JR東日本 上野駅
汽車は烟を噴き立てゝ
今ぞ上野を出でゝゆく
ゆくへは何く陸奧(みちのく)の
青森までも一飛に
(『鉄道唱歌』第三集「奧州・磐城篇」一番)
車輪のひびき笛の聲
みかへる跡に消えて行く
上野の森の朝月夜
田端は露もまださむし
(『鉄道唱歌』第四集「北陸篇」一番)
1883年7月28日、日本初の民間資本による鉄道である日本鉄道により本駅から熊谷駅まで(現在の宇都宮線と高崎線の一部)が開通した際に開業した。
長らくの間、東北・常磐・上越・信越各線方面への長距離列車のターミナルとして重きをなしてきたが、東北・上越・北陸新幹線の開業、さらには湘南新宿ライン・上野東京ラインの運転系統新設によってその地位には変化が生じてきている。
津軽海峡・冬景色で歌われた定期夜行列車はすでに大部分が姿を消したものの、クルーズトレインとなったカシオペアやトランスイート四季島は今も当駅地上ホームから発着しており、からくも夜行列車の駅の面目を保っている。
上野東京ラインの開業により、上野駅の利用者数が激減することが予想されたが、既に地上ホームが閑散しており大半が品川・川崎~浦和以北、南の利用になっており、特に品川駅~大宮駅間は新幹線連絡輸送の途中駅になってしまった影響は大きい。
一応日中は常磐快速線と東北本線唯一の乗換駅でもあるため、まだ上野東京ラインの本数が少ない現在でも茨城県民と柏市を中心とする一部千葉県民のライフラインとしての機能は辛うじて残っているが、それすらもつくばエクスプレス開業により北千住/秋葉原に奪われつつある。
しかしながら新幹線の臨時列車の中には上野駅を始発または終着とするものが設定されており、ターミナルとしての重要性は今でもそれなりに高い。(東京駅の容量不足のため上野駅で折り返さなければならないというのが理由)
駅ナンバリングが各路線に設定されているほか、スリーレターコードとして「UEN」が設定されている。
路線・運転系統別の発車のりば
以下のほか、前述のとおりクルーズトレイン「カシオペア」・「TRAINSUITE四季島」は13番のりば・14番のりばの間に設けられた専用の「13.5番のりば」で乗降扱いを行う。列車は13番のりばの線路に入る。
山手線(JYO5)・京浜東北線(JK30)
常磐線(常磐快速線/JJ01)
ホーム | のりば | 方向 | 方面 | 備考 |
---|---|---|---|---|
高架 | 6 | 下り | 我孫子・取手・土浦・水戸・(成田線)成田方面 | 特急列車以外・品川始発 |
高架 | 8 | 下り | 水戸・いわき方面 | 特急列車・品川始発 |
高架 | 8・9 | 上り | 上野東京ライン東京・品川行き | 品川行きの全列車 |
高架 | 10~12 | 下り | 取手・土浦・水戸・成田線成田方面 | 特急列車以外・上野始発 |
地平 | 16・17 | 下り | 水戸・いわき方面 | 特急列車・上野始発 |
宇都宮線(東北本線/JU02)・高崎線
ホーム | のりば | 方向 | 方面 | 備考 |
---|---|---|---|---|
高架 | 5・6 | 下り | 赤羽・浦和・大宮・宇都宮・熊谷・高崎方面 | 上野東京ラインから |
高架 | 7~8 | 上り | 上野東京ライン東京・品川・(東海道線《東海道本線》)横浜・平塚・小田原・熱海方面 | |
地平 | 14~16 | 下り | 赤羽・浦和・大宮・宇都宮・熊谷・高崎・長野原草津口・前橋方面 | 高崎線特急列車含む・上野始発 |
13番線も宇都宮・高崎線ホームとして運用されているが、2021年春のダイヤ改正以降、原則上り当駅止まり列車到着のみで、下り列車無し。
新幹線
車内整備のための引き上げ線として当駅の副本線が使われる。
のりば | 方向 | 路線 | 方面 | 備考 |
---|---|---|---|---|
20 | 下り | 東北新幹線 | 仙台・盛岡・新青森・山形新幹線山形・新庄・秋田新幹線秋田・北海道新幹線新函館北斗方面 | |
19・20 | 下り | 上越新幹線 | 越後湯沢・新潟・北陸新幹線長野・富山・金沢方面 | |
21・22 | 上り | 東京行き |
東京延伸以前は一部例外を除き19番・20番が上越、21番・22番が東北と分けられてた。
東京延伸以降は傾向として東京行きは長らく21番を基本とし22番を予備とされてきたが平成27年の北陸新幹線開業以降東北を21番、上越・北陸を22番に入線させることが多くなってきてる。
下りは19番が上越系統、20番が東北系統の発着ホームとなる。冒頭の通り19・22は回送車が停車する時間帯もあるためその場合は上越系統も20・21から発着する。
東京メトロ 上野駅
1927年12月30日、日本初の地下鉄である現銀座線の本駅から浅草駅までの区間の開通時に開業した。
現在は銀座線と日比谷線の2路線が乗り入れ、銀座線の車両基地である上野検車区の本区も近い。同検車区へは地上に出ることから、検車区出入口には第三軌条方式の地下鉄としては非常に貴重な踏切もある。
東京メトロを経営している東京地下鉄株式会社本社が、前身の帝都高速度交通営団の当時よりここに所在し、日比谷線の1・2番出口に直結する。また、銀座線の5a出口の方も上野マルイと直結している。
JR東日本各路線のホーム、特に山手線ホームからは遠く離れており、距離的には京成上野駅からともそうそう変わらない。
のりば | 路線(駅番号) | 方面 | 備考 |
---|---|---|---|
1 | 銀座線(G16) | 日本橋、渋谷方面 | 当駅始発・終着あり |
2 | 〃 | 浅草方面 | 当駅始発・終着あり |
1 | 日比谷線(H18) | 八丁堀、中目黒方面 | |
2 | 〃 | 北千住、南栗橋方面 | 東武スカイツリーライン乗り入れ |
オレンジ色の改札が要るくらい互いに離れているからか、日比谷線の乗り場は銀座線からの連番ではない。
銀座線の発車メロディーには森山直太朗の「さくら(独唱)」の一部が使われている。
京成上野駅
当該記事を参照。都営大江戸線方面に直結する地下通路でヨドバシカメラマルチメディア上野店1号店と直結している。駅ナンバリングはKS01。
利用状況
近況
JR東日本
- 2019年(令和元年)度の1日平均乗車人員は、187,536人である。
- JR東日本の駅では12位で、以前なら川崎駅、京都駅、名古屋駅等と争っていたものの次第に差が開き、これらの争いから脱落している。
- 特に上野東京ライン開業後は、既に地上ホームは閑散としている状態である。
- かつてターミナル駅だったものが別のターミナルへ直通するようになって行き止りホームの地位が低下した駅として対比に挙げられることが多い天王寺駅とは共通点が多いがあちらが日中も高架ホームから阪和線の始発電車が頻発してることに比べ昼間の地平ホームからは僅かな特急列車と忘れた頃にやってくる始発終着列車のみ発着するという当駅の方が沈下度は大きいと言える。
- しかし常磐線のダイヤは上野東京ライン開業後も上野駅を基準として組まれており、上野駅の下り時刻表を見ると常磐線特急は毎時ジャスト・30分の上野発となっている。一部は上野始発のままである。
- 因みに非定期利用の割合が多く、新幹線の駅としては高崎駅や宇都宮駅よりも上回っている。
- 公園口は東京国立博物館や東京芸術大学などにほど近く、アカデミック、アーティスティックな雰囲気が漂うが、不忍口はアメ横に近く雑然とした雰囲気であり、入谷口はゲイバーや「会員制サウナ」の集まる地域であるなど、改札口や訪問者の意識によって全く異なる印象を受ける駅である。
- かつての13番線トイレ(現PROLOGUE四季島:四季島乗客専用ラウンジ)はハッテン場として知られており、入谷口付近にはゲイの集まる書店があり、上野公園のそばにはゲイ映画専門の映画館があった。現在はいずれも無くなっているが、上野は今も日本有数のゲイタウンであり、上野ゲイトウェイである。
東京メトロ
- 2019年(令和元年)度の1日平均乗降人員は、210,272人である。
利用状況比較表
事業者名 | JR東日本 | 東京メトロ | |
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年度 | 乗車人員 | 乗降人員 | 乗降人員 |
2008年(平成20年)度 | 181,244人 | 362,488人 | 213,522人 |
2009年(平成21年)度 | 178,413人 | 356,826人 | 207,635人 |
2010年(平成22年)度 | 172,306人 | 344,612人 | 204,449人 |
2011年(平成23年)度 | 174,832人 | 349,664人 | 201,602人 |
2012年(平成24年)度 | 183,611人 | 367,222人 | 212,509人 |
2013年(平成25年)度 | 181,880人 | 363,760人 | 211,539人 |
2014年(平成26年)度 | 182,468人 | 364,936人 | 210,379人 |
2015年(平成27年)度 | 181,588人 | 363,176人 | 207,240人 |
2016年(平成28年)度 | 182,693人 | 365,386人 | 209,130人 |
2017年(平成29年)度 | 187,536人 | 375,072人 | 213,020人 |
2018年(平成30年)度 | 188,170人 | 376,340人 | 215,821人 |
2019年(令和元年)度 | 182,704人 | 365,408人 | 210,272人 |
pixivでの傾向
長距離ターミナルであった国鉄時代の風景が多い。
余談
鉄道会社では別の位置に所在する同一地名の駅が同名になる事を避けるため、駅名に旧国名を付ける事が多い。しかしかつての「上野国(こうづけのくに)」である群馬県においてはよりにもよって県内の幹線である高崎線のターミナルとして当駅が存在していた(他に三重県の伊賀上野駅の存在も影響している)事から「上野○○」という駅名を使うことができず、以下の駅名を使用している。
ちなみに、三重県には前述の伊賀上野駅のほかに上野がつく駅が3駅もある。
関連イラスト
関連タグ
ターミナル 終着駅 始発駅 東京駅 新宿駅 夜行列車 津軽海峡・冬景色
小樽駅:当駅のデザインをモチーフとしたもの。さらに縮小したのが、樺太(現サハリン)の真岡駅の旧駅舎である。