概要
新潟県新潟市北区に所在し、日本中央競馬会(JRA)が所有・運営する。
2002年までは新潟県競馬組合による地方競馬も開催されていた。
略史
1907年に新潟市関屋(現在の中央区と西区の一部地域)に設備の整った競馬場が建設されて、翌年に競馬を開催。
1937年に日本競馬会(JRAの前身組織)の管理下となり、1943年には第二次大戦の影響により旧農林省への管轄移行と競馬開催が中断される。
1949年、新潟県が国から競馬場を借用するかたちで地方競馬が再開。
1954年よりJRA所有となる。
その後信濃川での水害対策として「関屋分水路」を開削する工事開始に伴い、立ち退きを受けた住民の住宅代替地捻出のため競馬場の移転が決定。
1965年5月、旧豊栄町(その後新潟市と合併)の現在地にて開場した。
コース概要
2001年に大規模な改修工事が行われ、それまでの右回りから左回りに変更された。
芝コースは、内回り一周1,623m・直線359m、外回り一周2,223m・直線659m(いずれもAコース使用時)。
外回りの一周及び直線距離は日本の競馬場で最長を誇り、また国内で唯一の芝直線1,000mコースが設定されている。
ダートコースは一周1,472m・直線354m。
障害競走は専用のコースはなく、通常の芝コース上に仮設の障害物を置いて行われる。
芝内回りコースでは高低差が0.8mしかないなだらかな形状となっており、ダートコースも同様で高低差0.6mと全体的に平坦である。
芝外回りコースでの高低差は2.2m。
以前は3,000mや3,200mでの芝長距離レースも行われていたが、2020年以降は開催されていない。
内馬場は来客用に開放されておらず、2棟の観客スタンド近くにファミリー向けの遊具やポニーとのふれあい施設などが整備されている。
アクセス
当競馬場は周辺自治体の中心街や既存の駅から離れた場所に移転し、その後近辺に鉄道路線などは新設されていない。
自家用の四輪車や二輪車での来場客に向けた駐車場は大規模で、JRAの競馬場としては唯一無料となっている。
交通機関では新潟駅より定期運行の路線バスがあり、開催日および場外馬券発売日には新潟駅、新発田駅、豊栄駅(いずれもJR東日本の駅)から有料の臨時便が運行。
ただし他のJR競馬場への交通機関と比較するとバスの本数は充実しているとはいえず、コロナ禍の近年は減便や一部臨時便路線の運休といった措置が取られている。
主な競走
重賞競走(現在GⅢのみ主開催)
競走名 | 開催時期 | 距離 | 出走条件 | 1着本賞金 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
新潟大賞典 | 4月下旬 | 芝外2,000m | 4歳以上 | 4,100万 | |
アイビスサマーダッシュ | 7月下旬 | 芝直1,000m | 3歳以上 | 3,900万 | サマースプリントシリーズ |
レパードステークス | 8月上旬 | ダ1,800m | 3歳 | 4,000万 | |
関屋記念 | 8月中旬 | 芝外1,600m | 3歳以上 | 3,900万 | サマーマイルシリーズ |
新潟ジャンプステークス | 8月下旬 | 障害3,250m | 3歳以上 | 2,900万 | |
新潟2歳ステークス | 8月下旬 | 芝外1,600m | 2歳 | 3,100万 | |
農林水産省賞典新潟記念 | 9月上旬 | 芝外2,000m | 3歳以上 | 4,100万 | サマー2000シリーズ |
2002年と2014年には東京競馬場と中山競馬場のそれぞれの改修工事に伴い、GⅠのスプリンターズステークスが代替開催されたことがある。
その他
芝1,000mで開催される特別競走は、疾走感をイメージさせるような名称がつけられる事が多い(はやぶさ賞、韋駄天ステークスなど)。
1966年創設のGⅢ競走の関屋記念の名称は、移転前の競馬場のあった関屋地区にちなむ。
またその跡地近辺にあたる中央区関分公園(JR関屋駅近くの街区公園)には、「新潟競馬場の碑」が建立されている。
(上記作品のキャラクターは、現在の新潟競馬場でデビュー戦と重賞初出走を迎えたライスシャワー号をモチーフにした公式版権の擬人化キャラクター)
実際の日本競馬や競走馬をモチーフにして制作されたアプリゲーム『ウマ娘プリティーダービー』でも当競馬場が「新潟レース場」として登場。
外回りコースでの最終直線の長さを反映しているからなのか、実況演出で「新潟の直線はまだまだここからが正念場!!」というくだりがある。