2005年に公開された東映制作の特撮映画。
石ノ森章太郎の『仮面ライダー』の漫画版の要素を取り入れ現代風にリメイクした作品。キャッチフレーズは「継ぐのは、魂。」
2007年には続編『仮面ライダー THE NEXT』が公開された。こちらは残虐な描写を多分に含むため、仮面ライダー映画では史上初となるPG-12指定の作品となった。
概要
社会を裏で操る謎の秘密結社ショッカーの陰謀により、その尖兵であるショッカー怪人の素体として選ばれた人々の恋と戦いを描いた映画。
今作では
- 本郷猛と一文字隼人が変身した姿が、劇中で一貫して仮面ライダー1号・2号ではなくショッカーのバッタ型怪人「ホッパー」として呼称されている。
- 生物的なイメージの強いデザインの多い従来のショッカー怪人に対し、本作に登場するショッカー怪人は「ライダースーツ状の戦闘服を付けたボディにヘルメット状の仮面を付けた頭部」という仮面ライダーのイメージに近いデザインとなっている。
- 仮面ライダーの変身方法が原典のTVドラマとそれを元にした原作者の漫画版を織り交ぜた「一瞬で首から下が戦闘服を纏ったサイボーグ体に変化した後、専用のヘルメット型の仮面を装着する」という変身方法であり、敵の怪人も全く同じ方法で変身する。このため、本郷と一文字がお馴染みのポーズで変身するシーンは一切存在しない(一応、最終決戦時に敵の軍団を前に変身ポーズと同じような動作をするが、変身後の姿で行っているため、ここでは変身ポーズとしてカウントせずあくまで「構え」として扱う)。
- 本郷と一文字だけでなくショッカー怪人の人間としてのバックグラウンドにもストーリーの焦点が当てられている。
また、『スーパーヒーロー大戦GP』に登場する幻の「仮面ライダー3号」のデザインは、本シリーズのホッパーに似た非常に現代的な、さながらSICじみたものになっている。
2016年12月発売の「オール仮面ライダーライダーレボリューション」に参戦。これにより歴代仮面ライダーとついに共演を果たすことになった。
舞台『仮面ライダージオウファイナルステージ』では平成の昭和ライダーとしてTHE NEXT、アマゾンズと共に登場。
そして仮面ライダー50周年の2021年… 初代ライダーは新たなリメイクをされることとなった……。
登場人物
仮面ライダーと仲間たち
手を突き出しただけで真正面から走ってくるトラックを止める、軽く触っただけでビーカーを握り潰すなど、尋常ではない筋力に改造されてしまっている。
本郷を倒すために作り上げられたホッパーの改良型の改造素体に選ばれた青年。本郷をつけ狙うが、あすかに恋をしてしまい、ショッカーを裏切ろうとする。
その姿はスパイダーに殺害されたあすかの婚約者に酷似している。
本作のヒロイン。雑誌記者をしており、本郷の研究を取材したことがある。スパイダーにより婚約者を殺されてしまい、たまたまその場に居合わせた本郷が彼の死体を触っていた(この辺は原作1話で緑川博士が殺されたシーンのオマージュ)せいで本郷が婚約者を殺したと勘違いしてしまう。
原作の緑川ルリ子ポジションなのは言うまでもない。
終盤では誤解を解いて本郷と和解するが、ショッカーの犯行現場を見たせいでホッパーやバットに度々暗殺対象として付け狙われ、最終的には改造人間の素体としてショッカーのアジトへとバットに拉致される。
ショッカー
本作におけるショッカーは「Sacred Hegemony Of Cycle Kindred Evolutional Realm」(直訳: 同種の血統による全体の、神聖なる支配権)の略称であり、世界制服を企む悪の組織である。しかし原作の様に表立ったテロを起こすことは少なく、専ら要人暗殺などを行っている。
幹部は死神博士(にしか見えない老人)の他、チャイナドレスの美女と髭面の男性の計三人。
- スパイダー
- バット
- コブラ
- スネーク
晴彦の恋人であり、不治の病に侵された女性、原田美代子を晴彦同様に改造させた。体術を得意とし、コブラの後頭部の尾を切り離したムチを武器に使う場面もある。
ライダー相手にはただのザコだが常人の3倍の身体能力を持つ。ガスマスクを着用しており、その外見は原作者の別作品で言うとサイボーグ009に登場するブラックゴーストのサイボーグマンに近い。あの骨模様もないが、イーイーうるさいのと死んだら溶けてしまうのはテレビ版の戦闘員と同じである。
主題歌
作詞:石森章太郎/作曲・編曲:菊池俊輔/歌:藤浩一、メール・ハーモニー
OP主題歌だが、フルでは流れず、メインテーマに繋がる。
- Bright! our Future
ED主題歌。
コミカライズ
江川達也により、『特撮エース』に連載された。
……が、ほとんど線画・背景真っ白という下描きレベルという酷いクオリティで、単行本化もされておらず、黒歴史同然の状態となっている。
この有り様に大の特撮好きとして知られる島本和彦は、「描きたくねぇのなら描くな」と苦言を呈している。
タグとして
本来なら「仮面ライダー THR FIRST」と表記されるところだが、pixivのタグにスペースは使用できないため本項のようなタグをつけることになる。
評価
プロデューサーの「ライダーで冬のソナタをやりたかった」という誰しもが疑問符を浮かべる方向性、井上敏樹の作家性が悪い方向で現れた脚本、過剰で大げさな出演者の演技、助長な恋愛描写、どれもこれもが悪いと要するに『仮面ライダーと怪人が出る部分』以外は全て悪いという評価が趨勢となっている。見ればわかる。
これとは対象的に出渕裕がデザインしたスーツや直近のTVシリーズでは控えめだったバイクアクション等のシーンは概ね好意的な評価を受けている。
余談
作中において本郷が研究している『水の結晶』は何ら科学的根拠のない『疑似科学』である。ショッカーの用いる悪しき科学の対照の存在として描写したのかもしれないが、少なくとも大学で研究する内容ではないだろう。
関連項目
井上敏樹 本郷猛 一文字隼人 蜘蛛男 蝙蝠男 コブラ男
蛇姫メドウサ 水からの伝言
平成の昭和ライダー 仮面ライダーTheNext 仮面ライダーアマゾンズ
仮面ライダーBLACKSUN
ULTRAMAN シン・ウルトラマン こちらは同じ初代作品リメイクの中で、初代ウルトラマンの方のリメイク。しかし、シンの方はシン・仮面ライダーと同じく、制作スタッフの中に庵野秀明が居る。