データ
概要
生い立ち
母エッジースタイルは3勝。本馬は2番仔で、父スワーヴリチャードの初年度産駒となる。同世代のいとこにステレンボッシュやレガレイラがいる。本馬はレガレイラと同じ血統構成。3代母がウインドインハーヘア。すなわちディープインパクトは大伯父に当たる。
シルクレーシングの所有で、募集は5.6万円/口×500口(総額2800万円)。
競走馬時代
2歳
デビューは夏の札幌芝1800m戦。この時点では騎手からは「追い切り時から扶助が利かない」「無事に競馬を終えることが目標」、調教師からは「あまりに気性が幼く、まるで赤ちゃんのよう」と気性面でかなり問題を抱えており、返し馬でも暴れるといった面を見せていたが、レースでは1000m65.6秒のスローペースを4番手で折り合い、最終直線で追い出すとグングンと末脚を伸ばしゴール寸前で差し切って勝利。
約3ヶ月の休養を挟み、次戦は百日草特別(1勝クラス・東京芝2000m)へ出走。スタートで隣の馬に激突され道中最後方になる不利を背負うも、最終直線では上がり3F33.2秒と上がり2位に0.6秒差のぶっちぎりの末脚でゴール寸前で逃げ馬を差し切って2勝目。
年末のホープフルステークスには出走せずここで2歳シーズンを終える。
3歳
明け3歳初戦は京成杯に出走。スタートで後手を踏み、二の足も付かないこともあり道中は隊列の後方を追走。向正面から少しずつ押し上げていって最終直線で末脚を使って追い上げるが、ここは後のダービー馬ダノンデサイルが道中5番手で遜色ない末脚を駆使したこともあり届かず2着。
重賞2着となり収得賞金は確保できたがスプリングSや弥生賞の優先出走権を獲得したメンバー次第では除外になるか否かのギリギリの状況であったものの、無事除外は免れ皐月賞に直行する。
ここではメイショウタバルが作った超ハイペース展開になり中山競馬場のコース形態と後方脚質のアーバンシックとは相性が悪く4着。収得賞金は加算できなかったが皐月賞は5着馬まで日本ダービーの優先出走権が付与されるため、その切符を片手にダービーの舞台へ臨むが、道中がスローペースで展開されたことから後方から末脚を発揮することが出来ず11着に大敗。3歳春シーズンを不完全燃焼で終えた。
それから休養を挟み秋はそれまで5戦乗っていた横山武史騎手からC.ルメール騎手に乗り替わりセントライト記念から始動。
新馬戦~3歳春の頃から大幅に精神面が成長し、スタートは相変わらず鈍いものの折り合いながら徐々に隊列の前方に進出し、抜群の手応えで直線外へ持ち出すと先に先頭に立ったコスモキュランダを悠々と差し切って重賞初勝利。
優先出走権を得て次走はクラシック最後の舞台である菊花賞。7枠13番と外目の枠となったが、蓋を開けると目まぐるしいまでに先頭が入れ替わる非常に激しい展開となり、本来ならば有利なはずの内にいる馬が不利になるという珍しい事態が起こる。
- 実際、一例として2枠4番のダノンデサイルは前半こそ先団に位置取っていたが、先頭の入れ替わりに殺到する馬によって後ろに追いやられ、残り1000m辺りの時点では後方2〜3番手にまで下げる羽目に。
外枠を引いたアーバンシック(と、外枠得意のルメール騎手)にはこの展開はまさに漁夫の利。向正面からアドマイヤテラが進出していった流れについて行く形でポジションを上げて最終直線では手応え良く3番手で進出すると、前走に引き続きしっかりと末脚を駆使して2着ヘデントールに2.1/2馬身差を付け勝利。春の無念を淀の舞台で晴らして見せた。
余談
未来のGI7勝馬説浮上...?
実は菊花賞の勝利によって、一部の掲示板では『アーバンシックはGIを7勝出来るのではないか?』という意見が密かに挙がっている。
というのも、前走のセントライト記念と菊花賞の連覇を達成した競走馬は1984年のグレード制導入以降、現時点でアーバンシック含め3頭しか居らず、アーバンシック以外の2頭は
とどちらもGI7勝を記録した日本を代表する名馬である。
彼は偉大な2頭に肩を並べる馬となるのだろうか...?
ハーツクライ系のジンクス
ハーツクライ産駒は菊花賞と極めて相性が悪く、これまで連対した馬はウインバリアシオンのみで、それ以外では掲示板内にすら入着していなかった。アーバンシックが菊花賞を優勝したことによって、孫の代でついにそのジンクスが断ち切られることになった。
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ドゥレッツァ←アーバンシック→???