概要
トランジスタの一種であり、その等価回路(電気回路として等しい構造)はバイポーラトランジスタのベース(制御電極)をMOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)で制御する構造となっている。
名称はInsulated Gate Bipolar Transistorの略語。
IGBTもMOSFETも電圧で電流を制御するため制御回路が比較的小さくできるがMOSFETの場合、大電力制御にはオン抵抗の大きさ(※)から不向きなので、大電力制御には同じ電圧による制御でもIGBTが用いられる。鉄道車両用VVVFインバータでの使用例が有名だが、カメラのストロボ制御やIHコンロなどの誘導加熱装置、汎用インバータ、最近の白物家電など色々な場所で使用されている。ちなみに扱う電圧が低い場合はMOSFETがよく使われている。
近年は耐圧を高くしてもON抵抗がケイ素(Si)よりも低い炭化ケイ素(SiC)半導体が実用化したため、Si-IGBTで制御していた対象(0.5kV~6kV前後)がSiC-MOSFETに移り、SiC-IGBTは電力系統などの更に高圧(6kV~15kV前後)を扱う用途向けに移りつつある。
注釈
※・・・耐電圧を高くすると構造上IGBTよりオン抵抗が大きくなってしまう。
関連タグ
サイリスタ(IGBTの基となった電力用半導体素子)
LGBT:一文字違い。「I」の大文字と「L(l)」の小文字が似ていて更にややこしい。