概要
『新すばらしきこのせかい』(英語版『NEO:The World Ends With You』)とは、
スクウェア・エニックスより2021年7月27日発売のNintendo Switch / PlayStation4用アクションロールプレイングゲーム。PCでは2021年9月29日にEpic Games Storeで、2022年10月20日にSteamで発売された。
2020年11月24日に発表、『すばらしきこのせかい』のおよそ14年ぶりとなる続編タイトルで、時系列は3年後の渋谷が舞台だと明かされている。
ただし開発スタッフによれば、続編であるものの前作を全く知らなくても楽しめる作りになっているらしい。
製品版に引き継げる体験版は『すばらしきこのせかい The Animation』の最終回後である6月26日午前2時から配信開始。
3Dで再現された渋谷を舞台に新たな主人公「リンドウ」が自身の生死をかけた「死神のゲーム」に挑む。
二人一組のペアだった前作と違い、今作はチームを組んでゲームに挑戦する。
ストーリー
いつもと変わりないはずの渋谷。
その日の渋谷は何かが違い、何かがおかしかったのかもしれない。
主人公リンドウの前に現れた少女は、自分を死神だと名乗った。
死神のゲームへようこそ、と彼女は言った。
まさかゲームで酷い目に遭わされることはない…軽い気持ちで参加したリンドウ、そして友人フレットの2名。しかしゲームを始めた2人は、違和感を覚え始める。
自分たちがいるこの渋谷は普通じゃない!
戸惑う彼らに突き付けられたのは勝てなければ自分の存在が消滅する、というルール。
UG(アンダーグラウンド)と呼ばれるもうひとつの渋谷で他の参加者たちと順位を争い、
トップを取って生き残らねばならない。果たして彼らは元の渋谷に戻ることができるのか――
キャラクター
ツイスターズ
リンドウ / 奏竜胆 (CV:内田雄馬)
「これ、あの時と同じ?ってことは運命が変えられる…?」
本作の主人公。
UGで行われている死神のゲームの参加者。スマホで様々な情報を見るのが好きな男子高校生。
周囲の空気を読んで行動する性格で、積極的に人と関わろうとはしないが拒絶することもない。また流されやすく、フレットに指名されチーム『ツイスターズ』のリーダーとなってしまう。
固有サイキックは「リスタート」。同日の過去の時間に戻ることができる能力。過去の時間で行動を修正し、未来を変えられるため、死神のゲームにおける強力な武器となる。
フレット / 觸澤桃斎(CV:沢城千春)
「やっぱりここからトップを狙うしかないでしょ」
リンドウと友人のお調子者で、ともに死神のゲームに参加する。
人と楽しく会話することが好きで、誰とでも打ち解けられる特技を持つ。陽の者。
一方で重苦しい空気を嫌い、真面目な話し合いは無意識に避けている。
『ツイスターズ』というチーム名はフレットが好きなバンドの曲から命名。
固有サイキックは「リマインド」。街の人が忘れている記憶を思い出させるサイキック。
「何が死神ゲームだ、☆-200でござる!」
死神のゲームの参加者。渋谷在住の女子大生だが、見た目からは中学生と間違われることもある。
趣味への情熱に溢れ、趣味のために生きているといっても過言ではない日々を送っていた。陰の者。
絶望から救ってくれたリンドウに恩義を感じ『ツイスターズ』へと合流する。
推しキャラに似ているミナミモトは気になる存在。フレットとは正直あまり相性が良くないが…。
固有サイキックは「ダイブ」。他者の心に飛び込む能力で、対象に憑りついているノイズをバトルで排除し、正気に戻すことができる。
ミナミモト / 南師猩(CV:藤本隆行)
「ゼプトグラムども、ミッションの時間だ」
死神のゲームの参加者。並外れたサイキック能力の持ち主で、ピンチに陥ったリンドウたちを助け、そのまま強引に仲間となる。
戦い慣れしていて、死神のゲームのこともよく知っている様子だが、自分のことについては全く語らない。『ツイスターズ』と行動を共にするのには何か理由があるようだが…。
前作では敵役だったが本作ではプレイアブルキャラクターになった。
ルーイン
“最強チーム”であること以外は詳細不明、謎に包まれたチーム。
ススキチ / 周々木鹿一(CV:花江夏樹)
死神のゲームの参加者。チーム『ルーイン』に属している。
巨大な身体に鋭い眼光ながら、少年のように高い声を持ち、まくし立てるように喋る。
彼がもっとも愛するゲーム『リバーシ』のように、その性格や考え方も白黒ハッキリしている 。
ツグミ / 松苗亜未(CV:尾崎由香)
前作のswitch版「すばらしきこのせかい -Final Remix-」で登場した謎の少女。
死神のゲームの参加者。チーム『ルーイン』に属してはいるが他人との交流はほぼ皆無で、誰かと会話している様子すらない。
見た目とは裏腹に高いサイキック能力を持ち、参加者同士の戦いでは負け知らず。
常に連れているぬいぐるみは、現在渋谷で話題のブランド『ガット・ネーロ』の黒猫キャラクターに酷似しているが、なぜかそのブランドが誕生するより前から所持しているという。
死神ゲーム参加者
フウヤ / 河原封也(CV:中島ヨシキ)
河川にロマンを感じる同好の士が集うチーム『幽川舎(ゆうせんしゃ)』のリーダーを務める。渋谷の暗渠を求めて散策していたところ、ゲームへと参加させられた。
臆病でリーダーには不向きな性格。しかしその臆病さが、これまでゲームから脱落しなかった彼の強さでもある。
手に持っているのは、自分で暗渠を書き込んだ市販の地図。
カノン / 立花果遠(CV:上坂すみれ)
チーム『ヴァリー』のリーダーを務める、優しく妖艶な女性。
年下で新人のリンドウたちにゲームのルールを説いてくれるが、戦況を見て立場を変える狡猾な一面も。
彼女自身の能力は抜きん出ているわけではないものの、これまでのゲームで生き残ってきただけの知恵を備えている。
モトイ / 穴沢基威(CV:駒田航)
チーム『ピュアハート』のリーダーを務める、ピュアでポジティブな言動が印象的な男性。
優しい笑顔とビジネス用語満載ながらも詩的な言動は、周囲をやや引かせつつも楽しい空気にさせる。彼のチームは、その人柄に惹かれてなのか、人数が多く規模も大きい。
渋谷死神
カリヤ / 狩谷拘輝(CV:勝杏里)
死神の一人。前作から渋谷にいる古参の死神だが、出世に興味がなく下っ端の死神として仕事を続けている。
常に飴玉を持ち歩いており、切らしたことはない。
元相棒だった死神のヤシロとは別行動をしているらしい。
ヤシロ / 八代卯月(CV:新井里美)
死神の一人。前作では出世欲の強い死神だったが、成長したのか、もしくは何かあったのか、今は落ち着いている様子。しかし強気でキレやすい性格はあまり変わっていない。
元相棒だったカリヤとは、今は別行動をしているようだ。
死神の一人。原宿を中心に自由気ままに活動している女の子。死神の仕事にはほとんど興味がなく、気まぐれに渋谷の外のエリアへ出かけることも。
ちゃっかり者でずる賢く、都合よく相手を騙そうとすることも多いが、一応、友達想いの面もある。
3年前のゲーム終了後に起こったある事件で、ネクやビイトとともに行動していた。
新宿死神
約3年前の新宿消滅に伴い、渋谷へやって来た死神たち。
現在の渋谷で行われているゲームは、シイバを筆頭とする新宿死神によって管理されている。
シイバ / 三谷風椎葉(CV:濱野大輝)
3年前に渋谷へやってきた新宿死神のリーダー。現在の渋谷UGで、死神のトップに君臨する男。
わずか1年足らずで渋谷のゲームマスターの座にまで上り詰め、チーム同士が争う新ルールの死神ゲームを仕掛ける。常に熱いゲーム展開を心から望んでいる。
他の死神に比べ彼のサイキックの力は別格で、周囲に逆らう者はいない。
クボウ / 久網旦蔵(CV:中野泰佑)
死神のゲームを運営する死神の一人。監視業務のほか、参加者の敗北認定など細かい処理を担当しているイヤミな中年。
ヒマなことも多いのか、リンドウたちの前に現れては好き勝手に話をしていく。
他の死神や参加者たちを見下しているのが言動に表れており、彼を好ましく思わない者は多い。唯一、死神のリーダーであるシイバには愛想よく接している。
アヤノ / 蒲池菖乃(CV:佐倉綾音)
死神のゲームを運営する死神の一人。肩に水色のイグアナを乗せている。いわゆる死神の幹部であり、能力も高くリーダーのシイバから信頼されている。
他者に対して冷たく容赦のない言動をとるが、同じ死神のショウカにだけは態度が違い、妹のようにかわいがっている。その様子は怖いほど甘い。
カイエ / 小野解依(CV:千葉翔也)
死神の一人。死神のゲームのデータやシステム管理といった特殊な仕事を担う一方で、普段はスペイン坂の店で占い師として活動している。
無表情でほとんど何も喋らない彼のコミュニケーション手段は、スマホのメッセージ機能。
文字で行う会話上では非常に饒舌で気さくで明るく、面倒見がいい。
ヒシマ / 坂筑菱真(CV:武内駿輔)
死神の一人。しかし本人曰く「不真面目」で、死神のゲームの運営にはほとんど参加していない。
理知的な雰囲気を漂わせるが、口を開くと皮肉屋で偏屈。
死神の中でも浮いた存在で、何か目的や思惑があるのかすら不明の謎多き人物。
ショウカ / 桜音紫陽花(CV:鬼頭明里)
死神の一人。いつも面倒そうに監視の仕事をこなしている。
現在のゲームを退屈だと感じており、若干仕事にも身が入っていない。新人チームである『ツイスターズ』に興味を示し、ゲームが荒れるように煽る。
彼女が着ているパーカーは、最近渋谷に出店した『ガット・ネーロ』というファッションブランドの最新作。
その他
トップインフルエンサー。
前作では、アンニュイな魅力と投げやりテイストな魅力で大ブレイク。最近はクールなレイジースタンスで世の若者を虜にしている。
えいる
特徴的な高音ボイスで人々を魅了する人気動画配信者。あるオーディションでコンプレックスだった声を王子英二に認められ、いつか王子と共演したいと思っているが…。
土井ケン
前作では道玄坂でラーメン屋「らあめんどん」を営んでいたが、紆余曲折ありカレーに開眼。渋谷でスパイスカレー屋『SPICE CURRY DON』をオープンしようとしている。
リョウジ
電球の取り付けから危険な仕事まで、何でも請け負う街の便利屋。
生まれつき霊感が強く、UG(アンダーグラウンド)の住人に利用されることも……。
ミカギ / 御鍵映月(CV:小西成弥)
リンドウに渋谷の案内を頼んできた謎の青年。渋谷に来るのは初めてのようで色々聞いてくる。
PVやゲームメインイラストに登場する、ヘッドフォンとマスクを身に着けた青年。
その正体は…?
ネタバレ注意
リンク先ネタバレ有
死神のゲーム
現実世界と似て異なる次元・UG(アンダーグラウンド)で繰り広げられる『死神のゲーム』 。
ゲームの参加者はチームを組み、ゲームマスターのシイバから出されるミッションのクリアを目指す。謎解きから敵である“ノイズ”の討伐まで、ミッションの内容は様々。時には陣取り合戦のように、エリアの占有を懸けてチーム同士が直接ぶつかることもある。
ゲームの期間は7日間。ミッションで得られるポイントを稼ぎトップチームになれば、何でも願いが叶うという。一方で最下位となれば、チーム全員が“消滅”する。
エリア争奪戦“渋谷スクランブルバトル”
『死神のゲーム』でミッションとして課せられる、エリア争奪戦。
オレンジ色のポイントノイズシンボルや、他チームのメンバーを倒すことエリアを制圧できる。
システム
チームバトル
チームメンバーはひとつずつバッジを装備でき、バッジに対応したボタンを押すことで、それぞれのサイキック(技)が発動する。
また、戦闘には最大で6名のキャラクターが参加する。
スキャン
街の中で使うことができるサイキック。
特定のボタンを押すと『スキャン』状態になり、渋谷の街を歩く人々の思考の断片を読み取ったり、敵であるノイズの姿が見えるようになる。
ノイズシンボルに接触するとバトルへと突入し、一定時間内に複数のノイズシンボルに触れると連戦になる。
インプリント
リンドウたちは街の人と直接話したりはできないが、キーワードを『インプリント』する(刷り込む)ことで人の考えや行動を変えられる。
キャラクターボード
リンドウが出会った人々の情報が記録されていき、条件を満たすとキャラクターごとに設定されているリワードを獲得できる。
リワードは、ストーリーの進行やサブクエストのクリアなどで得られるCP(キャラクターポイント)と引き替えに獲得する。ゲームを進める上で便利な機能やリンドウたちを強化するスキルなどがあり、どれを開放するかはプレイヤー次第。
ファッション
リンドウ達はファッションアイテムを身に着けることで、HP(体力)、ATK(攻撃力)、DEF(防御力)を強化できる。
ファッションアイテムはハット・トップス・ボトムス・シューズ・アクセサリーの5ヵ所に装備可能。
装備キャラクターの SENSE (センス)というステータスが一定値を超えていると、アビリティが開放されて効果が発揮されるようになる。
装備に制限はなく、好きなキャラクターに好きなファッションアイテムを着せられる。ただし、アビリティには特定のキャラクターが装備した時のみ効果を発揮するものもある。
ファッションショップに並ぶ服やアクセサリーは、ブランドごとにデザインコンセプトが異なる。
ストーリーの進行など条件を満たすことで商品が増えていく。
ショップ
舞台となる渋谷の街には多種多様なショップが点在している。ファッションアイテムやバッジを販売する店、フードやドリンクを提供する店、CDや本が買える店など、その数は40店舗以上。
ショップには個性的な店員がおり、買い物をすることなどで徐々に仲良くなれる。親密になって“VIPランク”が上がればいいことが…?
タワーレコード渋谷店や大盛堂書店など、実在するお店での買い物も楽しめる。
買い物の代金はShibuya Pay、略して“渋Pay”で支払う。渋Payは、バトルなどで入手できるバッジを売れば残高がチャージされる。
フード
食事には基本ステータスがアップする効果があり、リンドウ達の成長に欠かせない。
フードショップでの食事シーンでは好物を食べた時と、あまり好きではないものを食べた時ではリアクションが大きく異なる。
PV
OP
スタッフ
シリーズディレクター:神藤辰也
ディレクター:伊藤寿恭
キャラクターデザイン:小林 元、山下美樹
コンポーザー:石元丈晴(THRILL)
プロデューサー:平野智彦
クリエイティブプロデューサー&キャラクターデザイン:野村哲也
余談
本作の制作については前作のアニメ化がきっかけとか。
またタイトルに関しては、前作を踏まえていなくても今作からでも問題なく遊べることを押し出すべく、『2』ではなく『新』という表現を使っている。
2020年の渋谷がリアルに再現しているものの、工事中の建物に関しては完成図を調べて予想で作ったり、西口のターミナルあたりは2021年時点で大きく様変わりしたためゲームへ反映させるには間に合わなかった様子。
キャラデザ担当は
野村哲也氏:リンドウ、クボウ、ショウカ、ツグミ、ミカギ
小林元氏:フレット、シイバ、モトイ、ススキチ、ヒシマ
山下美樹氏:ナギ、アヤノ、カイエ、フウヤ、カノン、
ミナミモト/カリヤ/ヤシロ(前作デザイン:野村)、ココ(前作デザイン:小林)
ゲーム画面では小林氏が全キャラ描き起こしている。
2024年4月1日、本作と同じ渋谷を舞台にしたレナティスとエイプリルフールコラボを実施。のちにゲーム内で正式にコラボすることが決定し、トレーラー動画が配信された。
ちなみに、リンドウ役・内田雄馬、ショウカ役・鬼頭明里、ススキチ役・花江夏樹、???役・???も出演している。そのため中の人ネタもあるかもしれない。鬼頭に関してはレナティスでもヒロイン役のため大いにあり得る。実際に絡んだのはショウカと同じくフードをかぶっている深町最愛だった。