戦わなくてもウィッチです!
概要
ルミナスウィッチーズとは、『ワールドウィッチーズ』シリーズ10周年プロジェクトの一環として始動した新ウィッチーズ。
正式タイトルは『連盟空軍航空魔法音楽隊ルミナスウィッチーズ』。ファンからの略称・愛称は「ルミナス」「ルミ魔女」など。
今までのワールドウィッチーズの各シリーズとは真逆の視点から描かれる、「歌や音楽でみんなの笑顔を守る《戦わないウィッチ》」という異色のコンセプトのウィッチーズである。
2018年7月に『音楽隊ウィッチーズ(仮)』として発表された。公募によるタイトル募集企画が実施され、同年11月に正式タイトル『ルミナスウィッチーズ』と決定し公表された。
この名称は「今作品は《戦わないウィッチ》である彼女達が、音楽の力を借りて自分達のやり方で世界の人々の“希望の光”となろうと頑張るところから、“ルミナス(光り輝く)”が相応しい」という理由から醍醐氏、みるき~氏の応募案が選ばれたものである。
2019年3月にアイドルデビューしている。作品タイトルと同名のグループ名は第2弾募集企画として公募が行われたうえで名付けられた。
2022年7月からテレビアニメがTOKYOMX、サンテレビ、KBS京都、AT-X、BS日テレ、テレビ愛知の各局にて放送されている。アニメーション制作はシャフト。元々は2021年中にテレビアニメ化される予定であったが延期となり、また担当していた声優の諸事情による降板・交代が数名あったものの、2022年3月に同年7月より放送開始であることが発表された。『ワールドウィッチーズ』シリーズとしては第7作目のテレビシリーズとなり(劇場版、O.V.A.も含めれば第10作目)、初代のストライクウィッチーズ(1期、2008年)の放送から14年後の放送となる。
舞台となるのは1944年で、TVアニメ第1期とほぼ同じ時期。
様々な理由から戦うことができない・戦わないウィッチたちが集い、前線に立ち武器を取る代わりに“歌や音楽”の力で人々の笑顔を守る航空魔法音楽隊(“歌うウィッチ”)の物語である。
※なおテレビアニメ放送までの間に、「私的活動記録映像集」と題してMV形式の短編OVAが2本制作された。第1譚として「アニメーションスペシャルPV」(2020年12月)、第2譚として3rdシングル『空に誓うから』アニメーションPV(2022年2月)がそれぞれ制作されている。制作スタッフはテレビアニメ版と同様シャフト。
歌唱活動
登場人物の声を担当するキャストらによる歌唱ユニットとしての活動はアニメ化に先行して行われてきた。座長は主人公・ジニー役の鳴海まいが務める。
2019年3月に活動を開始し、2020年5月に1stシングル『Flying Skyhigh』が発売された。
2020年12月には2ndシングル『青空ダイブ』が、2021年6月には3rdシングル『空に誓うから』が発売された。
2022年2月20日、1st単独ライブ「On your mark」がところざわサクラタウンにて開催された。合わせて4thシングル『My Shining Light』が発売された。
テレビアニメ放送を無事終えた2022年10月2日には、2nd単独ライブ「SHOW MUST GO」が開催された。
2023年8月11日には3rd単独ライブ「SING TOGETHER」が開催された。
2024年7月7日には4th単独ライブ「Road to Miracle」が開催された。
ストーリー
この物語は「第501統合戦闘航空団ストライクウィッチーズ」と同じ世界、
同じ時間軸で行われている別動隊の、戦わないウィッチたちによる活動記録。
「戦闘不適合者」のレッテルを貼られた彼女達が、
不思議な雰囲気をまといナイトウィッチの資質を持つ主人公・ジニーを中心に、
それぞれ僅かに持っている能力を歌と踊りに変えて、
どん底から這い上がりながらも世界中の人たちに笑顔を届ける物語。
テレビアニメ
2022年7月から放送。全12回。
監督・シリーズ構成は佐伯昭志(『ストライクウィッチーズ』第6話脚本・絵コンテおよび『2』第6話脚本・絵コンテ・演出、『放課後のプレアデス』監督など)。
制作はシャフトとなり、アニメーションキャラクターデザインをシャフトの潮月一也が担当している。その一方で副監督の春藤佳奈や各話脚本の脚本家などに『放課後のプレアデス』参加スタッフからの共通も見られる制作陣となっている。また、音楽活動が作品のテーマとなっているためラブライブ!シリーズやプリティーシリーズの全作品を始めアイドル系の作品で定評のある長崎行男が音響監督に起用されており、両シリーズのメインキャストからのサブ出演がみられる。
登場人物が音楽活動を行う作品として、作中には多くの挿入歌が流れる。このうちキャラクターソングとしてアニメーション演出的に挿入されるものは現代風のポピュラーミュージックである。それに対し、作中でウィッチたちが実際に歌唱する楽曲は、劇中年代を考慮し1940年代風の音楽(当時の歌謡曲、民謡、シャンソン…など、同時代に存在していてもおかしくない音楽)が多く用いられている。
あらすじとしては、長引く戦いで疲弊した世界にあって、戦闘不適合者として前線を離れることになったポンコツウィッチたちを主役に、ひょんなことから音楽隊に加わった彼女たちが「音楽を届ける」活動を通じてかけがえのない居場所を見つけていく様を、静謐で落ち着いた雰囲気の中で描いていく。
世界中のネウロイと戦う人々や故郷を追われた人々に“歌と音楽”を届けるため、音楽隊は一箇所に留まることなく世界各地を巡り、さまざまな場所で活動を行っている。部隊としての本拠地はブリタニアのロンドン近郊・ヘストン基地にあるが、輸送用に改造された軍用航空機(ランカスター)にストライカーユニット・音響機材ごと乗り込み、西へ東へ国境をこえてコンサートに向かう異色のウィッチ隊である。
このような部隊の特性から、作中では「ワールドウィッチーズ」シリーズの他部隊のウィッチも多くゲスト登場する。
これまでのシリーズのアニメ化作品ではほとんど描かれてこなかったウィッチの「使い魔」の存在がこの作品では大きくフィーチャーされており、従来描写されてきた魔法力使用時の耳と尻尾だけではなく、使い魔たちが生きた動物の個体の姿で登場する。使い魔がウィッチの魔法力の源であること、使い魔の姿はウィッチにしか視認できず実体を持たない精霊であることなどが設定として明かされている。使い魔はウィッチにとり物言わぬ良きパートナーであり、同時に作品世界の奥行きを広げる重要なキャラクターともなる。
この物語は音楽隊の設立と成長を描いた活動記録であると同時に、主人公・ジニーの使い魔であるモフィにとっての仲間探しの旅でもある。ジニーの使い魔モフィは周りのウィッチからも「変な使い魔」とされ、何の動物の精霊なのか正体不明の存在である。ジニーはモフィをその正体が何であれ「仲間たちからはぐれた」子であると考え、モフィの仲間を探して群れに帰そうとしている。
主題歌
オープニングテーマ『WONDERFUL WORLD』
作編曲 - 篠崎あやと、橘亮祐/ 作詞 - yura / 歌 - ルミナスウィッチーズ
エンディングテーマ『わたしとみんなのうた』
作編曲 - 篠崎あやと、橘亮祐歌 / 作詞 - yura /歌 - ルミナスウィッチーズ
挿入歌
第1話・第2話・第12話
『永久の寄す処』
原曲 - TRADITIONAL / 編曲 - manzo / 作詞 - 井筒日美
我々の世界では「アメイジング・グレイス」としてよく知られている楽曲。讃美歌として歌われるアメイジング・グレイスとは違ってオリジナル歌詞版であり、こちらは故郷を懐かしむ歌となっている。
第3話・第4話
『優しい明かり』
作編曲 - manzo / 作詞 - 井筒日美
先んじて音楽隊の活動を行っていたアイラとエリーの二人歌唱による持ち歌として登場。
第4話
『故郷の空』
作曲詞 - TRADITIONAL / 訳詞 - 大和田建樹 / 編曲 - 多ヶ谷樹
原曲は有名なスコットランド民謡である。
明治期に鉄道唱歌などで知られる大和田建樹による邦訳詞が付され、故郷を遠く離れて過ごす人が秋の夕空に故郷を想い懐かしむ曲として親しまれている。
第4話・第11話・第12話
『歌を歌おう』
作編曲 - KOUGA / 作詞 - yura
作中で初めて披露された音楽隊9名による楽曲。本編ではいのりが作曲、ミラーシャが作詞を行った。
第5話
『まっしろリボン』
作編曲 - 原田篤 / 作詞 - 深川琴美
第6話
『夢色コントレイル』
作編曲 - Honoka / 作詞 - 磯谷佳江
第7話
『太陽の理由』
作編曲 - 伊藤和馬 / 作詞:深川琴美
第8話
『あの日々を忘れない』
作編曲 - 多ヶ谷樹 / 作詞 - 井筒日美
アイラの持ち歌として登場。
第9話
『星と共に』
作編曲 - 新田目駿 / 作詞 - yura
ワールドツアーを締めくくるリベリオン公演にて披露された、ブロードウェイ風のジャジーな楽曲。
第12話
『みんなの世界』
作編曲 - 如月結愛 / 作詞 - yura
『Flying Skyhigh』
作編曲・作詞 - おぐらあすか
制作スタッフ
原作 | 島田フミカネ・Projekt World Witches |
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監督・シリーズ構成 | 佐伯昭志 |
副監督 | 春藤佳奈 |
キャラクター原案 | 島田フミカネ |
アニメーションキャラクターデザイン | 潮月一也 |
使い魔デザイン | 大高美奈 |
ウィッチーズシリーズ文芸 | 村上深夜 |
音響監督 | 長崎行男 |
音楽 | 藤澤慶昌 |
音楽制作 | KADOKAWA |
アニメーション制作 | シャフト |
登場人物
連盟空軍航空魔法音楽隊
作中のメインとなる登場人物が所属する部隊。
メンバー
- ヴァージニア・ロバートソン (主人公)
- 渋谷いのり
- リュドミラ・アンドレエヴナ・ルスラノヴァ
- アイラ・ペイヴィッキ・リンナマー
- エレオノール・ジョヴァンナ・ガション
- マリア・マグダレーネ・ディートリヒ
- マナイア・マタワウラ・ハト
- シルヴィ・カリエッロ
- ジョアンナ・エリザベス・スタッフォード
- グレイス・メイトランド・スチュワード (音楽隊隊長、exウィッチ)
その他の登場人物
音楽隊の金銭的支援者であり、議会や連盟空軍へのコネクションを有する老婦人。
- アンナ、ヴォロージャ
第7話に登場したオラーシャ人の夫妻。妻のアンナはウィッチの家系で、使い魔の調子を診てあげていた。夫のヴォロージャはピアニスト。ネウロイの空襲によりモスクワから疎開してきた。
第8話に登場。扶桑皇国陸軍第17独立飛行中隊所属の新米ナイトウィッチ。音楽隊のヴァージニア・ロバートソンの大ファンであり、扶桑公演に訪れていた本人と偶然出会う。
関連イラスト
他作品とのコラボイラスト
「歌と音楽でみんなを元気にする」という作品のコンセプトから、「アイドルマスター」や「ラブライブ!」、「プリマドール」などのアイドル系コンテンツとの相性が良い。
※1枚目は「アイドルマスター」の如月千早と、2枚目は「ラブライブ!」の矢澤にこ(中)及び「プリマドール」の灰桜(右)との共演である。
前述した音響監督繋がりもあるためか『ラブライブ!スーパースター!!』のアニメ版では、本作のメインキャストがモブで多数起用されている。
関連動画
特報
始動PV
アニメーションスペシャルPV(Short.ver)
TVアニメPV第2弾
TVアニメPV第3弾
TVアニメPV第4弾
関連タグ
放課後のプレアデス:2015年放送のガイナックス制作によるSFアニメ。監督や脚本陣をはじめ制作スタッフに関連が見られる。同作品は繊細な情景心理描写で知られ、テーマ面においても魔法少女モノ・空・音楽・ポンコツな少女たちの物語といった繋がりがある。