概要
2019年9月2日付で旧「東京急行電鉄株式会社」から社名変更。同年10月1日に同社の鉄道事業を子会社の東急電鉄に分割した事により、神奈川県の多摩ニュータウンを中心としたニュータウン造成や渋谷など東急電鉄沿線の再開発、宅地開発などの不動産事業および生活環境の整備事業などを行う都市開発企業へと転身した(あるいは源流企業のひとつである田園都市株式会社への先祖返りとも言える)。
また、同社は都市開発事業を行う会社としてのみならず、東京都・神奈川県に路線網を持つ大手私鉄「東急電鉄」をはじめ都市開発に関連する事業を行う企業を多数傘下に収めており、これらの企業からなる企業グループとして「東急グループ」を構成している。
尚、一般に「東急」だけの場合は鉄道会社である「東急電鉄」を指す事が多く、都市開発企業である「東急株式会社」は「東急本社」と呼ばれる。それ以外のグループ企業は、「東急不動産」「東急百貨店」のように「東急○○」と書かれることが多い。かつてのプロ野球の球団「東急フライヤーズ」のタグとしても使われている。
東急グループ
前述の通り都市開発企業として出発した東急は、当初より宅地造成のみならず生活インフラや娯楽、文化教育施設など都市機能ひと揃いの「まちづくり」を目指していた事から、不動産事業や交通事業をはじめ、生活に密着した企業が数多く揃っている。また、事実上の創業者とされる五島慶太が元々教育者(東京高等師範学校卒業後、商業学校の英語教師を短期間務めていた)であった事から早い段階で学校運営に携わるなど教育事業にも力を入れている点も特徴である。
かつては「強盗慶太」こと五島慶太による相次ぐM&Aによって事業を(半ば強引に)拡大し、交通・陸運事業を中心に多数の企業をグループに置いていた。
戦後は一転、慶太の長男である昇の方針で運輸業およびその関連業種に絞ってのグループ再編が行われ、また「偉大なローカルブランドとなることが出発点」との考えのもと全国展開に慎重な姿勢を打ち出した。現在その事業規模に対しトップシェアとなる分野が存在しないのはこのためである。
五島昇死去後は鉄道事業に依存するような形で事業が無秩序に膨張していったが、バブル崩壊に伴う不況でグループ全体が大幅な業績低迷に陥った事を機に、1998年に当時のグループ代表である清水仁の「自立なき者は共創の輪に加わる事ができない」との号令のもと再び運輸業や沿線開発などに経営資源を集中させる形でグループを再編、「東急の価値を共に高める総合力」が東急グループであると定義した。このような大幅なリストラ・グループ離脱を伴う再編の結果、現在は再び業績が回復に向かっている。
主なグループ会社一覧
交通事業
鉄軌道事業
バス事業
その他
流通事業
不動産事業
(上述の通り、東急電鉄沿線においては東急本社が不動産事業を行っている)
文化事業
その他
かつてのグループ会社
前述の通り五島昇、清水仁両総帥時代に大規模グループ再編が行われているため、グループを離脱した企業も数多い(これら再編と無関係にグループを離脱したものもある)。以下、ピクシブ百科に記事のあるものを中心に挙げる。
交通事業
「大東急」も参照のこと
鉄軌道事業
バス事業
- 函館バス
- 神奈川中央乗合自動車(現神奈川中央交通):現在は小田急グループ
- 関東乗合自動車(現関東バス)
- 東京観光自動車・東都乗合自動車(現国際興業)
- 越後交通
- 上電バス(現上田バス)・草軽交通:現在は草軽上田ホールディングス傘下
- 千曲バス:現在はグリーンキャブ傘下
タクシー事業
その他
流通事業
製造事業
- 東急くろがね工業(現日産工機):現在は日産グループ
- 東急車輛製造:鉄道車両製造事業はJR東日本グループの総合車両製作所が、立体駐車装置事業と特装自動車事業はそれぞれ新明和工業グループの新明和パーテック・東邦車両が継承