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クリストフ・ルメール

くりすとふるめーる

クリストフ・ルメールは、JRA(日本中央競馬会)に所属するフランス出身の騎手である。(メイン画像右の人物)
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※:メイン画像左のキャラクターはサトノダイヤモンド(ウマ娘)。ルメール騎手は彼女のモチーフとなったサトノダイヤモンド号の主戦騎手だった。

プロフィール編集

フルネームクリストフ・パトリス・ルメール(Christophe Patrice Lemaire)
生年月日1979年5月20日
出身地フランス・オワーズ県グヴュー
居住地京都府京都市右京区
所属栗東トレーニングセンター・フリー(2015年~現在)
血液型B型
身長163cm
体重53kg
家族構成妻、長男、長女
通算勝利数(2023年末時点)1,798勝(JRA)、20勝(NAR)
使用言語フランス語(母国語)、日本語英語

経歴編集

ミドルネームはフランスにおいて障害競走の騎手として活躍した父の名前から取ったもの。

幼少期はパリの北にあるシャンティイ競馬場で知られるの街・シャンティイで育った。

また、障害騎手である父の姿を見て育ったため、騎手に憧れを持つのはごく自然だったという。


1999年騎手免許を取得してデビュー。

父の勧めもあり、騎手学校ではなく一般の高等学校に入学し、学校が休みの週末に厩舎を出入りすることで騎乗技術を磨いて騎手となった。ちなみに騎手学校に通わず騎手になるというのは、フランスでは障害騎手によく見られる例で、平地騎手としては稀な例である。


フランス所属時は2003年のパリ大賞ヴェスポーヌに騎乗し、GⅠ初制覇。

その後もディヴァインプロポーションズスタセリタスタークラフトプライドなどに騎乗し、日本に移籍するまでにフランス国内のGⅠを21勝、イギリスのGⅠを8勝。

フランスの騎手リーディングも2003年から7年連続で10位内をキープするなど、優秀な成績を残した。


2002年に初来日。

当初は地方のローカル競馬を中心に活躍する一方、GⅠでは後一歩の所で勝利を逃してしまうことが多かったが、2005年有馬記念において同年の天皇賞(秋)からコンビを組んでいたハーツクライに騎乗し、武豊が駆る無敗の三冠馬ディープインパクトを破り優勝。自身初のGⅠ制覇を成し遂げた。

同レースではそれまで後方待機の追い込み馬だった同馬を先行策で運用してディープインパクトを完封し、このことについて非難も集まった一方でそれ以上の賞賛を集め、一気にその名を轟かせることとなる(後に、本レースでの勝ち星についてルメール騎手は「身体の内から爆発するような嬉しさでした。」と振り返っており、2023年3月に同馬が亡くなった際には「私のチャンピオンが亡くなったのを聞いてとても悲しい」「日本で初めてG1を勝てた、本当に特別な馬」「一番のいい思い出はやっぱり有馬記念」と同馬と同レースへの深い思い入れを語っていた)。

2006年ドバイシーマクラシックでもハーツクライで優勝。以後、同年のキングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークス(3着)、ラストランとなったジャパンカップ(10着)に至るまでハーツクライとコンビを組んだ。


その後も毎年短期免許を取得して来日し、2007年には外国人騎手として4人目となる中央競馬100勝を挙げてもいる。この間、2010年からは世界的オーナーブリーダー馬主兼生産者)として知られるアーガー・ハーン4世と専属騎乗契約を結び、フランスにおける同氏の主戦騎手を務めていた。


しかし2014年にその契約を打ち切られ、「フランスでの競馬に対するモチベーション維持が難しくなった」として、前年から外国人騎手の通年騎乗を解禁した日本への移籍を決意。2015年JRAの騎手免許試験に合格し、同時に合格したミルコ・デムーロと共に通年免許を取得した。

…が、初騎乗を翌日に控えた同年2月27日、調整ルームでTwitterを起動してリツイートをしてしまい、騎乗前日から通信機器等の使用を禁じる規則(八百長などの不正防止が目的だが、日本以外にはこの制度がない)に抵触して一ヶ月間の騎乗停止処分を受けてしまう。

しかし処分後の同年4月4日に改めてデビュー。翌5日にラキシス大阪杯(当時GⅡ)を勝利、移籍後の初勝利を重賞タイトルで飾った。

なお、この年に連続テレビ小説のマッサンを見て日本語学習に励んだそうだが、何の縁か後年自身が欧州ジョッキー時代に騎乗したスタセリタの牝系からスターズオンアースという二冠牝馬が誕生し、ルメールも主戦騎手を務める。ドラママッサンの主題歌は麦の唄、作詩作曲はあの地上の星中島みゆきである。


2016年にはサトノダイヤモンド菊花賞を制し、自身のクラシック初勝利を挙げた。その後、勢いそのままに同年の有馬記念も勝利し、先述のハーツクライ以来となる実に11年ぶりの同レース制覇を成し遂げた。この時のインタビューでは、感極まって泣いておりその中で発した「競馬は時々難しいけど、今日は素晴らしい」という一文は一部の競馬ファンの中で語り継がれる名言扱いとなっている。また、後半で「ハーツクライ以来の勝利だが、その時の嬉しさとは違ったモノがあるか?」と触れられた際にはそれまでの泣き顔が嘘のように一瞬で笑顔に変わる様を見せており、先述のインタビューで「身体が爆発しそうだった」と表現された嬉しさの炎は10数年経っても消えないほど強いものだったことがうかがえる。


2017年にはレイデオロ日本ダービー初勝利を挙げる。


2018年アーモンドアイ牝馬三冠を達成。さらに次走のジャパンカップでは2分20秒6の2400mの世界記録を打ち立てた。

この年は最終的に215勝を挙げ、武豊が記録した212勝を更新した。また、先述のレイデオロで天皇賞秋も制しており、有馬記念を勝てば秋古馬三冠レースすべてを制覇したジョッキーという偉業も成し遂げられる状況であった(結果はレイデオロにて、池添謙一騎乗のブラストワンピースにクビ差で敗れたが、1999年に武豊がスペシャルウィールにて成し遂げた秋古馬三冠レース全てで連対という記録自体には並べた)。


2018年天皇賞(春)フィエールマンで制覇し、保田隆芳武豊に続く史上3人目の八大競走完全制覇を達成。4月28日には新潟競馬場でJRA通算1000勝を最少騎乗回数(5122戦目。それまでの記録は野平祐二元騎手の5209戦)で達成した。


2021年には初めてコンビを組んだクロノジェネシス宝塚記念を初勝利、同馬をゴールドシップ以来の宝塚記念連覇に導いた。その後、年末の有馬記念にも臨み、史上初のグランプリ4連覇を狙ったが、道中エフフォーリアに徹底マークされ、また同じく本レースをラストランとするキセキが常に目の前に立ちはだかり馬群から抜け出せなかったことが影響し、3着に終わった。


2024年1月現在で未勝利のGⅠは高松宮記念大阪杯(先述したようにGⅡ時代の2015年に勝っている)、朝日杯フューチュリティステークスの3つである。


主な騎乗馬編集

※日本調教馬のみ記載。

※勝鞍はルメールとコンビを組んだもののみ記載。★はJRA顕彰馬

※海外重賞(G1,G2,G3)は()に開催国を記載。

交流重賞は<>内で開催競馬場を記載。


GI級競走勝利馬編集



重賞勝利馬編集

ルメールとのコンビで、GIIまたはGIII、あるいはそれらに準じるダートグレード競走を制覇した馬たち。


その他騎乗馬編集

※新馬戦や条件戦、国際戦など一度でも騎乗経験のある馬を五十音順で記載。




余談編集

クリスマス・ルメール?編集

2022年暮れ時点で有馬記念を3回制している彼であるが、勝ち星を上げる有馬記念にはある共通点がある。

それは、クリスマス開催の有馬記念という点だ。

2022年に優勝した際には、「二度あることは三度ある」とインタビューで満面の笑みと共に、このことを語っていた。

また、唯一クリスマス開催で優勝を逃した2011年(この年の勝ち馬はオルフェーヴルだった)もエイシンフラッシュに騎乗して2着に食い込んでおり、連対率100%という記録を保持している。

また、2022年暮れの有馬記念に向けてフジテレビ『みんなのKEIBA』のYouTube公式チャンネルより4日連続公開された「【消えた1番人気】」シリーズでは、武豊ともども4作品中2作品で主役級扱いを受けていた(もっとも1作品目はアーモンドアイで大敗を喫した有馬記念2019とまさしく主役であったが、2作品目はハーツクライディープインパクトを完封した有馬記念2005の伏兵としての主役扱いであったが)。


競馬を知らずともその凄さは伝えられる?編集

先述の通り、ハーツクライに騎乗し、ディープインパクトに初めてにして国内唯一の敗戦を味あわせた彼であるが、同馬(ディープ)はオグリキャップハルウララと並んで競馬を知らない人間であってもその名は聞いたことある/知っている有名馬なこともあってか、一般向け民放番組である相席食堂に2023年3月21日に出演した際の紹介文にはハーツクライに騎乗しディープインパクトに初黒星を与えたジョッキーという内容も含まれていた(勿論、アーモンドアイでの牝馬三冠などの目まぐるしい活躍も触れられてはいたが)。


脚質適性とは何なのか編集

競走馬には気性やスタミナ・瞬発力などに応じ、先行逃げ切り型や後方追込型といった脚質適性があり、netkeibaなどで掲載される出馬表にはこの脚質が記載される傾向がある。

しかしながら、彼が乗った競走馬にはこれは無意味になることがある。何故なら彼はその場のレースの雰囲気や馬の意向に応じて、脚質を選択することがあるからだ。

先述の追込馬・ハーツクライによる先行策を始め、最近では菊花賞2023で差し馬であるドゥレッツァで逃げ切ったレースなどが最たる例と言える。中には、イクイノックスのように脚質が変幻自在な競走馬に乗った際には封じ込める戦法がまるでない無敵な存在となってしまう。末恐ろしい…


外枠得意のスキル保持者?編集

トラック競技の性質上、一般的には距離ロスが多く不利とされる外枠、特に大外枠(8枠18番など)に入った時に勝利を挙げることが多く、麒麟川島関西テレビ制作の『麒麟川島の馬いい話。』の中で「ルメールの外枠は、内枠」と称している。


関連動画編集

2005年有馬記念


2018年ジャパンカップ


ウマ娘プリティーダービーCM


「ルメールも楽しメール!!」

ルメールの持ちネタになりつつあるこの決め台詞は、元は競走馬擬人化アプリゲーム『ウマ娘プリティーダービー』のCMのキャッチフレーズだったもの。

サトミホースカンパニーの勝負服を着用し、自身が主戦騎手を務めたサトノダイヤモンドを育成しながら上記のセリフを喋った。


関連タグ編集

JRA 騎手

ミルコ・デムーロ:同期にしてライバル。ミルコからは「全く別の騎手」「(四六時中競馬のことを考えている自分と比べて)週末だけ騎乗のことを考えてプライベートを大事にしているのに、あれだけの成績を出せるのが羨ましい」と評されている。ちなみにプライベートでの仲は良く、2017年の「ファンと騎手の集い」ではミルコをターゲットとしたドッキリの仕掛人となった。


クロエ・ルメール


外部リンク編集

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