会社概要
東京地下鉄(東京メトロ)南北線の延長区間にあたる赤羽岩淵駅(東京都北区)から浦和美園駅(埼玉県さいたま市緑区)までを結ぶ14.6kmの路線を運営する第三セクター鉄道会社である。略称はSR。
本項では路線としての「埼玉高速鉄道線」(埼玉スタジアム線)についても解説する。
埼玉スタジアム線
路線データ
路線延長 | 14.6km |
---|---|
軌間 | 1,067mm(狭軌) |
駅数 | 8駅 |
電化区間 | 全線直流電化(1500V) |
複線区間 | 全線 |
閉塞方式 | 車内信号式 |
保安装置 | 新CS-ATC |
最高速度 | 80km/h |
路線概要
2001年(平成13年)3月28日に開業。同時に南北線及び東急目黒線との相互直通運転を開始。
全列車が南北線と直通運転を行なっており、日中は基本的に埼玉スタジアム線内は全線で運行される。ラッシュ時には鳩ケ谷駅での折り返し列車も設定されている。かつては日中も浦和美園発着と鳩ケ谷発着の列車が交互に運行されていたが、2019年(平成31年)3月16日のダイヤ改正で鳩ケ谷発着の列車は赤羽岩淵発着に短縮された。
荒川を地下トンネルで横断する唯一の鉄道でもある。同時に荒川の水を、水質の悪い綾瀬川や芝川などへ流す導水管も当線のトンネルに組み込まれている。
全列車が各駅に停車するが、東急線直通のうち東急線内急行の列車は最初から急行表示で運行される。
2023年3月18日からは東急新横浜線経由で相模鉄道(相鉄)との直通運転を開始。それに合わせてホームが8両編成対応となった(施設自体は開業時から8両対応)。
路線愛称
終着駅の浦和美園駅は2002年にFIFAワールドカップの試合が行われたこともある埼玉スタジアム2002の最寄り駅であり、公募した路線愛称もこれにちなんで2015年から「埼玉スタジアム線」とされている。
開業時に命名された「彩の国スタジアム線」という愛称はもはや黒歴史。
今後の予定
将来は東武野田線(東武アーバンパークライン)岩槻駅を経由してJR東日本東北本線(宇都宮線)蓮田駅までの延伸が計画されており、現在は沿線自治体と共に岩槻駅までの先行開業に向けて計画が動いている。
また、快速運転を想定して鳩ケ谷駅及び路線の改良工事も行われる見込み。
保有している2000系に予備車が少なく、予備車増加と(延伸に伴う)運用本数増加と目的として、2022年に8両編成1本の新造車を発注している。東京メトロが発注した新造車を埼玉高速鉄道が購入する方式。当初は相鉄との直通を考慮した保安装置を装備する予定であったが、中止となったため埼玉高速鉄道車両による相鉄直通は一先ず潰えた(尤も相鉄の片乗り入れはラッシュ時のみであるが)
この事から品川延伸時に南北線は品川発着となり、東急・相鉄との直通を廃止するのでは?と言う可能性が改めて浮かび上がっている。
- 参考文献2:岩槻延伸にむけて新車1編成発注! 埼玉高速鉄道 埼玉スタジアム線がなにやらおもしろくなってきた!(鉄道チャンネル)
- 参考文献3:埼玉高速鉄道「新型車両導入」へ 「南北線8両化」推進に協力体制 相鉄直通は?(乗りものニュース)
駅一覧
駅ナンバリングは南北線から連番となっている。
駅番号 | 駅名 | 接続路線 | 備考 |
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↑東京メトロ南北線(N-19)(目黒駅経由東急電鉄目黒線日吉駅〜新横浜線新横浜駅〜相鉄新横浜線西谷駅〜相鉄本線二俣川駅経由海老名駅および相鉄いずみ野線湘南台駅まで直通運転) | |||
SR19 | 赤羽岩淵 | 東京メトロ管理駅 | |
SR20 | 川口元郷 | ||
SR21 | 南鳩ケ谷 | ||
SR22 | 鳩ケ谷 | ||
SR23 | 新井宿 | ||
SR24 | 戸塚安行 | ||
SR25 | 東川口 | 武蔵野線 | |
SR26 | 浦和美園 | 埼玉スタジアム2002最寄駅。臨時ホーム設置 |
使用車両
埼玉高速鉄道車(6両編成)
- 2000系:開業時導入。
東京メトロ車
- 東京メトロ9000系:開業時より使用。製造時期や更新工事により同系列内でも差異が大きい。
東急電鉄車(8両編成)
相模鉄道車(8両編成)
- 相鉄21000系:2023年より使用。
エピソード
高額運賃
距離の割に運賃が高額なため『埼玉高額鉄道』と揶揄される場合もある。
運賃は初乗り210円、全区間乗ると460円で、初乗り運賃では京都市営地下鉄に準ずるレベル。
2020年5月31日までは北神急行電鉄(370円、ただし駅間距離が長い事に注意)、舞浜リゾートライン(260円)、横浜シーサイドライン(230円)に次ぐ4番目だったが、北神急行電鉄が神戸市交通局に路線を譲渡し消滅したため、2020年6月1日より3番目にランクアップした。
だが、直通先が東京メトロということもあってか高い割には利用者が増えている。そういう意味では東葉高速鉄道(初乗り210円)に近い路線である。
土休日と埼玉県民の日に販売される1日乗車券は580円である。290円以上の区間を往復乗車する場合は1日乗車券を購入するほうが安い。
また、赤羽岩淵駅では1日乗車券販売していないため、東京メトロから直通する場合と赤羽岩淵駅から乗車する場合は、下車駅にて有人改札で駅員に申し出ることで1日乗車券を購入を購入できる。
埼玉高速鉄道線から東京メトロ線に直通する利用の場合、「SR東京メトロパス」が赤羽岩淵駅との往復運賃+東京メトロ線の初乗り運賃2回分で購入可能である。
このため、東京メトロ線内が目的地の場合、こちらの乗車券を利用すると安くなる。
埼玉高速鉄道線 おとくなきっぷのご紹介
https://www.s-rail.co.jp/ticket/otoku.php
武州鉄道
本路線とは直接的なつながりはないものの、かつて1938年まで戸塚安行駅付近にあった神根駅から武州大門(浦和美園駅付近)、岩槻(現存する東武野田線の同名駅とは別位置)を経て蓮田駅に至る「武州鉄道」という鉄道が存在していた。この鉄道会社は神根から赤羽方面へと南進する計画を有しており、更に王子電軌(後の都電27系統)に直通して王子方面へ向かうという構想も存在していた(資金難から実現する前に廃線となってしまったが)。埼玉高速鉄道の現在の路線はまさにこの武州鉄道の実現しなかった延伸ルートと合致しており、蓮田延伸計画もまた武州鉄道の再来と言えるのかもしれない。