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概要

年末に中山競馬場の芝2500mで争われるJRAのGⅠレース。八大競走の1つに数えられ、2000年以降は秋古馬三冠競走の最終戦にも位置づけられている。

出走馬をファン投票で決める「冬のグランプリレース」であり、夏のグランプリレース「宝塚記念」と続けて勝利すると「グランプリ春秋連覇」として讃えられる。

「競馬は知らないが『有馬記念』の名前は知っている」「普段は競馬はやらないけど、年に一度有馬だけは馬券を買う」など、日頃は競馬に縁のない人々にも知名度があり、馬券の売り上げもピークの平成8年(1996年)には有馬記念の1レースだけで875億円を売り上げる(世界記録としてギネスブックに掲載)など、認知度でも売り上げでもグランプリにふさわしいレースである。現在もイギリスの障害競走「グランドナショナル」と並び、世界的に多くの人が賭けるレースとして知られる。

肝心のレースの方も、トウショウボーイテンポイントのマッチレース、オグリキャップトウカイテイオーの奇跡の復活、シンザンディープインパクトオルフェーヴル、シンボリクリスエスの圧巻の走り、カネミノブ、メジロデュレンやダイユウサクメジロパーマーハーツクライ達が呼んだ大波乱など、毎年数々のドラマが生まれる。それは、JRAが2012年のCMで「競馬のすべてがここにある」と称しているほどである。

2年連続で好走する馬が多いリピーターレースであり、3着に人気薄の馬が来ることが多い事でも有名。また、このレース自体が年度代表馬決定戦と見られることが多く、有馬記念を勝って年度代表馬JRA賞最優秀馬を受賞した馬も多い。

2014年からは出走馬の枠順の抽選を公開抽選会で実施。抽選会の模様はBSなどで放送もされている。

歴史

1956年(昭和31年)、「春の日本ダービーに対し、年末にも名物となるレースを作りたい」という、日本中央競馬会理事長・有馬頼寧の呼び掛けにより、プロ野球のオールスターゲームを参考にした“ファン投票で出走馬を決定するレース”が創設された。

「中山グランプリ」の名称で施行されたこのレースは大好評を博したが、発起人の有馬がレースからわずか17日後に急逝。そこで有馬の生前の数々の功績を讃え、「中山グランプリ」は有馬の名を冠した「有馬記念」へと改称された。以降、有馬記念は年末の風物詩として定着し、世界でも類を見ないビッグレースの一つになった。

JRA重賞レースの中で、皇族・王族以外の個人名が冠されるレースはこの有馬記念と、初代JRA理事長にして中央競馬の育ての親の1人・安田伊左衛門から取った安田記念のみである。

有馬頼寧という人物

有馬頼寧は旧久留米藩主有馬家15代当主であり、伯爵位を持つ華族。「有馬記念」創設など日本競馬界への貢献だけでなく、プロ野球チーム「東京セネタース」(現在の北海道日本ハムファイターズ埼玉西武ライオンズのルーツであり、戦時中に解散。詳細は各該当ページ参照)の経営や、日本の卓球界の基礎づくりにも貢献した。

農業の学者、政治家(貴族院議員)としても活動。JRAの親組織にあたる農林大臣も務めたことがある。有馬家は旧大名家でありながら、有馬の長男・頼義は直木賞作家、孫の頼央は水天宮の宮司と、歴々で全く異なる職業に就いている家系でもある。

レースの変遷

2000年にジャパンカップの賞金額が大幅に増大されたことや、菊花賞/秋華賞の施行時期が早まったことで、それまで有馬記念が有していた3歳馬と古馬が集結する年末の大レースという立ち位置が被るようになり、ジャパンカップを目標にして有馬記念を回避する有力馬が増え始める。ただし、90年代以前はその逆のローテーションを組むことも珍しくなく、香港国際競走の拡充でジャパンカップに参戦する外国の有力馬が減ったことや、マイル~中距離路線を進む馬が香港を選択するケースが増え、相対的に有馬記念以外の大レースが増えたことが直接の原因なのだが、近年の扱いは立ち位置の低下を感じさせるものが多い。
しかしそれでもなお、世間一般の知名度は有馬記念の方が圧倒的に高く、年末の一大イベントという扱いは健在である。

2016年……この年、17年ぶりにジャパンカップと賞金が同額になる。
2017年……新設G1のホープフルステークスが、有馬記念より後の開催日に行われるようになったが、それに対して競馬ファンからは不満の声が現在もある。ただし、有馬記念の日がその年のJRA競馬開催の最終日にならなかったのは2012年にもあった。(有馬記念が12月23日に行われ、翌日の12月24日もメインレースは阪神カップ・GⅡで開催)
2020年……ホープフルステークスが土曜日に中山大障害と同時に行われ、1年の最後のGⅠとしての有馬記念が4年ぶりに復活した。また、12月29日に開催される東京大賞典2019年からフジテレビで中継されるようになった。

余談だが、地上波含めたテレビ中継において、フジテレビは有馬記念の実況を最高峰としており、歴代でもアナウンス部長やそれに準ずる管理職が代々実況を担当する慣習があり、鳥居滋夫盛山毅・大林宏・大川和彦堺正幸三宅正治塩原恒夫青嶋達也と挙げられ、名フレーズも多く出ている。

歴代優勝馬及び鞍上

太字はこのレースを勝ち、年度代表馬を受賞した馬である。
※強調タイムはレコード。

昭和時代

グレード制導入前

年度馬名鞍上備考
第1回1956年メイヂヒカリ蛯名武五郎内2600m(2:43 1/5) 中山グランプリ
第2回1957年ハクチカラ保田隆芳内2600m
第3回1958年オンワードゼア八木沢勝美内2600m
第4回1959年ガーネツト伊藤竹男内2600m 史上初の牝馬制覇
第5回1960年スターロツチ高松三太外2600m 史上初の3歳制覇であり、同時に史上唯一の3歳牝馬制覇
第6回1961年ホマレボシ高松三太外2600m(2:40.8)史上初騎手の連覇
第7回1962年オンスロート山岡忞外2600m 史上初地方競馬出身馬(マル地)制覇
第8回1963年リユウフオーレル宮本悳外2600m 史上初関西馬の制覇・GP春秋制覇
第9回1964年ヤマトキヨウダイ梶与四松外2600m
第10回1965年シンザン松本善登外2600m GP春秋連覇 五冠達成
第11回1966年コレヒデ保田隆芳同年より2500m戦(2:37.0)
第12回1967年カブトシロー大崎昭一6馬身差勝利。
第13回1968年リュウズキ森安弘明
第14回1969年スピードシンボリ野平祐二2:35.1
第15回1970年スピードシンボリ野平祐二有馬記念連覇、GP3連覇共に史上初 最高齢(7歳)
第16回1971年トウメイ清水英次古馬牝馬初制覇
第17回1972年イシノヒカル増沢末夫3歳牡馬初制覇
第18回1973年ストロングエイト中島啓之初重賞制覇が当競走
第19回1974年タニノチカラ田島日出雄
第20回1975年イシノアラシ加賀武見3歳制覇
第21回1976年トウショウボーイ武邦彦2:34.0 3歳制覇 翌年宝塚でGP秋春連覇
第22回1977年テンポイント鹿戸明TTG三強決戦
第23回1978年カネミノブ加賀武見2:33.4
第24回1979年グリーングラス大崎昭一TTG最後の勝利。
第25回1980年ホウヨウボーイ加藤和宏
第26回1981年アンバーシャダイ東信二
第27回1982年ヒカリデユール河内洋唯一のサラ系制覇
第28回1983年リードホーユー田原成貴3歳制覇 これが初&唯一の重賞勝鞍


グレード制導入(国内GⅠ

年度馬名鞍上備考
第29回1984年シンボリルドルフ岡部幸雄2:32.8 3歳制覇
第30回1985年シンボリルドルフ岡部幸雄2頭目の連覇 七冠達成
第31回1986年ダイナガリバー増沢末夫
第32回1987年メジロデュレン村本善之本命馬2頭落馬故障競走中止と波乱の結末。
第33回1988年オグリキャップ岡部幸雄葦毛頂上決戦


平成時代

国内GⅠ

年度馬名鞍上備考
第34回1989年イナリワン柴田政人2:31.7 GP春秋連覇
第35回1990年オグリキャップ武豊史上初隔年制覇 中山入場者数最多記録
第36回1991年ダイユウサク熊沢重文2:30.6 単勝配当有馬史上最高
第37回1992年メジロパーマー山田泰誠GP春秋連覇
第38回1993年トウカイテイオー田原成貴史上初父子制覇 中364日休養明け勝利はGⅠ史上最長
第39回1994年ナリタブライアン南井克巳3歳制覇 唯一の3歳五冠
第40回1995年マヤノトップガン田原成貴3歳制覇 GP春秋連覇 指定交流競走に
第41回1996年サクラローレル横山典弘
第42回1997年シルクジャスティス藤田伸二3歳制覇
第43回1998年グラスワンダー的場均3歳制覇、初の外国産馬制覇
第44回1999年グラスワンダー的場均3頭目の連覇 春秋連覇&GP3連覇
第45回2000年テイエムオペラオー和田竜二GP春秋連覇 秋古馬三冠 古馬王道GⅠ年間全勝
第46回2001年マンハッタンカフェ蛯名正義3歳制覇
第47回2002年シンボリクリスエスオリビエ・ペリエ<フランス>3歳制覇
第48回2003年シンボリクリスエスオリビエ・ペリエ<フランス>2:30.5 4頭目の連覇、 最大着差9馬身
第49回2004年ゼンノロブロイオリビエ・ペリエ<フランス>2:29.5 秋古馬三冠
第50回2005年ハーツクライクリストフ・ルメール<フランス>DI国内唯一の敗戦
第51回2006年ディープインパクト武豊GP春秋連覇 七冠達成


国際GⅠ化(外国調教馬の出走可能に)

年度馬名鞍上備考
第52回2007年マツリダゴッホ蛯名正義中山巧者による制覇
第53回2008年ダイワスカーレット安藤勝己37年ぶり牝馬制覇
第54回2009年ドリームジャーニー池添謙一GP春秋連覇
第55回2010年ヴィクトワールピサミルコ・デムーロ<イタリア>3歳制覇
第56回2011年オルフェーヴル池添謙一3歳四冠達成 翌年宝塚でGP秋春連覇
第57回2012年ゴールドシップ内田博幸3歳制覇 翌年宝塚でGP秋春連覇
第58回2013年オルフェーヴル池添謙一隔年制覇、8馬身差勝利
第59回2014年ジェンティルドンナ戸崎圭太牝馬制覇 父子制覇
第60回2015年ゴールドアクター吉田隼人
第61回2016年サトノダイヤモンドクリストフ・ルメール<フランス>3歳制覇
第62回2017年キタサンブラック武豊GⅠ7勝目 生涯獲得賞金最多記録更新(当時)
第63回2018年ブラストワンピース池添謙一3歳制覇


令和時代(国際GⅠ

年度馬名鞍上備考
第64回2019年リスグラシューダミアン・レーン<オーストラリア>牝馬初のGP春秋連覇
第65回2020年クロノジェネシス北村友一春秋連覇 翌年宝塚制し牝馬初GP3連覇
第66回2021年エフフォーリア横山武史3歳制覇


各種記録

レースレコード
タイム:2:29.5
達成馬:ゼンノロブロイ(第49回、鞍上:オリビエ・ペリエ<フランス>)
最多勝利記録
騎手:4勝・池添謙一(第54回・第56回・第58回・第63回)
調教師:4勝・池江泰寿(第54回・第56回・第58回・第61回)
最多連続出走
回数:6回連続
達成馬:コスモバルク(第49~54回)
ホッカイドウ競馬所属馬。中央所属馬はスピードシンボリ(第11~15回)、メジロファントム(第23~27回)、ナイスネイチャ(第36~40回)の5回連続が最多。
3年連続3着
達成馬:ナイスネイチャ(第36~38回)
同一八大競走、同一GⅠでの3年連続3着はともに史上初。

サイン馬券

一年の総決算といわれる競走のためか、特にサイン理論が起こりやすいレースとしても知られる。

2001年
この年の9月11日にアメリカ同時多発テロ事件が発生。
1着がマンハッタンカフェ(蛯名正義)、2着がアメリカンボス(江田照男)と事件に関係のあるキーワードで決着となった。

2012年
この年の「今年の漢字」が「金」だったが、1着はゴールドシップ(内田博幸)だった。

2014年
この年からプレゼンターを務めた長嶋茂雄と優勝したジェンティルドンナ(戸崎圭太)は誕生日が同じ2月20日である。
ちなみに鞍上の戸崎圭太は7月8日が誕生日。

2016年
この年のプレゼンターは田中将大だったが、6枠11番のサトノダイヤモンド(クリストフ・ルメール)が1着、1枠1番のキタサンブラック(武豊)が2着となり、馬単は田中の誕生日である11月1日と同じ11-1となった。(ちなみに田中自身は外した。)
また、4着ヤマカツエース、5着ミッキークイーンを含めて、トランプに関係した馬が4頭掲示板に乗る結果になった。(1,2着馬はスートと数字)

2017年
この年の「今年の漢字」が「北」で、キタサンブラックが有終の美を飾った。また、2着にクイーンズリングが入り、2年連続でトランプ絡みの結果となった。

2018年
平成最後の有馬記念は平成最後の天皇誕生日(12月23日)の開催となった。
結果は8番のブラストワンピース(池添謙一)が1着、12番のレイデオロクリストフ・ルメール)が2着、15番のシュヴァルグラン(ヒュー・ボウマン、豪州)が3着となったが、ワイドの1つが8-15で、天皇陛下が12月で八十五歳になったという年齢を示すサインとなった。(アラビア数字の8→5ではなく、漢数字の8-15が正解だった。)
また、「今年の漢字」は「災」で、ブラストワンピースの「ブラスト(blast)」には「突風」という意味があり、また名前にラストを含んでおり、平成最初の優勝馬イナリワンとの対比にもなった。
このレースで勝利した池添謙一は、有馬記念最多勝利記録を更新する4勝目をマークした。


ウマ娘プリティーダービーにおける有馬(有マ)記念

アプリ版においては育成シナリオ中にクラシック級(2年目)・シニア級(3年目)で最大2回の出走が可能。詳しくは→有マ記念
(同作品の作中世界においては「馬」の漢字が下点2つの異体字となっている)

なお、アプリ版がリリースされて程ない2021年3月3日、唐突に『ハルウララの有馬記念』がトレンド入りした。ゲーム内においてはある意味で負けイベントにも近い結末なのだが……
ゲーム的にはマリオカートで例えると一人だけ重量級カートで悪路を突っ走っているような戦いというだけなので理論上勝つことは可能であり、1着を取らせたいとするトレーナーが後を絶たない模様。

関連タグ

競馬関連

競馬 JRA
秋古馬三冠天皇賞(秋) ジャパンカップ

宝塚記念…阪神競馬場で行われる夏のグランプリ。関西で有馬記念のようなオールスターレースを開催すべく創設された。

東京大賞典大井競馬場で行われる年の最後のGⅠ(国際競走)。12月29日に開催され、ダートの有馬記念ともいわれる。

その他年末の公営競技の大一番(開催日)

賞金王決定戦競走(ボートレースグランプリ)…競艇(ボートレース12月23日もしくは12月24日、原則として住之江競艇場で開催されるが、7年に一度平和島競艇場など他で開催される事も)
賞金女王決定戦競走(クイーンズクライマックス)…競艇女子(12月31日、各場持ち回りで開催)
KEIRINグランプリ競輪(12月30日立川競輪場京王閣競輪場平塚競輪場を基本に持ち回り開催)
スーパースター王座決定戦オートレース(12月31日川口オートレース場で開催)

その他

冬コミ:年末の大一番ということで『有馬記念』が俗称にもなっている。冬コミ開催3日間の間には各日東京大賞典、KEIRINグランプリ、スーパースター王座決定戦と開催されているが、有馬記念も同日開催された事がある。

Fate/Grandorder2019年の第64回にて、アニメ版『絶対魔獣戦線バビロニア』が放送中のためなのか『Fate/Grandprix Order -絶対競馬戦線アリマニア-』と題しコラボした。⇒コラボ特設サイト

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