概要
東京メトロが運営する地下鉄路線の1つ。綾瀬〜代々木上原間の本線(21.9km)と、北綾瀬〜綾瀬間の北綾瀬支線(2.1km)がある。1969年に北千住〜大手町間の開業に始まり、1978年に全通。1979年に北綾瀬支線が開通した。現在はJRの常磐線(常磐緩行線)取手駅まで、および小田急小田原線伊勢原駅までそれぞれ直通運転を行っている。小田急とは過去に多摩線との直通運転も行っていたが、2022年3月12日のダイヤ改正で消滅した。2016年3月26日のダイヤ改正まではJR・メトロ・小田急の3社間を直通していたのはメトロ車両のみで、JR車両は代々木上原、小田急車両は綾瀬までの運用となっていたが、同改正で小田急とJRの車両も3社間の運用に就くようになった。なお、取手と伊勢原までとは記載したが実際の運行では常磐線は我孫子駅まで、小田急は向ヶ丘遊園駅までの列車がほとんどである。
綾瀬〜北千住間は、運賃計算上は常磐線との二重戸籍区間で、この区間のみ運賃はJRに合わせられている。この他にも常磐線とは一体となっている部分が多く、ダイヤ乱れ時等も滅多に直通が中止されない。場合によっては、常磐線で何かあったのに小田急と直通を切るということも。
日本の地下鉄路線では唯一、料金制の特急列車(ロマンスカー)が運転されている路線でもある。
北綾瀬〜綾瀬間の北綾瀬支線は、本来は綾瀬車両基地への回送線だったものを旅客化したもので、営業列車はすべて区間運転・3両編成での運行であったが、2019年3月のダイヤ改正から本線からの10両編成の列車も営業運転に入るようになった。
赤坂〜新御茶ノ水は東京の主要なオフィス街・官庁街であるため、通勤路線としての性格が強い。
なお行政の中心である霞ケ関を経由している為、1995年3月20日に発生した地下鉄サリン事件では同じく霞ケ関を経由する丸ノ内線・日比谷線と共に被害を受けている。
混雑率はメトロでは東西線に次ぐ第2位(178%、町屋→西日暮里、2017年度)。
その一方で日比谷線のバイパス路線という性格上からか、商業地・繁華街を直接通らず、裏口的な駅を結ぶ。具体的には、六本木・銀座・日本橋・秋葉原・上野といった駅を避けるような形で、それぞれ近辺にある乃木坂・日比谷・大手町・新御茶ノ水・湯島に駅が置かれている。
綾瀬側のエリアは千代田線自体が混雑しており、現状は東武スカイツリーライン経由半蔵門線が平行する「千代田線のバイパス」として機能している。
また東京メトロで唯一都営大江戸線との乗換駅が存在しない路線である。「乃木坂と六本木」や「湯島と上野御徒町」のように距離的にかなり近い場所ならあるが、他の路線なら大体地下通路で繋がれているのに対し、何故かこの路線だけは距離が近いのに地下道で繋がれていない。
意外と見落とされがちだが、実は乗換先の優等列車が通過する駅が多い路線でもある。
特にJR線との乗り換えはかなり悪い。
綾瀬 | 常磐快速線通過。隣の北千住で緩行⇔快速に乗り換える事は可能だが、亀有〜金町に行くには北綾瀬行きという罠がある。 |
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町屋 | 京成本線普通以外全て通過 |
西日暮里 | 高崎線/宇都宮線・京浜東北線快速通過 |
新御茶ノ水(小川町) | 都営新宿線急行通過 |
日比谷(有楽町) | 東海道線・横須賀線・京浜東北線快速通過 |
明治神宮前(原宿) | 埼京線・湘南新宿ライン通過 |
特に新御茶ノ水以北は、単独駅か乗換先が鈍行列車しかない駅が目立ち、一度乗ってしまうと2〜3回以上の乗換を強要されたりかなり南下しないと目標の優等列車に乗れなかったりする事が多い。
このため優等列車の客が他の駅で分散されておらず、その結果数少ない優等が停車する乗り換え先である大手町駅(東京駅)に乗客が集中する。
加えて、上野東京ラインが開業したとはいえ、つくばエクスプレスや東武伊勢崎線から北千住駅で当路線に乗り換える客も殺到しており、この面でも常磐線の客からは混雑を悪化させている等、不評の要素となる。
一方、代々木上原側から見ると新宿・渋谷とは別のオシャレタウン(原宿・表参道など)、日本の行政・経済の中心地(霞が関・大手町など)、下町の谷根千を通り、その気になれば六本木・銀座・秋葉原・上野周辺へも乗り換えなしで可能と見做せる。混雑は小田急と比べるとラッシュ時でもまだ余裕がある方である。
小田急小田原線・多摩線から銀座線・半蔵門線・副都心線の利用をする場合も千代田線経由が便利。
総じて、綾瀬側・常磐線側からは混んでて不便、代々木上原側・小田急線側からは空いてて割と便利と、評価が二分される路線である。
なお、建設費削減のためトンネルは複線ではなく単線並列で作られており、そのためかつての国鉄103系1000番台が運用されていた時期には排熱がこもりやすく、車輛冷房を行っていなかった旅客サービス上問題が多かったほか、電気部品も熱の影響を受けトラブルが多かったという。この国鉄103系1000番台はまたの名を鉄板電車と例えられるぐらいに壮絶なものであった。
使用車両
現在の使用車両
東京メトロ車
JR東日本車
- JRE233系2000番台:2009年より使用。
小田急電鉄車
過去の使用車両
東京メトロ車
- 5000系:開業時より使用。一時的な使用を前提としていたため本線からは1981年に東西線へ帰属(廃車済)後、残存した北綾瀬支線の3両編成は2014年に引退。現在は5951編成が綾瀬検車区に動態保存されている。
- 6000系:1971年より使用。北綾瀬支線は2014年、本線は2018年にそれぞれ引退。現在は有楽町線和光検車区新木場分室に1次試作車と6102編成が動態保存されている他、一部はKRLジャボタベックへ譲渡されている。
- 06系:1993年に導入。1編成のみの希少形式。ホームドアに対応できないため2015年に引退、廃車解体された。
- 07系:2008年、車両不足のため一時的に07-101編成を使用した。帯は東西線仕様。同年中に東西線へ移籍した。
国鉄/JR東日本車
- 国鉄103系1000番台:1970年より使用。抵抗制御が災いし熱気がこもったり床材が焦げるなどの問題が生じた上、電力消費が営団6000系より大きかったことを理由に203系に置き換えられて1986年までに撤退した。その後は105系への改造、常磐快速線への転用、中央・総武緩行線への転用など様々な経過を辿った(いずれも廃車済)。
- JR203系:1982年より使用。老朽化のため2011年までに引退。その後一部はKRLジャボタベックやフィリピン国鉄に譲渡されている。
- JR207系900番台:1986年より使用。1編成のみの試作系列。老朽化のため2009年に引退、廃車解体された。
- JR209系1000番台:1999年より使用。車種統一のため2018年までに撤退後、中央線快速へ転用された(引退済)。
小田急電鉄車
- 小田急9000形:1978年より使用。1000形投入により1990年までに直通運用から撤退、小田急地上区間用となった(廃車済)。現在先頭車1両が非公開で保存されている。
- 小田急1000形:1989年より使用。4000形投入により2010年までに直通運用から撤退、現在は小田急線地上区間で使用中。
ダイヤパターン
種別 | 本数 | 我孫子駅 |
| 代々木上原駅 | 向ヶ丘遊園駅 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
急行 | 3本/h | < | = | = | > | 急行運転は小田原線のみ |
各駅停車 | 3本/h | < | = | > | ||
各駅停車 | 3本/h | (綾瀬発着)< | > | |||
各駅停車 | 3本/h | (北綾瀬発着)< | > | |||
各駅停車 | 3本/h | <> | 北綾瀬支線のみ |
停車駅
※特急ロマンスカー以外の列車はすべて各駅に停車する。◎:停車、レ:通過、(注):運転停車。
駅番号 | 駅名 | 特急停車駅 | 乗り換え | 備考 |
---|---|---|---|---|
C01 | 代々木上原 | (注) | 小田急小田原線(OH05) | 小田急線伊勢原まで直通運転 |
C02 | 代々木公園 | レ | 小田急線代々木八幡駅が至近 | |
C03 | 明治神宮前〈原宿〉 | レ | 留置線が代々木公園地下にあり、入出庫は当駅のため当駅止まり電車がある。 | |
C04 | 表参道 | ◎ | 銀座線(G02)/半蔵門線(Z02) | |
C05 | 乃木坂 | レ | ||
C06 | 赤坂 | レ | ||
C07 | 国会議事堂前 | レ | ||
C08 | 霞ケ関 | ◎ | 丸ノ内線(M15)/日比谷線(H07) | |
C09 | 日比谷 | レ | JR京葉線東京駅への乗り換えも可能だが、周辺施設としての案内のみで乗り換え路線には指定されていない。 | |
C10 | 二重橋前〈丸の内〉 | レ | 東京駅へは日比谷駅よりも当駅が近い(特に京葉線) | |
C11 | 大手町 | ◎ |
| |
C12 | 新御茶ノ水 | レ | ||
C13 | 湯島 | レ | ||
C14 | 根津 | レ | 当駅から町屋駅まで2層構造になっている。 | |
C15 | 千駄木 | レ | ||
C16 | 西日暮里 | レ |
| |
C17 | 町屋 | レ | 当駅から北千住駅間は線路が別々になっているほか、地下区間では東京メトロにおいて駅間距離が最長。 | |
C18 | 北千住 | ◎ | ||
C19 | 綾瀬 | JR常磐緩行線(JL19) | 常磐緩行線取手まで直通運転 | |
C20 | 北綾瀬 |
関連タグ
東京メトロ(東京地下鉄) 営団地下鉄(帝都高速度交通営団) 常磐緩行線 小田原線
ラブライブ!…劇中で新御茶ノ水駅、二重橋駅、明治神宮前駅など千代田沿線の場所が使われている。