天の道を往き、総てを司る!
俺が正義
概要
2006年1月29日から2007年1月21日までテレビ朝日系列で放映された平成ライダーシリーズ第7作にして仮面ライダー生誕35周年記念作品。
テーマは「最強の仮面ライダー」である(『仮面ライダーストロンガー』のオマージュとされている)。実際に主役ライダー・カブトは変身者共々チートライダーとして扱われる程の強さを誇っている。
同時に、これまでの仮面ライダーシリーズにもあった物語性やパフォーマンスを踏襲しつつ、随所に盛り込まれたお料理要素やコメディ描写など、これまでのシリーズとはまた一味違ったセンスが特徴といえる。公式サイトでも、テレビ朝日版に料理レシピが掲載されたり、東映版に料理シーン撮影の裏話が掲載されたりしている。
メインライターを米村正二、サブライターを井上敏樹、メインプロデューサーを白倉伸一郎が担当。
本作から『仮面ライダーアギト』以降の劇場版で使用されたHD24P撮影システムを使用しており、前作の響鬼より更に画質が向上。
このため従来癖が強かった3DCGとの合成シーンの不自然さが減った。
本作を象徴する『クロックアップ』の演出撮影時にはさらにコマ数を落とし、24Pから18Pにコマ数を落として撮影していたとのこと。
あらすじ
西暦1999年、渋谷に突如として振り注いだ隕石により、人々は大きな痛手を受ける。
そして7年後の西暦2006年、その渋谷隕石と共に飛来してきた謎の地球外生命体・ワームが、渋谷隕石の落下地点である渋谷を中心に増殖し、猛威を振るい始める。
警察によって組織された対ワーム殲滅部隊・ZECTの隊員である加賀美新は、前線に出て人々を守ろうと熱意を燃やすが、後方支援にばかり回されその未熟さから空回りする日々が続いていた。そんな中、市街に現れたワームによって部隊が危機に瀕する。加賀美が新しく開発された新兵器・マスクドライダーシステムの力を借り、ワームと対峙しようとしたその時、謎の青年・天道総司が現れ、なんと仮面ライダーカブトに変身してしまう。
そしてこの時から二人は人類とワームの生存をかけた戦いの渦中へと飛び込んでいくことになる。
総合的な評価
世界観や設定こそシリアスではあるが、当時としてはコメディ要素が強いストーリーで、かつ良くも悪くもとにかく個性が強くぶっ飛んだキャラが多い。
真面目な話もあるがそれ以上にギャグのインパクトが強い内容で、平成二期の作風に慣れた人ならば特に驚かないかもしれないが、特に当時のライダーで主流だったシリアスな作風を期待したファンからは不評の声が多かった。
多数の仮面ライダーが登場するのだが、一部のライダーはあまり活躍しなかったりすることも。なおドレイクの出番の少なさに関しては中の人のスケジュールの多忙さが関連していたらしい。
また設定に関しては本編で謎が一部明かされていない所があり、特に後半のキックホッパー、パンチホッパーのベルトはどこから来たのかがしばらくファンの間で議論になったりもしていた。
なお、本作のメインライターである米村氏が書いたカブトの小説版でその件に関してはフォローがなされている。
こういった批判はあったものの、主役ライダーであるカブト、変身者によって戦闘スタイルが変化する仮面ライダーザビー、少ない出番の中で印象的な活躍を残した仮面ライダードレイク、本作一のギャグキャラにして戦闘力も高い仮面ライダーサソード、5人目のライダーにして実質的な副主人公でもある仮面ライダーガタック、後半からの登場ながら視聴者に強烈な印象を与えた仮面ライダーキックホッパーと仮面ライダーパンチホッパー、主人公と瓜二つの姿をした仮面ライダーダークカブトといった具合にライダー一人一人に個性・魅力が存在しており、見せ場もしっかりある点は注目されている。
コメディ要素が多めで当時のファンが期待したものとは違った内容、良くも悪くも勢い重視の展開、一部のライダーの出番が少ない部分など、批判されることもあるが、「シリアスとギャグのバランスが良い」「見ていて楽しい」など肯定的な意見も多く、独特なストーリーや、スタイリッシュな戦闘シーンとライダーの純粋なカッコよさ、これまでの平成ライダーからやや離れたアニメチックな濃いキャラクター達による根強いファンが多い。
総じて『平成初期のシリアスで重い作風を期待する人にはオススメ出来ないが、強くてカッコイイキャラが出ているのを見るのが好きな人や、コメディが好きな人はとにかくハマる』作品と言えるだろう。
主な登場人物
詳細は「仮面ライダーカブトの登場人物一覧」を参照。
主要人物
主な仮面ライダーの変身者
- 矢車想 / 仮面ライダーザビー / 仮面ライダーキックホッパー…演:徳山秀典
- 影山瞬 / 仮面ライダーザビー / 仮面ライダーパンチホッパー…演:内山眞人
- 風間大介 / 仮面ライダードレイク…演:加藤和樹
- 神代剣 / 仮面ライダーサソード…演:山本裕典
- ???? / 仮面ライダーダークカブト…演:????
仮面ライダーの関係者
ZECT
ワーム・ネイティブ
ライダーとしての能力
本作のライダーは、各ライダー専用のゼクターと変身デバイスで変身を行う。
戦闘には、各ライダー専用の武器や各必殺技・特殊能力を使用してワームを倒す。
ゼクター
外見は掌サイズのデフォルメされた虫のような形をしている。
普段はZECT本部に収められているが、ワームによるテロを察知するとジョウントと呼ばれる移動方法で空間を引き裂いてワープし変身者の元へと駆けつける。
最大の特徴として、自らの意志を持っている事で、ゼクターに選ばれたものだけが、仮面ライダーに変身する権利を得る。
他にも各必殺技・特殊能力を使用する場合に各能力の状態をアナウンスで伝える機能も存在する。
キャストオフ⇔プットオンで切り替える2つのフォーム
ほぼ全てのライダーは、
の2種類のフォームを使い分ける事ができる。
詳細はマスクドライダーシステムを参照。
クロックアップ
全身を駆け巡るタキオン粒子によって、時間流を自在に行動できるようになる超高速の特殊移動方法で、各ライダーフォームやワームの成虫体が持つ能力。
ライダーの場合は腰部のベルトにあるスイッチに触れることで、ワームの場合は自らの意思で発動する。
スイッチはバックル中心部の両脇にあり、ライダーベルトのカブト、ガタック、ダークカブトはプッシュ式のスラップスイッチ、ゼクトバックルのライダー達はスライド式のトレーススイッチである。
詳細は該当記事を参照。
ワーム
本作における怪人。
詳細はワーム(仮面ライダーカブト)を参照。
各話リスト
話数 | サブタイトル | 放送日 | 脚本 | 監督 | 登場ワーム |
---|---|---|---|---|---|
1 | 最強男 | 2006年1月29日 | 米村正二 | 石田秀範 | アラクネアワーム・ルボア、アラクネアワーム・フラバス、アラクネアワーム・ニグリディア |
2 | 初2段変身 | 2006年2月5日 | 米村正二 | 石田秀範 | アラクネアワーム・フラバス、アラクネアワーム・ニグリディア |
3 | 俺が正義!! | 2006年2月12日 | 米村正二 | 田村直己 | ランピリスワーム、ベルクリケタスワーム |
4 | 愛を説く!! | 2006年2月19日 | 米村正二 | 田村直己 | ベルクリケタスワーム |
5 | 捕獲指令!! | 2006年2月26日 | 米村正二 | 長石多可男 | エピラクナワーム |
6 | オレ様の花 | 2006年3月5日 | 米村正二 | 長石多可男 | プレクスワーム |
7 | 2号新登場 | 2006年3月12日 | 米村正二 | 石田秀範 | ベルバーワーム、ベルバーワーム・ロタ |
8 | 怒れる豆腐 | 2006年3月19日 | 米村正二 | 石田秀範 | ベルバーワーム |
9 | 蜂の乱心!! | 2006年3月26日 | 米村正二 | 田村直己 | コレオプテラワーム・アエネウス、コレオプテラワーム・クロセウス、コレオプテラワーム・アージェンタム |
10 | 友じゃねえ | 2006年4月2日 | 米村正二 | 田村直己 | コレオプテラワーム・クロセウス、コレオプテラワーム・アージェンタム |
11 | 合コン燃ゆ | 2006年4月9日 | 井上敏樹 | 田崎竜太 | ミュスカワーム |
12 | 化粧千人斬 | 2006年4月16日 | 井上敏樹 | 田崎竜太 | ミュスカワーム |
13 | チーム解散 | 2006年4月23日 | 米村正二 | 長石多可男 | セクティオワーム、セクティオワーム・アクエレ |
14 | 裏の裏の裏 | 2006年4月30日 | 米村正二 | 長石多可男 | 白サナギ |
15 | 怪人名医!? | 2006年5月7日 | 井上敏樹 | 鈴村展弘 | フォルミカアルビュスワーム、フォルミカアルビュスワーム・オキュルス、フォルミカアルビュスワーム・マキシラ |
16 | まさかの嵐 | 2006年5月14日 | 井上敏樹 | 鈴村展弘 | フォルミカアルビュスワーム、フォルミカアルビュスワーム・オキュルス、フォルミカアルビュスワーム・マキシラ |
17 | 甦る記憶!! | 2006年5月21日 | 井上敏樹 | 田崎竜太 | ビエラワーム |
18 | さらばゴン | 2006年5月28日 | 井上敏樹 | 田崎竜太 | ビエラワーム |
19 | さそり富豪 | 2006年6月4日 | 井上敏樹 | 長石多可男 | セパルチュラワーム |
20 | ねぇじいや | 2006年6月11日 | 井上敏樹 | 長石多可男 | セパルチュラワーム、スコルピオワーム |
21 | VSクワガタ | 2006年6月25日 | 米村正二 | 田崎竜太 | ブラキペルマワーム・オーランタム、ブラキペルマワーム・ビリティス |
22 | 誕生特別編 | 2006年7月2日 | 米村正二 | 田崎竜太 | タランテスワーム・パープラ、ブラキペルマワーム・オーランタム、ブラキペルマワーム・ビリティス、スコルピオワーム |
23 | 謎+謎=X | 2006年7月9日 | 米村正二 | 田村直己 | ジオフィリドワーム |
24 | ラーメン道 | 2006年7月16日 | 米村正二 | 田村直己 | ジオフィリドワーム |
25 | 驕る捜査線 | 2006年7月23日 | 米村正二 | 長石多可男 | ウカワーム、ジェノミアスワーム |
26 | 激震する愛 | 2006年7月30日 | 米村正二 | 長石多可男 | ジェノミアスワーム |
27 | 俺!?殺人犯 | 2006年8月6日 | 井上敏樹 | 田崎竜太 | アキャリナワーム |
28 | なぜ!?絶命 | 2006年8月13日 | 井上敏樹 | 田崎竜太 | アキャリナワーム・アンバー |
29 | 闇キッチン | 2006年8月20日 | 井上敏樹 | 石田秀範 | キュレックスワーム |
30 | 味噌汁昇天 | 2006年8月27日 | 井上敏樹 | 石田秀範 | キュレックスワーム、スコルピオワーム |
31 | 衝撃の事実 | 2006年9月3日 | 米村正二 | 長石多可男 | フォリアタスワーム、シシーラワーム |
32 | 解ける謎!! | 2006年9月10日 | 米村正二 | 長石多可男 | フォリアタスワーム、シシーラワーム |
33 | 萌える副官 | 2006年9月17日 | 米村正二 | 田崎竜太 | ウカワーム、キャマラスワーム |
34 | 砕け超進化 | 2006年9月24日 | 米村正二 | 田崎竜太 | ウカワーム、キャマラスワーム |
35 | 地獄の兄弟 | 2006年10月1日 | 米村正二 | 石田秀範 | ネイティブ、コキリアワーム |
36 | 赤い靴暴走 | 2006年10月8日 | 米村正二 | 石田秀範 | ネイティブ、コキリアワーム |
37 | 学校の怪談 | 2006年10月15日 | 米村正二 | 長石多可男 | レプトーフィスワーム |
38 | あぶない妹 | 2006年10月22日 | 米村正二 | 長石多可男 | レプトーフィスワーム |
39 | 強敵黒カブ | 2006年10月29日 | 井上敏樹 | 田崎竜太 | ウカワーム、サブストワーム |
40 | 最大の哀戦 | 2006年11月12日 | 井上敏樹 | 田崎竜太 | ウカワーム、サブストワーム |
41 | 敗れる最強 | 2006年11月19日 | 米村正二 | 石田秀範 | カッシスワーム・ディミディウス、ネイティブ |
42 | 最凶VS.最恐 | 2006年11月26日 | 米村正二 | 石田秀範 | カッシスワーム・ディミディウス、カッシスワーム・グラディウス |
43 | 俺を狙う俺 | 2006年12月3日 | 米村正二 | 柴﨑貴行 | カッシスワーム・グラディウス |
44 | 生きるとは | 2006年12月10日 | 米村正二 | 柴﨑貴行 | カッシスワーム・グラディウス |
45 | Xマス激震 | 2006年12月17日 | 井上敏樹 | 長石多可男 | スコルピオワーム、カッシスワーム・クリペウス |
46 | さらば剣!! | 2006年12月24日 | 井上敏樹 | 長石多可男 | スコルピオワーム、カッシスワーム・クリペウス |
47 | 最終章突入 | 2007年1月7日 | 米村正二 | 石田秀範 | サナギ体、ネイティブ |
48 | 天道死す!! | 2007年1月14日 | 米村正二 | 石田秀範 | グリラスワーム、ネイティブ |
49 | 天の道 | 2007年1月21日 | 米村正二 | 石田秀範 | グリラスワーム、ネイティブ |
音楽
主題歌・挿入歌
- OPテーマ『NEXT_LEVEL』
作詞:藤林聖子/作曲・編曲:渡部チェル/歌:YU-KI(TRF)
『仮面ライダージオウ』のカブト編でもイントロが使用された。
- 前期EDテーマ『FULL FORCE』(第2話〜第32話)
作詞:藤林聖子/作曲:nishi-ken/編曲:RIDER CHIPS・渡部チェル/歌:RIDER CHIPS
- 『うきうきバースデイ』(第22話)
- 後期EDテーマ『LORD OF THE SPEED』(第33話〜第49話)
作詞:藤林聖子/作曲:渡部チェル/編曲:RIDER CHIPS・渡部チェル/歌:RIDER CHIPS featuring 加賀美新(佐藤祐基)
加賀美新のキャラソンだが、仮面ライダーガタックが活躍しないシーンでも使用された。
通称「ウンメイノー」。
劇伴
蓜島邦明が担当。独特なサウンドが『カブト』の象徴ともなっている。
また、『響鬼』で途絶えていたVideoHelperからの楽曲流用が復活した。
余談
第14話では同時期に公開された『仮面ライダー THE FIRST』の主人公・本郷猛がゲスト出演した。
ニコニコ生放送で行われた一挙放送ではライダーがクロックアップを使うとコメントが流れるスピードが遅くなるというお遊びが行われた。
おい公式何やってんだよもっとやれ。
放送当時はステーキレストラン「ステーキのどん」とタイアップしており、CMの設定では加賀美がここでバイトしていることになっていた。
関連動画
関連タグ
マスクドライダーシステム ゼクター ワーム(仮面ライダーカブト) ネイティブ(仮面ライダーカブト)
ニチアサ同期作品:轟轟戦隊ボウケンジャー、ふたりはプリキュアSplash☆Star
仮面ライダー響鬼 → 仮面ライダーカブト → 仮面ライダー電王