概要
東京都府中市日吉町にあり、日本中央競馬会(JRA)が所有・運営管理を行う。
競馬ファンからは「府中競馬場」や「府中」と呼ばれる事も多い。
1933年11月に前身の目黒競馬場の後継施設として移転開場。
以降日本を代表する競馬場として整備をされてきており、東京優駿(日本ダービー)、天皇賞(秋)、ジャパンカップなど多くのGⅠレースが行われる。
なお東京優駿とGⅡの目黒記念は、目黒競馬場時代より引き継がれているレースである。
芝コースはJRAの主要4競馬場(東京、中山、京都、阪神)の中で最も大きく、新潟競馬場に次ぐ規模である。
1周距離はAコース使用時で2,083.1m、直線は525.9m。
ダートコースは日本の競馬場で最も規模が大きく、1周距離は1,899m、直線は500.1m。
障害コースでは周回コースに8つの障害を設置し、向正面には3つ、3、4コーナー中間に1つ、正面に4つ設けられている。
第3コーナー付近の内馬場には榎(エノキ)の大木が植えられているが、実況放送等では「府中の大欅(オオケヤキ)と呼ばれている。
また当コーナー付近は過去に落馬等の事故が多く「魔の第3コーナー」とも呼ばれている。
レースコース内側(内馬場)の一部が観客に開放されており、投票券発売所、飲食店、ファミリー客向けの遊具や屋外ステージなどが整備。
スタンド側の敷地内には、JRA競馬博物館や遊具のある広場、乗馬センターなどが併設されている。
競馬博物館では競馬や馬事文化に関する展示を行っており、JRA顕彰馬のコーナーも設けられている。
レースが開催されない平日で、競馬博物館とその付近の遊具エリアが無料開放されている日も多い。
また1978年に美浦トレーニングセンターが開設されるまでは、ここで競走馬の調教も行われていた。
アクセス
- 京王電鉄競馬場線、府中競馬正門前駅から専用通路で正門まで徒歩約2分。
- 京王電鉄京王線、東府中駅から東門まで徒歩約10分、府中駅から正門まで徒歩約15分。
- JR東日本南武線、武蔵野線、府中本町駅臨時改札から専用通路で西門まで約5分。
※かつては来場客用の南門が使用されていて以下のアクセス手段もあったが、2023年9月に正式に閉鎖となった。
主な競走
重賞競走 GⅠ
競走名 | 開催時期 | 距離 | 出走馬 | 1着本賞金 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
フェブラリーステークス | 2月中旬 | ダ1,600 | 4歳以上 | 1億2000万 | |
NHKマイルカップ | 5月上旬 | 芝1,600 | 3歳 | 1億3000万 | |
ヴィクトリアマイル | 5月中旬 | 芝1,600 | 4歳以上牝 | 1億3000万 | |
優駿牝馬(オークス) | 5月中旬 | 芝2,400 | 3歳牝 | 1億5000万 | 牝馬三冠第2戦 |
東京優駿(日本ダービー) | 5月下旬 | 芝2,400 | 3歳 | 3億円 | 牡馬クラシック三冠第2戦 |
農林水産省賞典安田記念 | 6月上旬 | 芝1,600 | 3歳以上 | 1億8000万 | |
天皇賞(秋) | 10月下旬 | 芝2,000 | 3歳以上 | 2億2000万 | 秋古馬三冠対象競走 |
ジャパンカップ | 11月下旬 | 芝2,400 | 3歳以上 | 5億円 | 秋古馬三冠対象競走、ジャパン・オータムインターナショナル対象競走 |
日本ダービー、天皇賞(秋)、ジャパンカップについては例年はほぼ満員状態であり、混雑を抑制するため、先述の最寄り駅の一つである京王電鉄府中競馬正門前駅では、競馬場線各停を通常開催時より増発させて京王線直通優等種別を増やすという措置がとられる。
※通常開催時は、新線新宿(新宿駅京王新線ホーム)行き直通臨時急行が2本と、東府中駅も臨時停車する京王線新宿(新宿駅京王線ホーム)行き臨時特急を3本運行。
重賞競走 GⅡ
競走名 | 開催時期 | 距離 | 出走馬 | 1着本賞金 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
サンケイスポーツ賞フローラステークス(オークストライアル) | 4月下旬 | 芝2,000 | 3歳牝 | 5200万 | |
テレビ東京杯青葉賞(ダービートライアル) | 4月下旬 | 芝2,400 | 3歳 | 5400万 | |
京王杯スプリングカップ | 5月中旬 | 芝1,400 | 4歳以上 | 5900万 | |
農林水産省賞典目黒記念 | 5月下旬 | 芝2,500 | 4歳以上 | 5700万 | 原則東京優駿と同日実施 |
毎日王冠 | 10月上旬 | 芝1,800 | 3歳以上 | 6700万 | |
東京ハイジャンプ | 10月中旬 | 障害3,110 | 3歳以上 | 4100万 | |
富士ステークス | 10月中旬 | 芝1,600 | 3歳以上 | 5900万 | 2020年よりGⅢから昇格 |
アイルランドトロフィー府中牝馬ステークス | 10月中旬 | 芝1,800 | 3歳以上牝 | 5500万 | 2025年以降「アイルランドトロフィー」に改称予定 |
京王杯2歳ステークス | 11月上旬 | 芝1,400 | 2歳 | 3800万 | |
アルゼンチン共和国杯 | 11月上旬 | 芝2,500 | 3歳以上 | 5700万 | |
東京スポーツ杯2歳ステークス | 11月中旬 | 芝1,800 | 2歳 | 3800万 | 2021年よりGⅢから昇格 |
重賞競走 GⅢ
競走名 | 開催時期 | 距離 | 出走馬 | 1着本賞金 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
根岸ステークス | 1月下旬 | ダ1,400 | 4歳以上 | 4000万 | |
東京新聞杯 | 2月上旬 | 芝1,600 | 4歳以上 | 4100万 | |
デイリー杯クイーンカップ | 2月上旬 | 芝1,600 | 3歳牝 | 3700万 | |
共同通信杯(トキノミノル記念) | 2月中旬 | 芝1,800 | 3歳 | 4000万 | |
ダイヤモンドステークス | 2月中旬 | 芝3,400 | 4歳以上 | 4300万 | |
エプソムカップ | 6月上旬 | 芝1,800 | 3歳以上 | 4300万 | |
ユニコーンステークス | 6月中旬 | ダ1,600 | 3歳 | 3700万 | |
東京ジャンプステークス | 6月下旬 | 障害3,110 | 3歳以上 | 2900万 | |
サウジアラビアロイヤルカップ | 10月上旬 | 芝1,600 | 2歳 | 3300万 | |
アルテミスステークス | 10月下旬 | 芝1,600 | 2歳牝 | 2900万 | |
東京中日スポーツ杯武蔵野ステークス | 11月上旬 | ダ1,600 | 3歳以上 | 4000万 |
その他
松任谷由実(荒井由実)の歌曲『中央フリーウェイ』の歌詞に登場する事でも知られる。
具体的には中央自動車道を八王子市方面に進んで府中市を通過する際、右側に東京競馬場が、左側にサントリーの「〈天然水のビール工場〉」(武蔵野ビール工場)の建物を確認できる風景を描写している。
東京競馬場ではこれにちなんだ「フリーウェイステークス」という特別競走が5月下旬に開催。
本馬場入場曲として『中央フリーウェイ』の使用が恒例となっている。
2月中旬に「バレンタインステークス」という特別競走が実施されており、以前までの本場馬入場曲は国生さゆりの『バレンタイン・キッス』、2019年はperfumeの『チョコレイト・ディスコ』が使用されていた。
2020年以降は通常の馬場入場曲に戻され、これを惜しむファンも少なくないようである。
関連項目
※東京都内にある地方競馬場