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概要編集

有機リン化合物神経ガス一種。

正式名称:イソプロピルメタンフルオロホスホネート。

化学式:C₄H₁₀FO₂P。

1902年には既に合成されていた。

1939年ごろからナチス・ドイツが開発に着手、「サリン」という名称は開発に携わったシュラーダー (Gerhard Schrader)、アンブローズ(Otto Ambros)、リッター (Gerhard Ritter)、ファン・デア・リンデ (Hans-Jürgen van der Linde)の名前に由来する。

非常に強い毒性を持ち、殺虫剤開発する過程発見されるが、猛毒を含む為使われないと判断された。

なお、あまりの毒性ゆえに開発したナチスでさえも使用をためらう程だったともいわれている。


用途編集

殺人。これしかない。有害動物の駆除に使おうにも毒性が強すぎて撒いた人まで死んでしまう。


日本で起こったサリンテロ編集

1990年代にはオウム真理教がサリンを開発し、サリンを使った事件を起こした。


最初に使用されたのは松本サリン事件で、当初は正体不明の毒ガスであり様々な憶測を呼び、全く無関係だった者(この人物の家庭も事件の被害者である)が農薬を所持していた為に犯人と疑われたが、発生した毒ガスの成分が所持していた農薬では作成不可能なものである事が判明。

真相は、毒ガス発生装置を積んだオウムのトラックが被害地域を走行しながら散布していたのである。


そして1995年、戦後日本最悪の無差別テロ事件である地下鉄サリン事件が起きたのである。

被災した車両から押収した液体を科捜研で解析したところサリンである事が判明。

これが報道され、一躍その名を有名にした。


サリンを生成したのは、オウム教徒の化学者だった土谷正実

当時の日本にはサリンに関する文献も作成例も皆無であったが、彼は独学で化学式を分解し、恐らく世界で初めて、一個人でサリンの作り方を確立したのである。

ただしその責は極めて重く、刑事裁判で死刑判決を受け、2018年に他の主要メンバーと共に執行された。


余談だが、オウムはサリンを70トン(70億人を殺傷できる量)精製し、ヘリコプターで散布して国家転覆を図る計画だったとされる。

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