世代軍を全員撃破し防衛、更にGHCタッグも丸藤・齋藤組が戴冠するなど旧世代が中心となる。9.1には両国で丸藤正道の二十周年興行が行われ、全日本、DDT、W-1から秋山準や黒潮"イケメン"二郎、HARASHIMAらが参戦した他百田光雄、鈴木鼓太郎といった旧ノアメンバーが参戦。更にWWEのヒデオ・イタミがメインイベントで丸藤とシングルを行った。この興行は6000人を超える観客を動員する。
その後、GLの途中で丸藤が欠場に追い込まれるというアクシデントが発生するも9.1両国をきっかけにして参戦した鈴木鼓太郎のGHCジュニア戴冠とそれに伴う抗争、清宮海斗のGL優勝などで活気は続いた。清宮海斗は杉浦貴のGHCに挑戦、奪取に成功し最年少戴冠を達成する。またフリーの火野裕士がマイバッハ谷口と共にGHCタッグを戴冠したのを始め、GLにZERO1の佐藤耕平、DDTの樋口和貞が参戦するなど他団体選手も活発に参戦した。また潮崎豪がDDTのD王グランプリに参戦、決勝まで進出したものの熱戦の末竹下幸之助に敗れた。
2020年1月29日、abematvなどを運営、DDTも傘下にしているサイバーエージェントがノアの運営をしているノア・グローバルエンタテインメント株式会社の全株式の取得を発表、DDTの高木規(高木三四郎)社長がノアの社長も兼任する形で就任した。
同年9月1日、ノア・グローバルエンタテインメント株式会社・株式会社DDTプロレスリング・株式会社DDTフーズと経営統合し、『株式会社CyberFight』を設立。
但し活動は今まで通りで、経営の効率化のみである。
所属選手
管理タイトル
現王者は2023年9月24日の大会終了時点での所持者。
GHCヘビー級王座
現王者:ジェイク・リー
次期挑戦者:
GHCナショナル王座
現王者:イホ・デ・ドクトル・ワグナー・ジュニア
次期挑戦者:
GHCタッグ王座
現王者:アンソニー・グリーン、ジャック・モリス
次期挑戦者:
GHCジュニアヘビー級王座
現王者:HAYATA
次期挑戦者:
GHCジュニアタッグ王座
現王者:ドラゴン・ベイン、アルファ・ウルフ
次期挑戦者:
関連タグ
2022年1月8日横浜アリーナ大会で対抗戦が行われた。
2020年頃から交流が活発化しており、2022年6月現在は王座の一つオープンザトライアングルゲートの王座に原田大輔、小峠篤司、YO-HEYが就いていた。