美浦トレーニングセンター
みほとれーにんぐせんたー
滋賀県栗東市の栗東トレーニングセンターと共にJRAに登録されている現役競走馬の調教を集約的に担っており、その東日本の拠点として日本国内でも最大級の規模を誇る。
関東地区において1970年代までは東京競馬場(東京都府中市)と、中山競馬場(千葉県船橋市)及び同白井分場(千葉県の現白井市に設置された厩舎地区で、現在はJRA競馬学校)が調教施設の中心的存在であった。
その後競走馬の管理・調教に必要な厩舎数やコースの本数が不足するようになり、競馬場周辺の市街地化や匂いなど周辺の環境問題への対応も迫られ、複数の候補地の中から最終的に茨城県美浦村が選定。
1978年4月10日に開場し、多くの関係者が同地に移転した。
規模と専門設備は世界的にもトップクラスとされる。
また敷地内には調教師や厩務員、騎手、その他職員などの宿舎や住宅も設置。
約1,500世帯5,000人が生活しており、所在地美浦村の人口のおよそ3割に相当する。
厩舎地区は北と南に分かれている。
北
国枝栄厩舎
1990年開業。
アパパネ、アーモンドアイが牝馬三冠、アパパネの娘アカイトリノムスメが秋華賞などを制し、中央994勝・地方15勝(うちGⅠ22勝)を記録。
先述のアーモンドアイの記録によって初めて三冠を複数達成したJRA厩舎となった。
国枝師は2004年から2008年まで4年連続で優秀調教師賞(関東)に輝いており、国内でもトップクラスの成績を誇る。
その他の管理馬はサークルオブライフなど。
小島茂之厩舎
2003年開業。
ブラックエンブレムが秋華賞、クイーンスプマンテがエリザベス女王杯などを制し、中央320勝・地方13勝。
上記のGⅠ2勝ではいずれも11番人気で、三連単100万円越えの特大万馬券を生み出した。
その他の管理馬はオニャンコポンなど。
和田正一郎厩舎
2009年開業。
オジュウチョウサンが障害GⅠ9勝の偉業を打ち立てるなど、中央192勝・地方6勝。
その他の管理馬はルミナスウォリアーなど。
手塚貴久厩舎
1999年開業。
ユーバーレーベンが優駿牝馬を制するなど、中央599勝・地方9勝(うちGⅠ9勝)。
所属馬は額に白い「T」のマークが入った青色のメンコを着用することも多い。
南
戸田博文厩舎
2001年開業。
キストゥヘヴンが桜花賞制覇、フェノーメノが天皇賞(春)を連覇など、中央487勝 地方9勝(うちGⅠ3勝)。
鹿戸雄一厩舎
2008年開業。
スクリーンヒーローがジャパンカップを、エフフォーリアが皐月賞、天皇賞(秋)、有馬記念を制して2021年の年度代表馬に輝くなど中央369勝。