土地としての渋谷
全国に「渋谷」という地名が存在するが、ここでは主に東京都の渋谷について解説する。
概要
東京都渋谷区、渋谷川沿いに渋谷駅が建設された。その後東急電鉄による大開発が行われ、東京の副都心の一つである大繁華街が形成された。もちろん、西武百貨店や堤清二との開発を通して渋谷が単なるターミナルだけでなく文化の中心となって行ったことは言うまでも無い。渋谷スクランブル交差点など世界的に有名な場所もある。
元は江戸時代の開拓の際、地名のとおり谷があった場所を埋め立て、市街地とした場所のため標高が低く高低差や坂道が多い。地下鉄銀座線が地上部分に露出しているのは路線の他の土地と同じ標高に建築されたからである。当該市街地の大気もいまいち重い印象がある。
駅の西側には小田急線の代々木八幡駅方面へつながる谷筋と、そこから玉川通りまでの坂である道玄坂がある。道玄坂途中から谷筋にかけては歓楽街が広がっている。
駅の東側は明治通り沿いに谷筋があって、東にある青山学院大学方面まで上る宮益坂がある。
1990年代~2000年代初期には若者の街として知られた。今では秋葉原・原宿等に集約されてしまったが、かつては同人誌やコスプレ衣装を取り扱う店もあった。
その頃のイメージで、どうしても「渋谷駅ハチ公口側でガラケーとたまごっちを持った女子高生が遊んでる地」という先入観を持たれがちであるが、すでに再開発が進み、ビジネス街が広がっている。再開発後の渋谷は綺麗になったが、とても若者ではお金が払えないような店が増えた。これはかつての新宿と似た光景である。
とはいっても元々人が多いため、今でも若者は多い。変態仮装行列のように若者絡みの騒動が起きることもある。
かつては不良の街として知られ、治安も明確に悪いと言って良いものであり、2000年代には物乞いが闊歩し、アダルトビデオの路上撮影が横行しているほどであった。諸条例の整備や界隈の高齢化(かつての利用層である若者が大人になったため)もあって、2020年代になると少なくとも渋谷駅近くは平日の昼頃ならファミリー層が気軽に出歩ける程度の治安にはなった。特に神南辺りは富裕層向けに設計された町である。
もっとも、既に2010年代にはオフライン文化だけを見れば寧ろ中高年の街と化したという意見すらある。また、この頃には既にファッションの街としても一時代を過ぎ去っている。
また、元々少なくはなかったが2010年代以降外国人観光客が目立つ他、アニメコラボショップや版権グッズショップ、コンカフェやトレーディングカードショップなどが台頭するなど、サブカルやホビーの街としても存在感を示している。
一方でセンター街はまだ若者社会の傾向にあり、渋谷駅からしばらく歩くと落書きやステッカーにまみれた治安の悪い地帯が広がり、不良文化の名残が窺い知れる。因みにセンター街の奥は東京でも長年ラーメン街でも知られ、こってり系だけでなく高年齢層にやさしいあっさり系も強い。
因みに2000年代まで過度の演出の傾向にあった学生バラエティ番組の影響からか、平成初期生まれには「女子高生がいきなりパラパラを踊り出す」というイメージが多少なれどあるが、お祭り騒ぎになった時の界隈の輩はそれぐらいのことは平気でするので、あながち誇張されたイメージとも言い切れない。
なお、東京の渋谷が有名なため、特に関東では「しぶや」という読み方が一般的であるが、関西では「しぶたに」と読むことが多い。具体例としては京都府京都市の街道の一つ「渋谷街道」や、奈良県天理市の「渋谷町」(渋谷向山古墳で有名)など。他にも大阪府や兵庫県などに「渋谷」と書いて「しぶたに」と読む地域があるほか、関西以外では福島県猪苗代町に「しぶたに」と読む地域がある。
特撮やアニメなどでは、やたらと破壊の対象にされてしまう側面がある。
関連タグ
渋谷を舞台とした作品
ゲーム
- 街~運命の交差点~:1999年発売。実写を使用したサウンドノベルシリーズの一作。渋谷の街を舞台に、8人の主人公とそれを取り巻く登場人物たちの複雑に絡み合った物語を描く群像劇。
- 428~封鎖された渋谷で~:2008年発売。実写を使用したサウンドノベルシリーズの一作。上記の「街」と共通している部分が多く、また未来の出来事であることをほのめかす様な展開もある。
- すばらしきこのせかい:2007年に発売されたシブヤ系アクションRPG。発売当時の渋谷が再現されている。
- 新すばらしきこのせかい:上記の続編。2021年発売。2020年の渋谷をリアルに再現しているものの、工事中の建物に関しては完成図を調べて予想で作ったり、西口のターミナルあたりは2021年時点で大きく様変わりしたためゲームへ反映させるには間に合わなかった様子。
- CHAOS;HEAD:2008年発売。「科学ADVシリーズ」第一弾。恋愛や不良の街である渋谷を舞台に数々の凄惨かつ不可解な事件が起こり、異能力を持つ少年少女たちが陰謀へと立ち向かっていく物語。
- CHAOS;CHILD:2014年発売。CHAOS;HEADの直接的な続編で6年後の渋谷が舞台。
- 幻影異聞録♯FE:2015年にアトラス開発・任天堂発売のRPGで、舞台は東京全域だが中心は渋谷。スクランブル交差点を中心に渋谷駅ハチ公口~センター街・109付近の再現度が非常に高い。
- ペルソナ5:2016年発売。「幻影異聞録♯FE」と同じくアトラス開発のRPGでこちらも舞台は東京全域だが中心は渋谷。渋谷駅の再現度が高く見物である。
- 東京クロノス:2019年に発売されたVRミステリーアドベンチャーゲーム。
- Ghostwire: Tokyo:2022年発売。人々のいなくなった東京・渋谷を探索しながら亡霊や妖怪を倒していく一人称視点のアクションゲーム。ただし、渋谷以外の東京の名所も無理やりねじ込まれている。
- ガンスリンガーストラトス: 日本の様々な街を舞台にしたアクションゲーム。設定上のメインおよびアニメ版で主に使われたのは渋谷である。2012年~2021年稼働。
- マジカミ :東京・渋谷に突如現れた「悪魔」と呼ばれる敵と戦う為、黒猫のような不思議生命体・オムニスから不思議な力を授かった12人の少女達の活躍を描く。2019年サービス開始、2023年サービス終了。
アニメ
- アイドル天使ようこそようこ:渋谷を舞台にしたアニメ。1990年~1991年放送。
- revisions リヴィジョンズ:2019年放送。渋谷の中心部が300年以上先の未来にタイムトラベルする「渋谷漂流」に巻き込まれた主人公たちが、未来人と戦いつつ現代に戻る手段を探す姿を描くオリジナルアニメ作品。
- バケモノの子:2015年公開。人間界の渋谷とバケモノ界の渋天街が舞台。
- ハロウィンの花嫁:2022年上映。劇場版名探偵コナン第25作目の舞台。
漫画
- GALS!:渋谷を舞台に、3人の女子高校生ギャル(スケバン)の友情を描いた物語。1999年~2002年連載。
- 渋谷金魚:渋谷を舞台にしたサバイバルホラー漫画。2016年~2021年連載。
- 呪術廻戦における渋谷事変 :特級呪霊と呪詛師が手を組み、2018年のハロウィンの渋谷で大規模な呪術テロを敢行。呪術師サイドは全戦力を投入して呪霊・呪詛師の殲滅とテロの阻止を試みるが……。
特撮・ドラマ・番組
- Sh15uya:渋谷を舞台にした特撮ドラマ。
- 逃走中:フジテレビ系列で放送中のバラエティ番組。放送開始から2007年にかけて4度ゲームの舞台として設定された。
- 仮面ライダーカブト:本編開始前に隕石の落下により壊滅した。物語の中でも重要な地域。
- ガメラ3-邪神覚醒-:炎上した。
- ゴジラ×メガギラスG消滅作戦 :水没した。
ライトノベル
- 神様のメモ帳:インタビューにおいて作品の舞台が渋谷であることが著者本人によって明かされている。
姓としての渋谷
読み方は「しぶや」と「しぶたに」の両方がある。
フィクションや関東出身者には「しぶや」が比較的多いが、上述の経緯もあって関西出身者には「しぶたに」が多い(※ただし、大阪では2/3が「しぶや」読みとも言われる)ので、読む際には注意が必要。
関西以外では、青森県の津軽地方では「しぶたに」と読むことが多い。これは、関西出身者が北前船などで移住した関係があると見られる。
なお、名字由来netのデータによれば「渋谷」さんは山形県や宮城県に多く住んでいるとのこと。東京都も数では多いが、割合としてはそれほど高くない。
実在の人物
- ジャニーズ事務所のアイドルグループ・関ジャニ∞の元メンバー。→渋谷すばる(※関西出身で「しぶたに」)
- 日本の音楽評論家、編集者→渋谷陽一
- 日本のタレント、女優→渋谷飛鳥
- 日本のアイドル→渋谷凪咲(※関西出身だが「しぶや」)
- 日本の喜劇俳優→渋谷天外(※芸名だが苗字は本名と同じ。関西出身だが「しぶや」)
- 日本の元歌手、俳優→渋谷鉄平(※本名は「澁谷」)
- 日本の俳優→渋谷謙人
架空のキャラクター
- アニメ『連盟空軍航空魔法音楽隊 ルミナスウィッチーズ』の登場キャラクター→渋谷いのり
- ゲーム『アイドルマスターシンデレラガールズ』の登場アイドル→渋谷凛
- ゲーム『うたの☆プリンスさまっ』の登場人物→渋谷友千香
- ライトノベル『まるマシリーズ(今日からマ王!)』の登場人物→渋谷有利、渋谷勝利、渋谷美子
- にじさんじ所属のバーチャルライバー→渋谷ハジメ
- Neo-Porte所属のバーチャルライバー→渋谷ハル
- 『ヒューマンバグ大学』のキャラクター→渋谷大智