概要
『仮面ライダー』と並ぶ石ノ森の代表作。それぞれ特殊能力を持つ9人のサイボーグ戦士の活躍や日常を描く長・中・短編の作品群からなる。ただし完結編に当たるシリーズの完成前に作者が死去したため、作者自身による漫画作品は未完に終わっている。石ノ森自身この作品に対する思い入れは相当強かったようだ。
1960年代の米ソ東西冷戦が背景になり、ベトナム戦争を舞台にするなど反戦色のあるテーマが色濃く出ているのが特徴。それらと並び、世界各地の神話や古代文明に題材をとったシリーズ、人種問題や異文化同士の軋轢、文明社会の諸問題を扱ったエピソードも多い。主人公達が出会った人々の内面の葛藤や、人間と機械との中間の存在としての悩みなどもテーマとして取り上げられるが、基本的には石ノ森作品に共通する、正義を守るヒーローの姿に哲学的な重みを持たせたシリーズである。9人という人数設定は、野球の“ナイン”から構想を得たもので、制作ノートからは、それぞれ該当のポジションを当てキャラクター像を練っていたことがわかる。
サイボーグ009 完結編
『冒険王』1969年2月号から6月号に連載された『天使編』、『COM』1969年10月号から1970年12月号に連載された『神々との戦い編』は当時本作の最終章として発表されていたが、いずれも未完に終わっている。石ノ森にとって009の真の完結は長年の悲願であり、晩年に病魔に侵されてもなお完結編の構想を練り続け、21冊にも及ぶ膨大な構想ノートを残したが、自らの手で完結させることができないまま1998年に逝去した。
そして2012年、未完の名作と言われていたサイボーグ009が、弟子の手により完結編を描かれることになった。完結編のストーリーは、石ノ森が遺した構想ノートと資料・小説原稿を基に俳優・劇作家の長男である小野寺丈が構成する。作画は元アシスタントの早瀬マサト(途中からシュガー佐藤に交代)と石森プロが担当。
完結編のタイトルは「サイボーグ009 完結編 conclusion GOD’S WAR」。WEBマンガサイトのクラブサンデー(小学館)にて現在連載されている。
外部リンク:クラブサンデー サイボーグ009完結編ページ
サイボーグ009VSデビルマン BREAKDOWN
『水曜日のシリウス』2015年~2016年配信、作画:吉富昭仁
サイボーグ009 BGOOPARTS DELETE
チャンピオンREDにて2019年~2022年連載。作画:岡崎つぐお
8マンVSサイボーグ009
秋田書店のチャンピオンREDにて2020年9月号より連載されている平井和正・桑田次郎の名作『8マン』とのクロスオーバー作品。脚本:七月鏡一、作画:早瀬マサト
掲載はわりと不定期気味。
009達サイボーグ戦士の宿敵であるブラックゴーストに谷博士を人質に取られたエイトマンが、009達に立ちはだかる。
連載前の予告で『二大スピードスター夢の激突!』というキャッチコピーが挙げられていた。
令和5年(2023年)7月20日、単行本上下巻が同時発売された。
舞台化
2024年に連載60周年企画として制作された。
演出は植木豪、脚本は亀田真二郎。両者は舞台の「ヒプノシスマイク」でコンビを組んでいる。
舞台「サイボーグ009」
期間:2024年5月18日(土)~26日(日)
会場:東京都/日本青年館
ストーリーは誕生編001(原作コミックスの5巻に相当)をベースにしている。また2024年時点で009を女性が演じた初めてにして唯一の媒体である。
石ノ森作品の舞台化は過去に仮面ライダーシリーズの舞台版仮面ライダー斬月と仮面ライダーWのコミック作品の風都探偵の風都探偵TheSTAGEの舞台作品が作られたが非仮面ライダーシリーズの作品が舞台化されるのは初である。
登場キャラクター
ゼロゼロナンバーサイボーグ
- 009 - 島村ジョー(CV:井上和彦、櫻井孝宏、河本啓佑など)
- 001 - イワン・ウイスキー(CV:白石冬美、植田佳奈、福圓美里など)
- 002 - ジェット・リンク(CV:野田圭一、森久保祥太郎、佐藤拓也など)
- 003 - フランソワーズ・アルヌール(CV:杉山佳寿子、雪乃五月、種田梨沙など)
- 004 - アルベルト・ハインリヒ(CV:内海賢二、山田俊司、飛田展男、日野聡など)
- 005 - ジェロニモ・ジュニア(CV:増岡弘、大塚明夫、乃村健次など)
- 006 - 張々湖(CV:永井一郎、茶風林、真殿光昭など)
- 007 - グレート・ブリテン(CV:肝付兼太、長島雄一、佐藤せつじなど)
- 008 - ピュンマ(CV:野田圭一、岩田光央、石谷春貴など)
※:キャラクターによってはTV版(旧作、新作)、ラジオ版、ゲーム版、劇場版などで声優が異なるため、代表的な人物のみ記す。
ゼロゼロナンバーの関係者
ブラックゴースト(黒い幽霊団)
- スカール(CV:若本規夫、塩屋翼、柴田秀勝など)
- バン・ボグート(CV:石塚運昇)
- 総統(CV:上村祐翔)
- ジュリア・マノーダ
- 0010(CV:二又一成)
- 0011(CV:大川透)
- 0012(CV:紗ゆり)
- 0013(CV:伊藤健太郎)
サイボーグマン
- アポロン(CV:石田彰)
- アルテミス(CV:高山みなみ)
- ミノタウロス(CV:河相智哉)
- アキレス(CV:家中宏)
- ヘラ(CV:杉本ゆう)
- ポセイドン(CV:梁田清之)
- アトラス(CV:梁田清之)
- パン(CV:杉本ゆう)
- ケンタウロス
- ネレウス(CV:河相智矢)
- ガイア博士(CV:沢木郁也)
- ウラノス博士
ジョーの旧友たち
地底世界の住民
『移民編』『時空間漂流民編』の登場人物
その他のキャラクター
- フィンドル教授(CV:伊藤和晃)
- シンシア(CV:川上とも子)
- クビクロ
- 黄金のライオン
- パル(CV:常盤祐貴)
- イシュキック(CV:島本須美)
- カール・エッカーマン(CV:三木眞一郎)
- 香嶋奈々(CV:伊藤静)
- 栗島安奈
- 神父(CV:小山武宏)
- ナタリー(CV:小島幸子)
- カカシ
- ソフィー(CV:沢海陽子)
- ローザ(CV:沢海陽子)
- カボレ(CV:高木渉)
- ママドゥ(CV:置鮎龍太郎)
- キャシー(CV:彩木香里)
- ジミー(CV:亀井芳子)
- 青いけもの(CV:津嘉山正種)
- アリス(CV:山下夏生)
- フィル(CV:斎賀みつき)
- 篝矢翡翠(CV:井上喜久子)
(以上の声優はテレビアニメ3作目「サイボーグ009 THE CYBORG SOLDIER」の時のもの)
アニメ
TVアニメが3作、劇場版が3作作られている。ファンの間では、TVアニメの1作目を「旧ゼロ(旧昭和版)」、2作目を「新ゼロ(新昭和版)」、3作目を「平ゼロ(平成版)」と呼ぶ傾向がある。
2012年には「009 RE:CYBORG」のタイトルで劇場アニメ化されている。
アニメ映画
『サイボーグ009』1966年7月21日公開。カラー作品。
『サイボーグ009怪獣戦争』1967年3月19日公開 『東映こどもまつり』枠。
『サイボーグ009超銀河伝説』1980年12月20日公開
サイボーグ009
TVアニメ第1作。通称旧ゼロ
1968年4月から1968年9月まで全26話が放送された。モノクロ版
サイボーグ009
TVアニメ第2作。通称新ゼロ
1979年3月から1980年3月まで全50話が放送された。カラー版
サイボーグ009 THE CYBORG SOLDIER
TVアニメ第3作。通称平ゼロ
2001年10月から2002年10月まで全51話が放送された。
009 RE:CYBORG
2012年劇場用アニメ。→RE:CYBORG
プロダクションIGの神山健治監督による。
サイボーグ009VSデビルマン
2015年制作のOVA。
永井豪の『デビルマン』とのクロスオーバー作品。
CYBORG009 CALL OF JUSTICE
2017年2月10日より全12話配信された。
余談
- もし石ノ森氏が存命ならば、完結編はまず描き下ろしの形で単行本全10巻を同時発売、その後再構成して『コミックアルファ』(『コミックフラッパー』の前身)に連載する予定だったという。しかし石ノ森の逝去によってその時点では漫画化は実現できず、その影響で島本和彦版『スカルマン』は当初の予定から構成を変更せざるを得なくなったようだ。
- 2008年に本作品を最初に掲載した『週刊少年キング』の発売号数である7月19日が「サイボーグ009の日」として日本記念日協会に認定された。
- 『デビルマン』や『8マン』とは上述の『VSデビルマン』『VS8マン』以前に少年サンデーと少年マガジンの50周年記念ゲームで共演したことがある。
関連イラスト
関連タグ
旧ゼロ 新ゼロ 平ゼロ 超銀河伝説 RE:CYBORG コゼロ
2017年のスーパー戦隊。初期メンバーが9人と言う大所帯戦隊。
それぞれの能力を駆使しながら荒廃した世界に平和を取り戻す為に戦う。
後に3人増えて12人で戦う事に。
世界の国々をモチーフとするドラえもんと同型の猫型ロボット7人のチーム名。不滅の友情を誓い、普段は別々の場所・時代に暮らすが、互いのピンチには必ず駆けつけ、協力して事件や強敵に立ち向かう。別名、ドラドラ7……。