路線データ
路線名 | 日比谷線 |
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区間 | 北千住〜中目黒 |
路線距離 | 20.3km |
軌間 | 1,067mm(狭軌) |
駅数 | 22駅 |
電化区間 | 全線(直流1,500V) |
複線区間 | 全線 |
閉塞方式 | 速度制御式(新CS-ATC)・ATO |
運転指令所 | 東京メトロ総合指令所 |
最高速度 | 80km/h |
第一種鉄道事業者 | 東京メトロ |
概要
北千住駅(東京都足立区)と中目黒駅(目黒区)を結ぶ営団地下鉄→東京メトロの路線の一つ。都市計画及び鉄道要覧上の路線名は2号線、車両カラーはシルバー(銀色)。
銀座線の混雑緩和を目的として建設された。
営団地下鉄初の架空電車線(架線)方式の電化路線及び他社との相互直通運転を行った路線である。
六本木ヒルズのある六本木駅、築地本願寺や築地市場が近い築地駅、京葉線との数少ない乗換駅八丁堀駅、JR以外との接続の悪さが目立つ秋葉原駅、ドヤ街山谷から最も近い三ノ輪駅、唯一出口が山谷方面に向いた方向にもある南千住駅などこの線に乗り換えないと行けない・乗り換えられないという場所も結構多い。
直通運転区間
※北千住駅〜東武動物公園駅間の愛称は「東武スカイツリーライン」
2013年(平成25年3月15日まで以下の区間でも直通運転を行っていた。
なお、東横線との直通中止後も車両の鷺沼工場への回送時には東京急行電鉄(現・東急電鉄)の以下のルートを経由する。
・東横線:中目黒駅〜武蔵小杉駅〜元住吉検車区〜武蔵小杉駅〜田園調布駅
直通区間の変更によって路線図が直通先の駅ナンバリングに対応した。表記ルールは半蔵門線に準拠する。余談だが、半蔵門線は日比谷線より先に、スカイツリー開業時には押上駅の副名称導入をする形で路線図などの変更が行われたが、東武アーバンパークラインだけは(直通に関わっていないからか)ことごとくスルーされている。
- 沿革
1961年(昭和36年)3月28日に南千住駅〜仲御徒町駅間が開業。東京オリンピックに合わせ急ピッチで工事は進められ、1962年(昭和37年)5月31日に北千住駅〜南千住駅間、仲御徒町駅〜人形町駅間がそれぞれ開通し、東武伊勢崎線北越谷駅まで直通運転を開始。1963年(昭和38年)2月28日に人形町〜東銀座駅間、オリンピック開催年の1964年(昭和39年)3月25日に霞ケ関駅〜恵比寿駅間、7月22日に恵比寿駅〜中目黒間駅間と順次開業し、開催直前の8月29日に東銀座駅〜霞ケ関駅間が開通し全線開通。同時に東急東横線日吉駅への直通運転を開始した。
- 電化方式及び車両長
上記で簡単に触れた通り、集電は旧営団としては初めての架空線方式を採用した。但し日比谷線より後に開業した架空線方式の各線が当初から車両長20mであるのに対して、日比谷線は当初は車両長18mだった。
これは直通運転が決まった当時、東武が車両長20m、東急が同18mであり、営団が18mを希望したためである。しかしその後東急が20m車に変更したため、18m車は異端車となってしまった。
さらに2013年3月16日の東横線・副都心線相互直通運転開始と引き換えに日比谷線と東横線の直通が終了。20m車を希望した東武が18m車の検査を行うという、皮肉なことになってしまった。
なお中目黒駅構内には鷺沼工場への車両回送の為現在も東横線への連絡用分岐器が存在し、設備的には直通運転の再開自体は可能である。もっとも7両編成という短さではラッシュ時の輸送力に問題があるため、仮に再開しても規模は不透明である。
今でこそ13000系が走っているが、18m車しかいなかった頃でも過去には東西線の5000系が入線したことがあり、20m車に全く対応出来ない訳ではなかった。その為20m車導入時は一部標識の移設で対応が可能だった。
- 検査
日比谷線の通常検査はもともとは南千住駅そばの千住検車区で行っていたが、手狭なため一部は千住検車区竹ノ塚分室に業務を移管した。
なお全般検査等の大規模なものは鷺沼工場で行う為、前述の中目黒駅から東横線を経由するルートで入場する。
- 事件・事故
東京メトロになってからは大きな事件や事故等は無いが、営団時代は他の路線に比べて事故発生件数がやたら多かった。
・中目黒駅構内脱線・衝突事故
1967年(昭和42年)9月28日発生。中目黒駅の奥にある折返・留置用引上線で、東武2000系が車止めに衝突し、脱線した事故。
真横を通る東急東横線の下り列車が接近していたが、ギリギリの所で衝突は回避した。
中目黒駅構内で発生した一回目の事故。
・車両火災事故(神谷町駅付近)
1968年(昭和43年)1月27日発生。B線(北千住方面)神谷町駅付近を走行中の東武2000系回送列車から発火。当該列車は六本木駅で発煙が認められ、旅客を下車させて霞ケ関駅留置線へ回送中だった。
・車両火災事故(広尾駅構内)
1972年(昭和47年)11月21日発生。B線を走行中の3000系が広尾駅手前で停電発生及び力行不能(加速不能)となった。同駅到着直後の点検では異常が認められなかったが、複数の乗客からの爆発音や煙を確認した旨の証言を受け、同駅で旅客を下車させた後留置線にて爆発音と共に大量の煙が確認された。
実は半月前の11月6日に国鉄北陸本線で急行「きたぐに」が炎上し、多くの死傷者を出した「北陸トンネル列車火災事故」が発生していた。
この事故直後だった事もあり、関係者の適切な判断により1人の負傷者も出さなかった。
・中目黒駅構内衝突事故
1992年(平成4年)6月16日発生。中目黒駅ホームへ進行していた3000系に留置線へ向かっていた2000系が衝突。原因は2000系の運転士が入替信号機を冒進、即ち信号の見落とし。一回目の事故とほぼ同じ地点での事故である。
中目黒駅構内で発生した二回目の事故
1995年(平成7年)3月20日発生。日本国内のみならず世界中を震撼させた、オウム真理教による無差別テロ事件。詳細は当該項目を参照。
小伝馬町駅では、緊急事態かつ知識の無い時代であったが故にやむを得ない事だがサリン入りの袋を乗客がホームに蹴り出した事で最も多くの犠牲者が出た。
・中目黒駅構内列車脱線衝突事故
A線(中目黒方面)走行中の03系(北千住発菊名行)が中目黒駅到着直前に脱線し、B線の同駅を発車した直後の東武20050系(中目黒発竹ノ塚行)と衝突。
朝ラッシュ時に発生した事もあり、前述の地下鉄サリン事件を除くと営団史上で唯一乗客に死者を出した大事故となった。
なお、この事故以降に新造された営団・東京メトロの形式ではボルスタレス台車を採用していない。
中目黒駅構内で発生した三回目の事故。
駅一覧
●:停車 レ:通過
駅番号 | 駅名 | TH | 接続路線 | 備考 |
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H01 | 中目黒 | 東急東横線(TY03) | 直通の名残で現在も東急管轄 | |
H02 | 恵比寿 | ● | JR山手線(JY21)/埼京線(JA09)/湘南新宿ライン(JS18) |
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H03 | 広尾 | ● |
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H04 | 六本木 | ● | 都営大江戸線(E23) | 当駅止あり |
H05 | 神谷町 | ● | ||
H06 | 虎ノ門ヒルズ | ● | 銀座線…虎ノ門駅(G07) | |
H07 | 霞ケ関 | ● | 丸ノ内線(M15)/千代田線(C08) |
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H08 | 日比谷 | レ | JR京葉線東京駅への乗り換えも可能だが、周辺施設としての案内のみで乗り換え路線には指定されていない。 | |
H09 | 銀座 | ● |
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H10 | 東銀座 | レ | 都営浅草線(A11) |
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H11 | 築地 | レ | 有楽町線新富町駅(Y20) | |
H12 | 八丁堀 | レ | JR京葉線(JE02) | 当駅始発・留置線あり |
H13 | 茅場町 | ● | 東西線(T11) | |
H14 | 人形町 | レ |
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H15 | 小伝馬町 | レ | ||
H16 | 秋葉原 | ● |
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H17 | 仲御徒町 | レ |
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H18 | 上野 | ● | 仲御徒町駅との間に非常用渡り線あり | |
H19 | 入谷 | レ | ||
H20 | 三ノ輪 | レ | ||
H21 | 南千住 | レ |
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H22 | 北千住 | レ |
| 東武管理駅 |
↓東武伊勢崎線久喜※・日光線南栗橋まで直通運転 |
※THライナーのみ久喜駅までの直通で、通常の各駅停車は東武動物公園駅までの直通。
使用車両
現在の使用車両
現在はいずれも20m級7両編成の車両が使用されている。
東京メトロ車
- 13000系:2016年導入(同年は臨時列車のみで本格導入は翌年から)。
東武鉄道車
- 東武70000系70000型(画像左):2017年より使用。
- 東武70000系70090型(画像右):2020年より使用。「THライナー」対応型デュアルシート車。
過去の使用車両
引退済の車両はいずれも18m車8両編成。
営団・東京メトロ車
- 3000系:開業時導入。老朽化のため1994年までに引退。一部は長野電鉄へ譲渡された(廃車済)他、機器単位で富山地方鉄道などに譲渡されている。また、3001・3002号車は千住検車区で動態保存されている(平時は非公開)。
- 03系:1988年導入。老朽化および20m級4扉車7両編成への統一のため2020年までに引退。一部は熊本電気鉄道・長野電鉄・北陸鉄道・上毛電気鉄道に譲渡された他、03-101編成が3両へ短縮の上有楽町線和光検車区新木場分室に動態保存されている(平時は非公開)。
東武鉄道車
- 東武2000系(画像1枚目右下):1962年より使用。老朽化のため1993年までに撤退。一部は2080系へ改造の上東武野田線へ転出した(全て廃車済)。
- 東武20000系20000型:1988年より使用。老朽化および20m級4扉車7両編成への統一のため2020年までに撤退。一部は20420型や20440型へ改造の上ワンマン線区へ転出した他、中間車1両がアルピコ交通上高地線へ譲渡された。
- 東武20000系20050型:1992年より使用。20000系の5扉車組み込み編成。老朽化および20m級4扉車7両編成への統一のため2020年までに撤退。一部は20430型や20440型へ改造の上ワンマン線区へ転出した他、中間車1両がアルピコ交通上高地線へ譲渡された。
- 東武20000系20070型:1996年より使用。同年の列車増発用に増備された編成。老朽化および20m級4扉車7両編成への統一のため2018年までに撤退。一部は20410型や20420型へ改造の上ワンマン線区へ転出した。
東京急行電鉄車
- 東急7000系:1964年より使用。1000系導入により1991年までに撤退。その後も7700系に改造の上東急池上線などで引き続き運用された(廃車済)他、秩父鉄道(廃車済)・弘南鉄道・福島交通(引退済)・水間鉄道・北陸鉄道へ譲渡された。
- 東急1000系:1988年より使用。直通終了に伴い2013年に撤退。以降も東急線内では池上線・東急多摩川線で使用されている他、余剰車は上田電鉄・伊賀鉄道・一畑電車・福島交通へ譲渡された。