砂の王者へ。
2013年JRA CM「フェブラリーステークス」編より
概要
英語の「フェブラリー(February)」の名の通り毎年2月に行われ、中山競馬場での代替開催を除いて全て東京競馬場・ダート1,600mコースで開催されている。
現在はJRAのGⅠ競走として1年で最初に執り行われており(2024年からはJpnⅠの川崎記念が4月に移設したため、日本で行われる年間最初のGⅠ級レースという立ち位置も手に入れた)、2000年のジャパンカップダート(現・チャンピオンズカップ)の創設以降は春のダート王決定戦に位置付けられている。
1984年、GⅢの「フェブラリーハンデキャップ」として創設。当初はハンデ戦だった。
1994年にGⅡ昇格と、名称と負担重量が別定に変更。
1997年にJRAのダートレースとしては初のGⅠ化と、負担重量の定量化がされた。
1995年のダート交流競走指定で地方競馬の所属馬が、2007年の国際競走指定で外国調教馬の出走が可能となった。
2016年からブリーダーズカップ・チャレンジの対象競走に指定され、優勝馬には当該年のブリーダーズカップ・クラシックへの優先出走権と出走登録料・輸送費用の一部負担の特権が付与される。
本競走で上位を争った馬からは、アラブ首長国連邦のドバイで行われる国際招待競走「ドバイミーティング」へ遠征するものも出るようになった。
2011年の優勝馬トランセンドは、ドバイワールドカップで優勝したヴィクトワールピサと接戦の末に2着。
また1999年には岩手競馬のメイセイオペラが地方競馬所属馬(カク地)として初めて優勝した。
2022年にはカナダ調教のシャールズスパイトが外国調教馬(カク外)として史上初の参戦を果たした。
競走条件
出走資格:サラ系4歳以上(出走可能頭数:最大16頭)
JRA所属馬
地方競馬所属馬(収得賞金が1601万円以上、かつJRAが別に定める出走馬選定基準により選定された馬)
外国調教馬(優先出走)
負担重量:定量(57kg、牝馬2kg減)
優先出走権
出馬投票を行った馬のうち、優先出走権(次節参照)のある馬から優先して割り当て、その他の馬は「通算収得賞金」+「過去1年間の収得賞金」+「過去2年間のGI(JpnI)競走の収得賞金」の総計が多い順に割り当てる。
外国馬、およびレーティング順位の上位5頭(2012年より。牡馬・セン馬は110ポンド、牝馬は106ポンド以上であることが条件)は優先出走可能。
2014年より東海ステークスと根岸ステークスいずれかの競走における1着馬に、優先出走権が付与される。
歴代優勝馬
優勝馬の太字は最優秀ダートホース受賞馬。メイセイオペラのみNARグランプリ年度代表馬。
回次 | 開催年 | 優勝馬 | 騎手 | 備考 |
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創設・フェブラリーハンデキャップ(GⅢ) | ||||
第1回 | 1984年 | ロバリアアモン | 吉永正人 | |
第2回 | 1985年 | アンドレアモン | 中島啓之 | |
第3回 | 1986年 | ハツノアモイ | 大塚栄三郎 | |
第4回 | 1987年 | リキサンパワー | 柴田政人 | |
第5回 | 1988年 | ローマンプリンス | 増沢末夫 | |
第6回 | 1989年 | ベルベットグローブ | 郷原洋行 | |
第7回 | 1990年 | カリブソング | 柴田政人 | 1994年ブリーダーズゴールドカップ優勝。 |
第8回 | 1991年 | ナリタハヤブサ | 横山典弘 | 1992年帝王賞優勝。 |
第9回 | 1992年 | ラシアンゴールド | 蛯名正義 | |
第10回 | 1993年 | メイショウホムラ | 柴田政人 | |
GⅡ昇格・フェブラリーSに改称 | ||||
第11回 | 1994年 | チアズアトム | 本田優 | |
第12回 | 1995年 | ライブリマウント | 石橋守 | 1995年帝王賞、マイルCS南部杯優勝。 |
第13回 | 1996年 | ホクトベガ | 横山典弘 | 1993年エリザベス女王杯、1996年・1997年川崎記念連覇、1996年帝王賞・マイルCS南部杯優勝などダート交流戦を席巻。現在までフェブラリーS唯一の牝馬優勝馬。 |
GⅠ昇格 | ||||
第14回 | 1997年 | シンコウウインディ | 岡部幸雄 | |
第15回 | 1998年 | グルメフロンティア | 岡部幸雄 | 鞍上の岡部は騎手として初の連覇。 |
第16回 | 1999年 | メイセイオペラ | 菅原勲 | 地方所属馬(岩手競馬)による初のJRAのGⅠ制覇。1999年帝王賞・マイルCS南部杯優勝。 |
第17回 | 2000年 | ウイングアロー | O・ペリエ | 1998年スーパーダートダービー、2000年JCダート優勝。 |
第18回 | 2001年 | ノボトゥルー | O・ペリエ | 鞍上のペリエは2人目の騎手連覇。 |
第19回 | 2002年 | アグネスデジタル | 四位洋文 | 1999年全日本2歳優駿、2000年マイルCS、2001年マイルCS南部杯・天皇賞(秋)・香港カップ、2003年安田記念優勝。 |
第20回 | 2003年 | ゴールドアリュール | 武豊 | 2002年ジャパンダートダービー・ダービーグランプリ・東京大賞典優勝。 |
第21回 | 2004年 | アドマイヤドン | 安藤勝己 | 2001年朝日杯FS、2002年~2004年JBCクラシック3連覇、2003年マイルCS南部杯、2004年帝王賞優勝。 |
第22回 | 2005年 | メイショウボーラー | 福永祐一 | |
第23回 | 2006年 | カネヒキリ | 武豊 | 2005年・2008年JCダート、2008年東京大賞典優勝。 |
第24回 | 2007年 | サンライズバッカス | 安藤勝己 | |
第25回 | 2008年 | ヴァーミリアン | 武豊 | 2007年・2010年川崎記念、2007年~2009年JBCクラシック3連覇、2007年JCダート・東京大賞典、2009年帝王賞優勝。 |
第26回 | 2009年 | サクセスブロッケン | 内田博幸 | 2008年ジャパンダートダービー、2009年東京大賞典優勝。 |
第27回 | 2010年 | エスポワールシチー | 佐藤哲三 | 2009年JCダート、2009年~2010年・2012年かしわ記念3勝、2009年、2012年~2013年マイルCS南部杯3勝、2013年JBCスプリント優勝。 |
第28回 | 2011年 | トランセンド | 藤田伸二 | 2010~2011年JCダート連覇、2011年マイルCS南部杯優勝。2011年ドバイWCでもヴィクトワールピサの2着。 |
第29回 | 2012年 | テスタマッタ | 岩田康誠 | 2009年ジャパンダートダービー優勝。 |
第30回 | 2013年 | グレープブランデー | 浜中俊 | 2011年ジャパンダートダービー優勝。 |
第31回 | 2014年 | コパノリッキー | 田辺裕信 | 単勝272.1倍の最低人気からの優勝(JRA歴代配当額2位)、鞍上田辺裕初GⅠ制覇。同年かしわ記念・JBCクラシック優勝。 |
第32回 | 2015年 | コパノリッキー | 武豊 | 史上初の連覇。同年JBCクラシック連覇、2016年帝王賞、2016年~2017年かしわ記念・マイルCS南部杯連覇、2017年東京大賞典優勝。 |
第33回 | 2016年 | モーニン | M・デムーロ | |
第34回 | 2017年 | ゴールドドリーム | M・デムーロ | 鞍上のデムーロは3人目の騎手連覇。同年チャンピオンズカップ、2018年~2019年かしわ記念連覇、2018年帝王賞優勝。 |
第35回 | 2018年 | ノンコノユメ | C・ルメール | 2015年ジャパンダートダービー優勝。地方競馬移籍後も活躍。 |
第36回 | 2019年 | インティ | 武豊 | |
第37回 | 2020年 | モズアスコット | C・ルメール | 2018年安田記念優勝。 |
第38回 | 2021年 | カフェファラオ | C・ルメール | 鞍上のルメールは4人目の騎手連覇。 |
第39回 | 2022年 | カフェファラオ | 福永祐一 | 2頭目の連覇。レコードタイム1.33.8。同年マイルCS南部杯優勝。 |
第40回 | 2023年 | レモンポップ | 坂井瑠星 | GⅠ初出場にして初のGⅠ優勝。同年マイルCS南部杯・チャンピオンズカップ優勝。 |
第41回 | 2024年 | ペプチドナイル | 藤岡佑介 | 杵臼牧場の生産馬としてはGⅠ8勝目かつテイエムオペラオー以来2頭目のGⅠ馬。単勝38.0倍の11番人気ながら前年と同じくGI初出場にして初優勝かつ本レースが重賞初制覇。更に人気上位は総崩れとなり、2着に5番人気、3着に13番人気の馬が入線し、3連単153万超の大波乱となった。 |
関連項目
川崎記念 - 同時期に行われるダート交流GⅠ(JpnⅠ)、こちらはダート2100m。
(日本国内の国際ダートGⅠ競走)