※メイン画像は、2022年優勝のイズジョーノキセキ号と岩田康誠。
データ
概要
現在JRAで行われている牝馬限定の古馬重賞では最も長い歴史を持ち、創設年は1953年で、「東京牝馬特別(とうきょうひんばとくべつ)」の名称だった。
1964年に当時東京で発刊されていた夕刊紙・『東京タイムズ』より優勝杯の提供を受け、『東京タイムズ杯東京牝馬特別』と正式名称を変え、翌1965年には『東京タイムズ杯牝馬特別』、そして1967年には『牝馬東京タイムズ杯』として長らくその名称だった。1984年のグレード制導入時はGⅢに格付けされた。
1992年に東京タイムズが休刊(廃刊)したことにより『府中牝馬ステークス』に名称変更、2017年からは同年の日本とアイルランドとの外交樹立60周年を記念し、『アイルランドトロフィー府中牝馬ステークス』として現在まで施行されている。
創設時は東京競馬場の芝2000mのハンデキャップ競走として11月下旬に行われていたが、1955年より芝1600mに変更され、時期も12月中旬施行もあったが、1971年より10月下旬、そして1981年より10月中旬で固定されている。
負担重量は1969年より賞金別定に変更され、1996年にエリザベス女王杯が古馬にも開放されて4歳(現3歳)以上の牝馬限定戦に改められることを受け、本競走は距離を芝1800mに延長し、エリザベス女王杯の関東における前哨戦として位置づけられた。2011年にはグレードをGⅡに格上げされ、2014年からは、本競走の1着馬にエリザベス女王杯の優先出走権が与えられている。
実際、古馬牝馬の実力馬がこのレースに出走し、その後GⅠ(級)レースを勝った馬も多く輩出しており、1971年優勝のトウメイはこのレースを勝って天皇賞(秋)(当時天皇賞(秋)はジャパンカップ開幕週に行われていた)と有馬記念を優勝し、牝馬初の年度代表馬を受賞している。1993年優勝のノースフライトは現3歳でこのレースを制した後、エリザベス女王杯(当時は現3歳牝馬限定戦・牝馬三冠戦だった)を2着に好走、古馬になってからは安田記念やマイルチャンピオンシップを優勝するなど、出世レースとなった。
他にもメジロドーベル、トゥザヴィクトリー、クイーンズリングがこのレース優勝後にエリザベス女王杯(いずれも古馬開放後)を、ブルーメンブラットがマイルチャンピオンシップを、ディアドラは海外遠征を行いナッソーステークスを優勝している。
2025年度以降は競走名が「アイルランドトロフィー」に、また旧マーメイドステークスが新「府中牝馬ステークス」に名称変更される予定となった。
余談
日本競馬を中心にモデルとしたアプリゲーム『ウマ娘プリティーダービー』では、「牝馬」という概念が存在しない設定のため、「府中ウマ娘ステークス」というレースが登場。
同じく「牝馬」や「馬齢」が名称に入っている他の実際の競走についても、本作では同様のアレンジが加えられている。
関連項目
(その他のJRAの「牝馬ステークス」)
GⅡ