概要
大井競馬場で開催される地方競馬の重賞ダートレース(JpnⅠ(GⅠ))。ダート2000mで争われている。
正式名称は「農林水産大臣賞典 帝王賞」。
全国からダートの強豪が集う、上半期のダート王決定戦に位置付けられている。
1978年4月23日に創設された、大井競馬場を代表するレース。
距離は1985年まで2800mだったが、1986年以降は2000mになっている。
また、施行時期は1995年まで4月だったが、1996年からは6月開催となった。
中央競馬(JRA)所属馬は最大7頭まで出走出来る。
東京シティ競馬は施行時期の近い宝塚記念と度々コラボレーションを行っている。
ダートGⅠ/JpnⅠには珍しい特徴として、創設から2022年までの45年間連覇した馬が一頭もいなかった(間を空けて2回勝った馬はいる)。
同じコースで行われるGⅠ東京大賞典を連覇した馬は4頭(アジュディミツオー、スマートファルコン、ホッコータルマエ、オメガパフューム)おり、全て帝王賞勝ち馬でもあるのでレースの傾向は極端に違わないはずだが、東京大賞典4連覇のオメガパフュームもその間に帝王賞を制したのは1回だけである。
2023年に前年度の覇者であったメイショウハリオが勝利し、創設46年目にして史上初の連覇を達成した。
また、2022年において国際GⅠ国際レーティングの条件( 3年平均FRR115及び当該年FRR115を上回ること)を満たしている状態になり近く国際GⅠに昇格する可能性がある。
競走条件
出走資格
サラブレッド系4歳以上。フルゲート16頭(中央競馬所属馬の出走枠は7頭)。
負担重量
定量(57kg、牝馬55kg、南半球産4歳1kg減)
優先出走権
地方競馬所属馬は、かしわ記念(JpnⅠ)、大井記念(南関東SⅠ)のいずれかの競走で2着以内の成績を収めた馬に優先出走権が与えられる。なお、かしわ記念で地方競馬他地区所属馬が優先出走権を得た場合は南関東所属馬の出走枠が減らされ、他地区所属馬の出走枠が増やされる。
歴代優勝馬
※太字はJRA所属馬。
※馬齢は2001年以降の現表記で統一する。
※ちなみに、地方馬の馬名は1980年代まで撥音(ャュョッ)が認められていなかったため、オグリキャップも笠松所属時代は「オグリキヤツプ」となっていた。
西暦(回次) | 馬名(地方所属) | 性齢 | 騎手 | 備考 |
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昭和 | 創設。大井ダート2800m・4月施行 | |||
1978年(第1回) | ローズジヤツク(大井) | 牡5 | 阪本泰之 | |
1979年(第2回) | ハツマモル(大井) | 牡4 | 福永二三雄 | |
1980年(第3回) | カツアール(大井) | 牡4 | 高橋三郎 | |
1981年(第4回) | アズマキング(大井) | 牡4 | 岡部盛雄 | |
1982年(第5回) | コーナンルビー(大井) | 牝4 | 堀千亜樹 | 初の牝馬制覇。 |
1983年(第6回) | トラストホーク(大井) | 牡5 | 高橋三郎 | |
1984年(第7回) | スズユウ(大井) | 牡6 | 石川綱夫 | |
1985年(第8回) | ロツキータイガー(船橋) | 牡4 | 桑島孝春 | 初の大井外の所属馬勝利。同年ジャパンカップに出走し、優勝馬シンボリルドルフの2着に入る。 |
大井ダート2000mに距離変更 | ||||
1986年(第9回) | トムカウント(船橋) | 牡7 | 石崎隆之 | |
1987年(第10回) | テツノカチドキ(大井) | 牡7 | 佐々木竹見 | |
1988年(第11回) | チヤンピオンスター(大井) | 牡4 | 桑島孝春 | |
平成 | ||||
1989年(第12回) | フエートノーザン(笠松) | 牡6 | 安藤勝己 | 初の南関東所属馬以外の地方馬勝利。 |
1990年(第13回) | オサイチブレベスト | 牡6 | 丸山勝秀 | 初のJRA所属馬勝利。 |
1991年(第14回) | チヤンピオンスター | 牡7 | 高橋三郎 | 初の隔年勝利。 |
1992年(第15回) |
| 帝王賞史上唯一同着の決着。 | ||
1993年(第16回) | ハシルショウグン(大井) | 牡5 | 的場文男 | のちにJRAに転厩。 |
1994年(第17回) | スタビライザー | 牡6 | 柴田善臣 | |
1995年(第18回) | ライブリマウント | 牡4 | 石橋守 | |
施行時期を6月に変更 | ||||
1996年(第19回) | ホクトベガ | 牝6 | 横山典弘 | 同年は交流重賞を主に出走し、帝王賞含めて7連勝を挙げた。 |
1997年(第20回) | コンサートボーイ(大井) | 牡5 | 的場文男 | |
1998年(第21回) | アブクマポーロ(船橋) | 牡6 | 石崎隆之 | |
1999年(第22回) | メイセイオペラ(水沢) | 牡5 | 菅原勲 | |
2000年(第23回) | ファストフレンド | 牝6 | 蛯名正義 | |
2001年(第24回) | マキバスナイパー(船橋) | 牡6 | K.デザーモ | 初の外国人騎手勝利。鞍上のデザーモは地方短期免許で騎乗した。 |
2002年(第25回) | カネツフルーヴ | 牡5 | 松永幹夫 | |
2003年(第26回) | ネームヴァリュー(船橋) | 牝5 | 佐藤隆 | |
2004年(第27回) | アドマイヤドン | 牡5 | 安藤勝己 | |
2005年(第28回) | タイムパラドックス | 牡7 | 武豊 | |
2006年(第29回) | アジュディミツオー(船橋) | 牡5 | 内田博幸 | |
2007年(第30回) | ボンネビルレコード | 牡5 | 的場文男 | |
2008年(第31回) | フリオーソ(船橋) | 牡4 | 戸崎圭太 | |
2009年(第32回) | ヴァーミリアン | 牡7 | 武豊 | |
2010年(第33回) | フリオーソ(船橋) | 牡6 | 戸崎圭太 | 2頭目の隔年制覇。かつ現在まで最後の地方馬勝利。 |
2011年(第34回) | スマートファルコン | 牡6 | 武豊 | |
2012年(第35回) | ゴルトブリッツ | 牡5 | 川田将雅 | |
2013年(第36回) | ホッコータルマエ | 牡4 | 幸英明 | |
2014年(第37回) | ワンダーアキュート | 牡8 | 武豊 | 最高齢勝利。 |
2015年(第38回) | ホッコータルマエ | 牡6 | 幸英明 | 3頭目の隔年制覇。 |
2016年(第39回) | コパノリッキー | 牡6 | 武豊 | |
2017年(第40回) | ケイティブレイブ | 牡4 | 福永祐一 | |
2018年(第41回) | ゴールドドリーム | 牡5 | C.ルメール | |
令和 | ||||
2019年(第42回) | オメガパフューム | 牡4 | D.レーン | |
2020年(第43回) | クリソベリル | 牡4 | 川田将雅 | |
2021年(第44回) | テーオーケインズ | 牡4 | 松山弘平 | |
2022年(第45回) | メイショウハリオ | 牡5 | 浜中俊 | |
2023年(第46回) | メイショウハリオ | 牡6 | 浜中俊 | 史上初の連覇。 |
2024年(第47回) | キングズソード | 牡5 | 藤岡佑介 |
ゲームでは
ウマ娘プリティーダービーでシニア級6月後半に行われるレースである。
ただ、ガチャを引かない(オグリキャップなど☆3ダートマイル・中距離ウマ娘を引けていない)プレイヤーでは、実質突破不可という状態であった。
※ここでは適性因子強化せずに進めるとする。
まず、帝王賞はダート中距離レースであり、この時点で勝ち手があるウマ娘は、かなり絞られる。しかも☆2のダートと中距離の耐火性を持つのはエルコンドルパサーのみだが、そのウマ娘も同時期に宝塚記念が入っているので、クライマックスシナリオ以外では出走不可という状態である為、帝王賞が最後に取るトロフィーという人も少なくはない。
レース動画
1996年(ホクトベガ)
1999年(メイセイオペラ)
※同年のフェブラリーステークスを優勝している。
2011年(スマートファルコン)
※2分1秒1は帝王賞のレコードタイム。
2016年(コパノリッキー)
関連タグ
宝塚記念:JRAにおける上半期最後のGⅠ。
東京大賞典:年末に大井で開催されるダート王決定戦。