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スオムスいらん子中隊

すおむすいらんこちゅうたい

スオムスいらん子中隊とは、ヤマグチノボルによる『ストライクウィッチーズ』の外伝小説。及び同作品の中心となる部隊の通称。
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曖昧さ回避編集

『スオムスいらん子中隊』とは、

  1. ストライクウィッチーズ』『ワールドウィッチーズ』の外伝小説シリーズ
  2. 1の主役的立場となる航空ウィッチ(作中では『機械化航空歩兵』とも呼ばれる)部隊「スオムス義勇独立飛行中隊」の通称

の双方を指す。

本記事では1について記述する。


概要(2006年版)編集

『スオムスいらん子中隊』とは、島田フミカネ及びProjekt Kagonish原作のメディアミックス作品『ストライクウィッチーズ』に連なる小説(ライトノベル)シリーズである。作者はヤマグチノボル。 挿絵は島田フミカネ(表紙)、上田梯子(口絵及び挿絵)。

2006年から2008年にかけ、角川スニーカー文庫より全3巻が刊行されている。略称・愛称は「いらん子(いらんこ)」など。


『ストライクウィッチーズ』のメディアミックス展開の中でも、最初期に位置する作品でもある。


あらすじ編集

1939年9月。第一次大戦終結より20年余りの沈黙を続けてきた”異形の軍”ネウロイが突如活動を再開。中欧オストマルク(作中では『オストランド』)を呑み込み、その北に位置する大国カールスラントに迫った。列強各国は義勇兵ウィッチや武器を送り、強大なネウロイの前に疲弊していくカールスランドを支えるべく動いていた。

バルト海を挟んでカールスラントと対する北欧の小国スオムスにもネウロイの脅威は迫り、政府は列強各国に対して国際支援を要請していた。


扶桑皇国陸軍明野飛行学校実験部隊に属するウィッチ・穴拭智子。前年の扶桑海事変で怪異7体を撃墜し「扶桑海の巴御前」と讃えられた彼女も欧州派遣が内定し、正式命令が下るのを心待ちにしていた。

しかし、智子に下ったのは、激戦地のカールスラントではなく、前線から外れたスオムスへ派遣命令だった。

そこで戦果をあげれば前線に行ける、と意気込む智子であったが、各国から派遣されてきたウィッチたちは落ちこぼれや問題児ばかり。現地軍の中隊長でさえも年下の頼りない中尉。


かくして、ここに「いらん子中隊」もとい「スオムス義勇独立飛行中隊」が誕生したのである。


中断とリメイク編集

本シリーズは、2013年4月4日に著者のヤマグチノボルが死去したことにより、第3巻を刊行した時点で未完に終わっている。第3巻初版の末尾に「第4巻2009年春発売」の予告がなされていたが、刊行延期となった。


2011年7月にヤマグチが末期がんである事を公表。治療と並行して主力作である『ゼロの使い魔』の完結に注力するため本シリーズは中断状態が続いた。しかしヤマグチは続刊執筆を諦めておらず、「次巻で智子を鍾馗の中島系正統進化であるところの傑作四式戦疾風に乗せたいんだけど(中略)1940年頃の話なんでさすがに疾風は無理があるなと」「せめて二式単戦二型甲で妥協するしかないのか」(いずれも2013年1月9日付の公式ツイッター)と、死の直前まで構想を巡らせていた。


『ストライクウィッチーズ』はヤマグチが直接関わった企画ではないものの、原作者の島田フミカネは2015年3月6日付の公式ツイッターで「どうしてもいらんこのなかでのお話というのは手を出せないところがある」と語っている。(ただ、いらん子中隊の後身である第507統合航空戦闘団(507JFW)の設定については構想がなされている。)


2018年、アニメストライクウィッチーズ十周年企画の一環として「サイレントウィッチーズ スオムスいらん子中隊ReBOOT!」のタイトルでリメイクされることが決まった。ヤマグチを原案としてクレジットし、今回の小説を新たに執筆するのは、ヤマグチノボルとも交流の深かった築地俊彦となる。シリーズ原作を担当する島田フミカネのほか、イラストを月並甲介が手がける。第1巻は2018年10月1日発売。

ドラマCD+ラバーストラップ付きの​『サイレントウィッチーズ スオムスいらん子中隊ReBOOT! プレミアム特装版』も併せて発売される。


設定の差異について編集

「あらすじ」にあるように、TVアニメ版第1期の舞台が1944年のブリタニア(史実のバトル・オブ・ブリテンを4年後に移動)であるのに対し、『スオムスいらん子中隊』は1939年のスオムス(史実の冬戦争)が舞台となっている。


また『ストライクウィッチーズ』はその展開の都合上、各メディアでの設定等の違いが随所に見られる。特にヤマグチ版は、アニメ版に先行して始まった事もあり、差異の度合が強い。→その辺について語ったヤマグチノボルのツイート

具体的には、

  • 使い魔の描写の有無(本作では、通常時使い魔はウィッチと分離している)
  • 「ネウロイ」の名の由来、関連して「オラーシャという国家」の扱い(本作ではネウロイという名は「現れた土地の名」から取られ、またその土地とは(現行設定における)オラーシャと同一とされる)
  • 地球の地理的状況(本作掲載のマップでは(現実における)中国大陸、朝鮮半島、ペルシア・メソポタミア・シリア、コーカサス、ウクライナ、オーストラリア大陸北西部が存在しない。また南リベリオン大陸の形状も現行設定とは異なる)
  • 企業名など固有名詞の扱い(例:「中島飛行脚」【本作】→「長島飛行脚」【他作品】)
  • 実在モデルがいない完全オリジナルキャラの有無(エルマ・レイヴォネン迫水ハルカら)

などが挙げられる。その違いを楽しむのも一興ではないだろうか。


なお、アニメ版の立ち位置を決定付ける大きな要因になった「パンツじゃないから恥ずかしくないもん!」というキャッチフレーズ及び設定は、本作においてはその限りでない。

しかし細かいことを気にしてはいけない。パンツとは、私たちのココロの中に在るものなのだから。


築地版のリブートシリーズ(2018年~)は、基本的にワールドウィッチーズシリーズの各種設定を取り入れて整合性をとった設定となっている。


他作品との関連編集

『ストライクウィッチーズ』作品群の中でも、作中時系列でも、共に初期に位置する事から、その後の諸作品で取り上げられる事が多い。


まずアニメ『ストライクウィッチーズ』では1期8話に智子を形どった扶桑人形が登場.2期4話にはウルスラ・ハルトマンがジェットストライカーの開発者として登場した。

小説『アフリカの魔女 ケイズ・リポート』1巻では、加東圭子の回想で智子に言及する場面が幾つかあり、また整備兵が本作1巻終盤のヤマ場に一言ながら触れている。3巻ではエリザベス・F・ビューリングがマルタ島守備隊の増援として登場した。

漫画『キミとつながる空』はアニメ『ストライクウィッチーズ』1期・2期間のエピソード群だが、ここではエイラ・イルマタル・ユーティライネンサーニャ・V・リトヴャクが、507JFWに改編された義勇独立飛行中隊の拠点・カウハバ空軍基地に一時滞在していた事が取り上げられ、エルマ・レイヴォネンと迫水ハルカも1カットながら姿を見せた。

アニメ『ブレイブウィッチーズ』では、主人公の雁淵ひかりが当初カウハバ方面に配属される予定だったことが明かされている。

2018年1月に刊行された小説『ブレイブウィッチーズPrequel』3巻では、1944年の段階における502JFWと義勇独立飛行中隊の共同作戦が描写された。


2018年版の概要編集

『サイレントウィッチーズ スオムスいらん子中隊ReBOOT!』は、島田フミカネ&Projekt World Witches原作によるメディアミックスプロジェクト『ワールドウィッチーズ』シリーズの外伝小説である。原案:ヤマグチノボル、著:築地俊彦。

角川スニーカー文庫より2022年現在4巻が刊行されている。略称・愛称は「いらん子」「いらん子リブート」「サイレントウィッチーズ」など。


2006年版シリーズから2018年までの10年余りのあいだに追加されたワールドウィッチーズシリーズの各種世界設定や登場人物を織り込み、「ワールドウィッチーズの世界観の一環として」新たに描かれるいらん子たちの物語である。

著者の築地は小説シリーズ『ブレイブウィッチーズ Prequel』の執筆も担当しており、同作品で舞台となる1944年の502JFW507JFW両部隊にも繋がる流れとしての物語でもある。


2018年版あらすじ編集

1939年からのネウロイによる北欧スオムス侵攻に際し、各国より装備と人員の支援を受け、新たな部隊の編成が決定される。

扶桑海事変で活躍し「扶桑海の巴御前」の異名で英雄となった穴拭智子少尉は新たな活躍の舞台へと胸を躍らせるが、彼女の派遣先は最前線から遠く離れた辺境の国、スオムスであった。

傷心の智子は軍部を見返してやろうと一人奮起するが、左遷先であるこの地に集められた魔女は各国のはみ出し者ばかり。

"やる気"なし、"能力"なし、"根性"なし、「いらん子」と呼ばれた乙女達の世界を守る戦いが、いま始まる――。


関連動画編集


関連イラスト編集

“いらん子”なんて呼ばせない結成!(あと絵チャやります)


関連タグ編集

ストライクウィッチーズ ワールドウィッチーズ スオムス義勇独立飛行中隊

どんな名前だ サイレントウィッチーズ 507JFW


※「義勇独立飛行中隊」という物語の成立背景について・・・史実のフィンランド軍が、他国の供与品(余り物を押し付けられていた例もあった)や敵方から分捕った鹵獲品など雑多な兵器により武装し、とにかく使える物を使って戦っていたというエピソードを反映したものであると思われる。


外部リンク編集

角川スニーカー文庫HP

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