概要
日本における「中央競馬」を運営する特殊法人。正式名称は「日本中央競馬会(Japan Racing Association)」。国が資本金を全額出資しており、農林水産省の監督下に置かれる外郭団体である。
全国10ヶ所にある競馬場で原則土曜日と日曜日に公営競技としての競馬を開催している。
競馬施行だけでなく、馬の改良・増殖をはじめとした畜産業の振興、馬術競技の振興、功労馬といわれる引退馬への助成なども行っている。
その売上高は2022年で約3兆2500億円に及ぶなど世界各国の競馬でも最高クラスのもので、ここから納入される毎年2000~3000億円台(1990年代には4000億円台に達したことも)という巨額の国庫納付金が、日本政府の主要財源の一つとなっているなど、国家財政的にも決して無視できない存在となっている。
設立までの経緯
戦前の日本競馬は1923年の旧競馬法制定後、全国各地で競馬を主催していた11の競馬倶楽部を統合する形で1936年に設立された「日本競馬会」が運営しており、第二次世界大戦での日本の敗戦後もしばらくは日本競馬会が競馬運営を行っていた。
しかし敗戦後に日本の占領統治を行っていたGHQが独占禁止法に抵触するという見解を示したため、1948年6月に日本競馬会は解散。代わって同年7月に新競馬法が公布され、農林省畜産局が直接運営する国営競馬に移行した。
こうして始まった国営競馬だが、その運営は当初から様々な障壁にぶつかることとなる。まず戦争において軍馬として大量の馬資源が使用された結果、資源としての馬が枯渇してしまい、競走馬となる馬の確保に苦労することとなった。また、開始時期が競艇・競輪・オートレースといった各種公営競技に重なったのも売り上げに悪影響を与えることとなる。加えて当時他の公営競技と比べて競馬は控除率(賭けた際に運営に取られる手数料の比率)が高く、これも競馬離れに繋がることとなってしまった。
これに危機感を抱いた農林省畜産局は控除率引き下げ交渉に着手。何とかこれを実現させたものの売上の低迷は続き、結局1950年に至るまで続くこととなる。それでも同年に発生した鳴尾事件に代表される競輪絡みの騒乱事件が続いた結果、大きな人気を誇った競輪が開催自粛に追い込まれたことも相まって、何とか売り上げは回復することとなった。
しかし今度は国が直接競馬を運営すること自体に異論や批判が集まるようになり、国営競馬を廃止し速やかに民間団体に引き継ぐべきという声が相次ぐこととなる。サンフランシスコ平和条約の締結により日本の主権が回復した1951年前後からこの動きは始まり、当時行政のスリム化を目指していた吉田茂内閣の下、国会での議論の末に国営競馬を廃止して単一の特殊法人に承継させることが決定。
かくして1954年7月に日本中央競馬会法が公布され、これに基づく特殊法人として同年9月16日に日本中央競馬会が設立。農林省畜産局から競馬施行を承継し、同月25日、東京競馬場及び京都競馬場において中央競馬の歴史が始まった。
ちなみに現在のJRAの略称を採用したのは1987年。それ以前は「NCK(『Nippon Chuo Keiba-kai』もしくは『Nippon Central Keiba Association』)」の略称が用いられていた。
開催競馬場(所在地)
- 札幌競馬場(北海道札幌市中央区)
- 函館競馬場(北海道函館市)
- 福島競馬場(福島県福島市)
- 中山競馬場(千葉県船橋市)
- 東京競馬場(東京都府中市)
- 新潟競馬場(新潟県新潟市北区)
- 中京競馬場(愛知県豊明市)
- 京都競馬場(京都府京都市伏見区)
- 阪神競馬場(兵庫県宝塚市)
- 小倉競馬場(福岡県北九州市小倉南区)
東京・新潟・中京は左回り、それ以外は右回り。
主要開催レース(G1)
フェブラリーステークス 高松宮記念 大阪杯 桜花賞
皐月賞 天皇賞(春) NHKマイルカップ
ヴィクトリアマイル 優駿牝馬(オークス)
東京優駿(日本ダービー) 安田記念 宝塚記念
スプリンターズステークス 秋華賞 菊花賞
天皇賞(秋) エリザベス女王杯
マイルチャンピオンシップ ジャパンカップ
チャンピオンズカップ 阪神ジュベナイルフィリーズ
朝日杯フューチュリティステークス
有馬記念 ホープフルステークス
中山グランドジャンプ 中山大障害
ファンファーレ
一般競走・特別競走・重賞競走(G1を除く)
- 東京競馬場・中山競馬場 - 作曲:すぎやまこういち(代表作:『ドラゴンクエスト』シリーズのBGM)
- 京都競馬場・阪神競馬場 - 作曲:宮川泰(代表作:『宇宙戦艦ヤマト』シリーズの劇伴)
- 札幌競馬場・函館競馬場 - 作曲:鷺巣詩郎(代表作:『エヴァンゲリオン』シリーズの劇伴)
- 福島競馬場・新潟競馬場 - 作曲:服部克久(代表作:『劇場版 世紀末救世主伝説 北斗の拳』の劇伴)
- 中京競馬場・小倉競馬場 - 作曲:川口真(代表作:『ウルトラマンT』オープニング「ウルトラマンタロウ」)
G1(宝塚記念を除く)
- 東日本地区(東京・中山) - 作曲: すぎやまこういち
- 西日本地区(京都・阪神・中京) - 作曲: 宮川泰
障害競走
- 一般・特別・重賞競走 - 全競馬場共通 - 作曲:三枝成彰(代表作:『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の劇伴)
- J-G1競走 - 中山競馬場で行われる中山グランドジャンプと中山大障害で流れる - 作曲:同上
専用
シリーズ競走等
- サマーシリーズ
夏季競馬開催を盛り上げるために2006年以降に行われる距離別のシリーズの総称。
騎手
- サマージョッキーズシリーズ
競走馬
- サマースプリントシリーズ
最終的にポイントを多く獲得した総合優勝馬に5000万円(馬主に4000万円、厩舎関係者に1000万円)の報奨金を贈呈。
- サマー2000シリーズ
最終的にポイントを多く獲得した総合優勝馬に5000万円の報奨金を贈呈。
- サマーマイルシリーズ
最終的にポイントを多く獲得した総合優勝馬に3000万円の報奨金を贈呈。
それぞれのシリーズのチャンピオンには上記のように褒賞金が与えられる。
- ワールドオールスタージョッキーズ
2014年まで秋季に行われていた「ワールドスーパージョッキーズシリーズ」を名称変更1]したもので、中央競馬所属騎手・地方競馬代表騎手・外国からの招待騎手が集い、4競走のポイント制で行われる。
従来の「ワールドスーパージョッキーズシリーズ」は例年11月〜12月に行われていたが、本シリーズは夏季競馬での開催となる。
2020年・2021年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で開催中止。
競走名 | 施行日 | 競走番号 | 競走条件 | 施行距離 |
---|---|---|---|---|
ワールドオールスタージョッキーズ第1戦 | 第2回札幌競馬第5日 | 第10競走 | 3歳以上2勝クラス | 芝1,200m |
ワールドオールスタージョッキーズ | 第2戦 | 第11競走 | 3歳以上3勝クラス | 芝2,000m |
ワールドオールスタージョッキーズ第3戦 | 第2回札幌競馬第6日 | 第10競走 | 3歳以上2勝クラス | ダート1,700m |
ワールドオールスタージョッキーズ | 第4戦 | 第12競走 | 3歳以上2勝クラス | 芝1,800m |
- ジャパン・オータムインターナショナル
また対象の競走で外国調教馬が3着以内に入った場合、賞金に加え褒賞金を交付している。
pixiv公式企画
うまびイラコン競走馬擬人化イラコン
2015/10/23(金)-2015/12/06(日)23:59まで
関連項目
競馬 農林水産省
馬 競走馬 競馬場
WINS 勝馬投票券(馬券)
地方競馬 NAR
JRAのコラボイベント一覧
JAPAN_WORLD_CUP
ウマ娘プリティーダービー
ターフィー・ポニータ
:公式マスコットキャラクター
小川直也
:元職員
JRAの本気(CM)
:2011年度から2013年度に制作された傑作CMに対して使われていた。
公式が予後不良
:公式が病気系で、コラボ等を揶揄したスラング。
競馬学校
:JRA(日本中央競馬会)の騎手・厩務員の養成機関