東急3000系
とうきゅうさんぜんけい
- 東急3000系(初代):戦前の1920年代から戦後の1960年代にかけて製造されたツリカケ駆動の旧形車の「総称」。1989年に営業運転を終了。
- 東急3000系(2代目):当記事にて解説。
東急目蒲線が2000年8月6日に運転系統を変更、東急目黒線と東急多摩川線へ分離されることになり、目黒線専用の6両編成として新造投入されたのが東急3000系である。都営地下鉄三田線、営団地下鉄(現・東京メトロ)南北線との相互直通運転も同時に始まることになったため、運転機器の取り扱いを他社の車両と共通化している(2001年に南北線経由で埼玉高速鉄道線へも相互直通運転開始)。
車体は以前の車両と同様、ステンレス製となっているが、東急で初めてビードなしの艶消しの平板で構成されている。IGBT素子によるVVVFインバータ制御を採用した。インバータユニットは奇数番号の編成が日立製作所、偶数番号の編成が東芝製のものとなっている。
東急3000系はまず先行車として第1編成が8両固定編成で製造され、1999年4月から2000年1月まで暫定的に東急東横線で運用された。2000年8月までに第12編成まで登場し6両編成12本に揃えられ、2001年3月に最終編成の第13編成が増備されて本系列の製造は78両で一旦打ち止めとなった(以降の増備は東急5080系へ移行)。
2023年の東急新横浜線開業・相模鉄道方面直通運転開始に際し、目黒線所属の全編成を8両編成へ増結する方針が決定。本系列についても2021年度より5000系列の車体に準拠した中間車を新たに新造、既存の6両編成へ順次挿入された。これに伴い車両番号も5080系にあわせた付番方式へ変更(改番)されている(先頭車も改番されているため、各編成の呼称も3001F→3101F、のように改められた)。2022年11月にまず3109Fが8両編成化され、2023年2月の3012Fを最後に全編成が8両になった。編成美を重視したため外観はつや消し仕上げになっているが、車体構造がそもそも違うため雨樋の位置や天井の形、窓ガラスの色など明らかに違う車両が混ざっていることがパッと見ですぐにわかってしまう。
- また相鉄乗り入れ対応改造を行い、この工事に際し車内案内表示器がLEDからLCDへ交換された。この工事に先立って全編成の行先表示機がフルカラーLED化された。
- VVVF制御ソフトの改修も行われており、純電気ブレーキに対応。これにより、日立製インバータユニットを搭載する奇数編成では励磁音が変化している。
- 一旦の製造終了から20年が経過しており、「一部組み替え改造で余剰車廃車→不足分を3020系で補填」「3020系を大量増備し目黒線から撤退、一部中間車を廃車の上で大井町線へ転用」と考えたファンは、中間車の増結には驚いたという。
2024年5月13日に発表された設備投資計画において、導入から20年を超える3000系のリニューアル工事を実施すると発表した。
外装や内装の張り替え・フリースペースの増備といった更新が予定されているが、1000系1500番台のように外観デザインに変更が加えられるかは現時点では不明。
現在の運用路線
- 目黒線:目黒〜日吉
- 東京メトロ南北線:目黒〜赤羽岩淵
- 埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線:赤羽岩淵〜浦和美園
- 都営三田線:目黒〜西高島平
- 東急新横浜線:日吉〜新横浜
- 相鉄新横浜線:西谷〜新横浜
- 相鉄本線:横浜〜海老名
- 相鉄いずみ野線:二俣川〜湘南台
相鉄線内は本線・海老名発着列車の運用が中心だが、時間帯によってはいずみ野線に直通。また車両使用料の相殺のため、本線西谷〜横浜間でも一部の列車で運用されている。
なお、第1編成は先述の通り、かつて東横線で活躍していたため、場所は変われど、横浜駅に23年ぶりに「帰還」を果たすこととなった。
編成表
VVVF=制御装置、SIV=補助電源装置、BT=蓄電池、CP=コンプレッサー
6両編成時代の組成
太字は東横線運用時代に組成された車両。3501・3502号車は目黒線転用時にSIV,CP,BTを追加
←目黒・浦和美園・西高島平 日吉→
形式 | 3000 | 3250 | 3200 | 3500 | 3400 | 3100 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
MT構成 | Tc2 | M2 | M1 | T1 | M3 | Tc1 | |
号車 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | |
機器構成 | SIV,CP,BT | VVVF | SIV,CP,BT | VVVF | |||
第1編成 | 3001 | 3251 | 3201 | 3501 | 3401 | 3101 | |
第2編成 | 3002 | 3252 | 3202 | 3502 | 3402 | 3102 | |
第3編成 | 3003 | 3253 | 3203 | 3503 | 3403 | 3103 | |
第4編成 | 3004 | 3254 | 3204 | 3504 | 3404 | 3104 | |
第5編成 | 3005 | 3255 | 3205 | 3505 | 3405 | 3105 | |
第6編成 | 3006 | 3256 | 3206 | 3506 | 3406 | 3106 | |
第7編成 | 3007 | 3257 | 3207 | 3507 | 3407 | 3107 | |
第8編成 | 3008 | 3258 | 3208 | 3508 | 3408 | 3108 | |
第9編成 | 3009 | 3259 | 3209 | 3509 | 3409 | 3109 | |
第10編成 | 3010 | 3260 | 3210 | 3510 | 3410 | 3110 | |
第11編成 | 3011 | 3261 | 3211 | 3511 | 3411 | 3111 | |
第12編成 | 3012 | 3262 | 3212 | 3512 | 3412 | 3112 | |
第13編成 | 3013 | 3263 | 3213 | 3513 | 3413 | 3113 |
8両編成化後の組成
太字は6両→8両化用の増結車
←目黒・浦和美園・西高島平 日吉・新横浜・湘南台・海老名→
現形式 | 3100 | 3200 | 3300 | 3400 | 3500 | 3600 | 3700 | 3800 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
改番前 | 3000 | 3250 | 3200 | 増結車 | 増結車 | 3500 | 3400 | 3100 | |
MT構成 | Tc2 | M2 | M1 | T2 | M4 | T1 | M3 | Tc1 | |
号車 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | |
機器構成 | SIV,CP,BT | VVVF | VVVF | SIV,CP,BT | VVVF | ||||
第1編成 | 3101 | 3201 | 3301 | 3401 | 3501 | 3601 | 3701 | 3801 | |
第2編成 | 3102 | 3202 | 3302 | 3402 | 3502 | 3602 | 3702 | 3802 | |
第3編成 | 3103 | 3203 | 3303 | 3403 | 3503 | 3603 | 3703 | 3803 | |
第4編成 | 3104 | 3204 | 3304 | 3404 | 3504 | 3604 | 3704 | 3804 | |
第5編成 | 3105 | 3205 | 3305 | 3405 | 3505 | 3605 | 3705 | 3805 | |
第6編成 | 3106 | 3206 | 3306 | 3406 | 3506 | 3606 | 3706 | 3806 | |
第7編成 | 3107 | 3207 | 3307 | 3407 | 3507 | 3607 | 3707 | 3807 | |
第8編成 | 3108 | 3208 | 3308 | 3408 | 3508 | 3608 | 3708 | 3808 | |
第9編成 | 3109 | 3209 | 3309 | 3409 | 3509 | 3609 | 3709 | 3809 | |
第10編成 | 3110 | 3210 | 3310 | 3410 | 3510 | 3610 | 3710 | 3810 | |
第11編成 | 3111 | 3211 | 3311 | 3411 | 3511 | 3611 | 3711 | 3811 | |
第12編成 | 3112 | 3212 | 3312 | 3412 | 3512 | 3612 | 3712 | 3812 | |
第13編成 | 3113 | 3213 | 3313 | 3413 | 3513 | 3613 | 3713 | 3813 |