堺正幸
さかいまさゆき
1952年11月8日生まれ、神奈川県川崎市出身、慶應義塾大学法学部卒。
1975年に入社。主にスポーツ実況や、昼のニュース番組(笑っていいともの一つ前の時間帯)のキャスターを担当。
アナウンス室長などを経て、2012年11月30日付でフジテレビを定年退職。以降はフジテレビの関連会社である東京フイルム・メートに在籍するフリーアナウンサーとして活動。
鉄道関連
堺アナと来れば真っ先に思い浮かぶのは、こちらの方ではなかろうか。
一番の趣味は乗り鉄である(模型鉄でもある)。そしてその趣味が仕事にまで発展した。
事のきっかけは1982年。当時の国鉄の広報担当者からフジテレビに、この年開業する東北新幹線と上越新幹線の自動列車案内放送のアナウンスの依頼が舞い込んだ。当時の上司であったアナウンス部デスクの盛山毅アナは真っ先に堺アナを選んだ。
新幹線上野開業当時の車内放送テープ
東北新幹線
上越新幹線
以来、JR東日本の東北・上越・北陸(JR西日本区間含む)・山形・秋田の各新幹線や北海道新幹線(JR北海道)、JR東日本のほとんどの在来線特急の自動列車案内放送を受け持つ事になる。
※「ほとんど」と記したのは、他社所属車両で運行されている列車(篠ノ井線の特急「ワイドビューしなの」(JR東海383系)など 東海車は西村文江が担当)や、国鉄分割民営化前後に登場した自動放送システム非搭載の車両で運行されている列車がある為である。
現在の特急あずさの車内放送
そしてフジテレビ739の鉄道番組『みんなの鉄道』のナレーションも担当。
時には自ら乗車する事もあり、寝台特急「カシオペア」の回では、車内放送・ナレーター・旅人と、3つを一度に楽しめてしまうという回になった。
鉄道を題材としたゲームである『レゾナンス:無限号列車』の日本語版アナウンスとして出演。他にも、水谷ケイコやクリステル・チアリも出演しており、本気度がうかがえる。
競馬
だが一昔前の世代の方には、こちらの方がしっくり来るだろう。関西の杉本清アナと並ぶ競馬実況界のレジェンドである。
入社以来2005年までのおよそ30年間、競馬実況に携わり、1985年天皇賞(秋)での「あっと驚くギャロップダイナ!!」や、91年有馬記念での「これはビックリダイユウサク!!」という雑誌に掲載された実況で強いインパクトを残した。
また、1988年優駿牝馬ではコスモドリームをサンキョウセッツと間違え、「サンキョウセッツだ! 郷原です! 郷原やっと牝馬のクラシックタイトルを獲りました!」とやってしまい、しばらく競馬実況から降ろされる事態となった。
そしてJRA中央競馬の総決算レースとされる有馬記念では連続14年含む計17回(82年、86年、88年および91年~2004年)担当した事から、付いた異名が「ミスター有馬記念」。東京優駿も7年連続(89年~95年)で担当。
特に一番印象的な競走馬は90年代前半の名馬トウカイテイオーだろう。
トウカイテイオーが勝利したGⅠレース(第51回皐月賞、第58回東京優駿、第12回ジャパンカップ、第38回有馬記念)は全て堺アナが実況を担当している。
特に364日振りの出走で掴んだ93年有馬記念の実況は、今でも「神実況」と評されている。
アニメ・ウマ娘によって再評価
2018年・2021年と2期に渡って放送されたアニメ「ウマ娘プリティーダービー」。
実際のレースの再現という趣旨の元で作られたこの作品では、実況も主にフジテレビ・関西テレビの実際の実況を台詞に落とし込んでおり、堺アナの実況も勿論その対象となった。
特にトウカイテイオーをメインキャラに据えた2期の13話(93年有馬記念)では、実況役の明坂聡美が何度も何度も繰り返し聞いた上で収録に臨んでおり、その再現度の高さは勿論のこと、元ネタである堺アナの実況も再評価される事になった。
「鉄ヲタ」の顔しか知らないファンの方で、このウマ娘の関連動画を見て全く違った印象を持たれた方も少なくない。
ウマ娘と史実とのシンクロ比較動画
91年日本ダービー(2期1話)
93年日本ダービー(1期OVA14話)
93年有馬記念(2期13話)