概要
現在JRA(日本中央競馬会)が所有・運営する主要競馬場の一つである。
そばを流れる大河と最寄駅の名前から通称「淀競馬場」とも呼ばれる。
京都府の近代競馬場は1907年開場の現下京区にあった島原競馬場に始まるとされ、1913年に現京丹波町、そして1925年に現在地に移転。
施設の老朽化と2025年の開場100周年記念事業により、2020年11月から2023年3月までレース開催を休止する大規模な改修工事が行われた(場外馬券発売は継続)。
同年4月22日のリニューアルオープンに合わせて、英語の100周年に因む「センテニアルパーク京都競馬場」の愛称が付けられている。
コース
全て右回り構造。
芝コース
一周(Aコース使用時)
:内回り1,782.8m・外回り1,894.3m
直線
:内回り328.4m・外回り403.7m。
第3コーナーから第4コーナーにかけて内回りと外回りに分かれる。
JRAの他の主要競馬場(東京競馬場・中山競馬場・阪神競馬場)とは異なり直線部に坂がない。
ただし第3コーナーに大きな坂があって外回りコースでは高低差が約4.3mとなり、「淀の坂」とも呼ばれる。
このポイントの処理の仕方がレース結果に大きく影響するとも言われており、現場の当事者達の間では「ゆっくり登って、ゆっくり下る」という一つの戦法がある。
これまでのケースで、掟破りのスパートでこの坂をものともせずに後続を振り切るという戦術で勝った馬(ミスターシービー、ゴールドシップ等)もいるが、相応のスタミナが求められる。
ダートコース
一周
:1,607.6m
直線
:329.1m
芝コースと同様に第3コーナーに坂があり、高低差は約3m。
障害コース
一周
:普障障害コース1,413.8m・大障障害コース1,399.8m
第3コーナー手前で内回り(大障害コース)と外回り(普通障害コース)に分岐。
重賞競走のみに使用される大障害コースには、高低差0.8m・長さ15.9mの台状の9号障害が設置されている。
2023年までの大改修によりコースの芝と砂は全て交換となり、水はけ対策として地盤を改良。
ゴール板は全て一新され、ハクチョウ(白鳥)をデザインに取り入れた芝コースのものも撤去された。
その他施設
本競馬場周辺にはかつて昭和前期の干拓事業完了まで存在した巨椋池を中心とした湖沼群が点在しており、現在も淀川沿いを中心に湿地帯が残っている。
そのような地理条件の元で建設された本競馬場のコースの内側全体には、その名残りとされる大きな池が広がっており、祠のある弁天島や各所に噴水装置が存在。
かつてはハクチョウ類(コブハクチョウとコクチョウ)が長い間飼育されており、本競馬場のシンボルでもあった。
しかしながら、2016年頃に数羽の死骸から鳥インフルエンザが検出されて生存個体からも陽性反応が出たため、残念ながら全羽に安楽死処置が施された。
2023年までの改修工事により、
- 1980年完成のスタンド棟「グランドスワン」の建て直しと新愛称「ゴールサイド」への変更
- 1999年完成のスタンド棟「ビッグスワン」の内装改修と新愛称「ステーションサイド」への変更
- 国内唯一であった円形パドックの楕円形への変更(中央部に植えられていたクロガネモチの木は、寿命のため移植されず、新スタンド内の木材時計に加工されて姿を変えた)
- クラシック三冠馬・三冠牝馬像の追加など屋外遊歩道の整備
などが行われている。
「淀を愛した孤高のステイヤー」(JRAのポスターシリーズ「ヒーロー列伝」より)と評され、当競馬場でのレース中に最期を迎えたライスシャワー号の遺髪を納めた記念碑が場内に建立。
開催日にはファンによる花などが途切れず供えられている。
開催重賞競走
競走名 | 開催時期 | 距離 | 出走馬 | 1着本賞金 |
---|---|---|---|---|
天皇賞(春) | 4月下旬 | 芝外3,200 | 4歳以上 | 2億2,000万 |
秋華賞 | 10月中旬 | 芝2,000 | 3歳牝 | 1億1,000万 |
菊花賞 | 10月下旬 | 芝外3,000 | 3歳 | 2億円 |
エリザベス女王杯 | 11月中旬 | 芝外2,200 | 3歳以上牝 | 1億3,000万 |
マイルチャンピオンシップ | 11月中旬 | 芝外1,600 | 3歳以上 | 1億8,000万 |
競走名 | 開催時期 | 距離 | 出走馬 | 1着本賞金 |
---|---|---|---|---|
日経新春杯 | 1月中旬 | 芝外2,400 | 4歳以上 | 5,700万 |
京都記念 | 2月上旬 | 芝外2,200 | 4歳以上 | 6,200万 |
マイラーズカップ | 4月下旬 | 芝外1,600 | 4歳以上 | 5,900万 |
京都新聞杯 | 5月上旬 | 芝外2,200 | 3歳 | 5,400万 |
京都大賞典 | 10月上旬 | 芝外2,400 | 3歳以上 | 6,700万 |
スワンステークス | 10月下旬 | 芝外1,400 | 3歳以上 | 5,900万 |
デイリー杯2歳ステークス | 11月上旬 | 芝外1,600 | 2歳 | 3,800万 |
競走名 | 開催時期 | 距離 | 出走馬 | 1着本賞金 |
---|---|---|---|---|
京都金杯 | 1月5日 | 芝外1,600 | 4歳以上 | 4,100万 |
シンザン記念 | 1月上旬 | 芝外1,600 | 3歳 | 3,800万 |
シルクロードステークス | 1月下旬 | 芝1,200 | 4歳以上 | 3,900万 |
きさらぎ賞(NHK賞) | 2月上旬 | 芝外1,800 | 3歳 | 3,800万 |
京都牝馬ステークス | 2月中旬 | 芝外1,400 | 4歳以上牝 | 3,600万 |
平安ステークス | 5月中旬 | ダ1,900 | 4歳以上 | 3,800万 |
葵ステークス | 5月下旬 | 芝1,200 | 3歳 | 4,000万 |
ファンタジーステークス | 11月上旬 | 芝外1,400 | 2歳牝 | 2,900万 |
みやこステークス | 11月上旬 | ダ1,800 | 3歳以上 | 4,000万 |
京都2歳ステークス | 11月下旬 | 芝2,000 | 2歳 | 3,300万 |
京阪杯 | 11月下旬 | 芝1,200 | 3歳以上 | 4,100万 |
J・GⅡ
競走名 | 開催時期 | 距離 | 出走馬 | 1着本賞金 |
---|---|---|---|---|
京都ハイジャンプ | 5月中旬 | 障害3,930 | 4歳以上 | 4,100万 |
J・GⅢ
競走名 | 開催時期 | 距離 | 出走馬 | 1着本賞金 |
---|---|---|---|---|
京都ジャンプステークス | 11月上旬 | 障害3,170 | 3歳以上 | 2,900万 |
2018年11月に通常は地方競馬場の持ち回りで開催されるJBC競走のJBCクラシック、JBCレディスクラシック、JBCスプリント(すべてJpnⅠ)が、JRA競馬場では初めて行われた。
アクセス
臨時改札口から専用高架通路を経て、ステーションゲート2階まで徒歩約2分(非混雑時)。
レース開催日に有料シャトルバスで約20分。
レース開催日に有料シャトルバスで約15分。
大きな直営駐車場(約8000台)もあり、入場ゲートとを結ぶ無料シャトルバスが運行。