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  1. 先が平らで、縁を刃のような形にしている道具。裁縫調理に使う ⇒ へら
  2. ギリシャ神話女神
  3. MARVELヴィランHelaヘラ(MARVEL)
  4. パズル&ドラゴンズのモンスター ⇒ ヘラ(パズドラ)
  5. モンスターストライクのモンスター ⇒ ヘラ(モンスト)
  6. イナズマイレブンのキャラクター ⇒ 平良貞
  7. ONEPIECEのキャラクター ⇒ ヘラ(ONEPIECE)
  8. メンタルがおかしくなること、ヘラる。 ⇒ メンヘラ
  9. Fateシリーズにて存在が示唆されている神霊ヘラ(Fate)

本項では、女神としてのヘラについて解説する。

概要編集

天界夫婦

 ギリシャ神話の主神ゼウスの姉であり、妻でもある。

 ローマ神話においては、主神ジュピターの妻ジュノーユーノー)と同一存在とされる。

この女神ユノの英語表記が”Juno”であり、これがジューン・ブライドなる通称もある欧米圏での結婚の季節とされる6月=Juneの名前の起源となっている。

 聖鳥は孔雀とされる。

人物像・逸話編集

 浮気相手から偉大なが生まれると知るやその出産を徹底的に妨害する、怪物の姿に変えてしまう、夫の手にかかって死ぬように仕向けるなど、あの手この手を使って夫に愛された女性を苦しめている。その女性がゼウスに騙されたり、力ずくで関係を強要されたりした場合(殆どがそうなのだが)ですら容赦はしないのである。迫害はしばしば生まれてきた子供にまで向けられる。

中にはゼウスとの関係が無く、かつ自分を崇拝してくれている敬虔な信者に対しても、酷い行ないもやっている(対象者に何ら落度が無いにもかかわらず、である)。


 彼女の職分は結婚と女性の貞操を司ることなので、その秩序を乱し、こともあろうに大神の正妻の座を侵害する者として、夫の浮気相手たちを罰するのには一応大義がある。まして正妻の彼女を差し置いて、別の女がゼウスの子供を生むなど言語道断というものである。とはいえほぼ全ての場合ゼウスが一方的に迫った関係であり、その策略と力から逃れるすべは彼女らにはまず無いのだから、理不尽なことに変わりはない。ゼウスに魅入られたこと、言い換えればそれほどまでに美しかったことが彼女らの不幸のはじまりであり、ヘラからすればその美しさ自体が妬みと憎しみの対象である。


 時折高い監視能力や迅速な情報収集能力を見せるが、これらの能力は基本的に夫の浮気の早期発見にしか発揮されない。完全に宝の持ち腐れである。

唯一トロイア戦争の際にアテナと組んで次男アレスとその愛人アフロディーテのタッグと戦った際には、その監視能力で敵2人の動向を完全に把握、アテナを的確に援護して完勝している。


 尚、ヘラの戦闘力も決して低いものではない・・・どころか、トロイア戦争で「ゼウスの子供の中でも特に偉大」な女神であるアルテミスと直接対決した際には、アルテミス必殺の弓が放たれる前に格闘間合いに踏み込んで弓を叩き落とし、その後は素手で一方的にアルテミスを叩きのめす完全勝利に持ち込んでいる。

 また、ゼウスの雷霆を受けても容易に傷つかないという神々としても規格外の防御力を有している。

 ゼウスと一対一で大喧嘩した際には負けたものの、後述の様に父のやり過ぎを嗜めたヘパイストスまで片脚を砕かれた事でも分かるようにゼウスも本気を出さなければヘラに勝てなかった描写が有り、アポロンとアテナの扇動に乗せられてポセイドンと二人がかりでゼウスに襲い掛かった際にはゼウスを組み伏せてグルグル巻きにしている。


 ヘラは毎年春にカナトスの泉で水浴びして身を清めると、溜まりに溜まったストレスも洗い流され、ゼウスに求婚された娘時代と変わらない若さと美しさ(ついでに処女)を取り戻し、その美しさは美を司るアフロディーテに勝るとも劣らないという。このときばかりはゼウスも彼女を再び求めずにはいられなくなるそうだ(これは「夫の愛を繋ぎ止める」という意味で、既婚女性の守護神としての性格付けを表している)。

 ただし、ゼウスの浮気が決して止まないことからして、その効力もそう長くは続かないようである。


 その母乳には吸ったものを不死にする力がある。だがこの特質が物語に登場するのはヘラクレスのエピソードのみである。眠っている間に、ゼウスの差し金で憎き愛人の子に授乳させられるという屈辱的なものであった。この時にヘラクレスの吸う力があまりに強かったために、迸った母乳によって天の川が出来たとされる。英語で天の川を意味する「ミルキーウェイ」(直訳すれば「乳の道」)はこれに基づく。


 なお、ゼウスとの間にちゃんと子供を儲けており、うち一人がオリュンポス十二神の戦神アレスである。ヘラとしては、ゆくゆくはアレスを主神の席に着かせたいのだが。

しかし、アレスの子供に関しては非常に厳しくアレスの娘の2人はヘラに殺されている(1人はほぼ直接的に、もう1人は間接的に)。


 もう一人の息子である鍛冶神ヘパイストスとの仲は諸説存在している。彼の片足が不自由なのは

  1. 生まれた時にあまりの醜さからヘラに捨てられた際に痛めた
  2. 両親の夫婦喧嘩の際にゼウスのやり過ぎを嗜め、ヘラを庇ったことに腹を立てたゼウスに天空から叩き落とされた際に足を砕いてしまった

 1の説に則ったエピソードではヘラ、2の説に従ったエピソードではゼウスが彼の作ったトラップ付きの椅子に拘束されるという仕返しを受けている。

また1の説の後、ヘラとヘファイストスは仲直りし、ヘパイストスは母親想いの良い息子になったようである。赤の他人に育てられた彼は、元々両親の愛情に飢えていたのだろう。


 娘である神々の給仕にして青春の女神であるヘベに対しては、溺愛と言っても差支えない愛情を注いでいたようで、娘が給仕の任を解かれた際は猛烈に夫に抗議している。また、ゼウスがヘラに反省を促すために(ヘベには一切落ち度が無いにも拘らず)この娘を天から吊るした事もあり、この時はヘラも大いに狼狽えたという。

 なお後述するヘラクレスが死後に神の一員となったとき、ヘベはその妻となった。この事は両者の(と言うかヘラの)和解を神々が納得するに十分な出来事であった様である。

 また、ヘベというのは「ヘラ・バイス(乙女のヘラ)」と言う意味で、ヘラの少女の相とする説もある。その為、ヘラクレスとヘベの結婚をゼウスとヘラの結婚の再来と捉えている説が有る。


 ヘラは一度夫の度重なる浮気に愛想をつかして出て行ってしまったことがあるが、これに慌てたゼウスは一計を案じ、別の女神と結婚すると触れ回り、偽の結婚式を挙げようとした。ヘラは怒ってその式をぶち壊そうと乱入して、結局ゼウスとよりを戻してしまった。なんだかんだいって惚れているのである。


 ゼウスの度重なる浮気に悩まされながらも、ヘラの方で浮気に走ったことはただの一度も無い。その職分に違わず、彼女の夫に対する貞操は完璧なのである。例えば人間界の英雄イクシオンに危うく強姦されそうになった際には持ち前の強さでそれを(物理的に)強く拒否し、その後イクシオンは駆けつけたゼウスにタルタロスと同等の厳罰を与えられている。ゼウスからしても正妻としての彼女を大事にする気は本物なのである。


 後、彼女の名誉のために追記しておくが、「ゼウスの血を引かない英雄(例:イアソンテセウス)」に対しては寛大に援助している(ただし、イアソンはゼウスの遠い子孫ではある)。

 また、自分の子以外のゼウスの子女でも一応は正妻の娘であるアテナや神々の女王として自分を立てるヘルメスとの仲はそれほど悪くなく、特にアテナとは行動を共にする場面もしばしば描写されている。

 唯一頭が上がらないのは実母であるレアで、浮気相手やその子供への迫害も制止されてしまう。


 ゼウスとヘラが仲が良いんだか悪いんだかよくわからない複雑な関係性を持たされた理由についてだが、これは元々ヘラ(の原型となった地母神)を信仰していたペロポネソス半島の民族が、ゼウス(の原型となった天空神)を信仰する北方民族の侵略を受けた名残りであるいう説が存在する。両民族の和合をゼウスとヘラの結婚に象徴させたものの、敵対感情の残滓がそのままゼウス・ヘラ夫婦の不和として顕れたというわけである。

 メタ的に言えば「元々はゼウスより上位の神だった」「他のギリシャ神話の神々より更に古い『荒振る神』だった」時代の名残が残っているのが性格がイロイロアレアレな理由の1つな可能性も有る。


なお、結婚の神故に後述のヤンデレ伝説が多いのはまだ百歩譲るとして、どう見ても私怨としか思えないような理由で動いた事もある。それが、トロイア戦争終結後、パリスの審判で自分が選ばれなかった事に腹を立て、生き残ったアイネイアスの艦隊を風の神アイオロスを唆して沈めさせようとした挙句、ラティウムに流れ着いたアイネイアスによって花嫁を奪われたトゥルヌスを煽って戦争に持ち込むなど碌な介入をしていない。とはいえ、その後紆余曲折あってローマ帝国が出来上がり、彼女はカピトリーノ三柱神の一柱(ユーノー)に数えられていたりするが。


なお、大抵の場合、ヘラがフィクションに登場する際には嫉妬深い性質を拾われる事が多いが、ディズニー映画『ヘラクレス』ではヘラクレスの実母であり、まともな母親として描かれている…どうしてそうならなかった。

嗚呼、華麗なるヤンデレ伝説の数々編集

 上記のような諸々の性格ゆえか、最近では最古のヤンデレという解釈までなされるようになってきた。

 どういうことなの……。


 ということで、彼女のヤンデレぶりを象徴するエピソードをいくつか紹介しよう。


産ませてなるものですか!編集

 ゼウスがティタン神族の女神レトに孕ませた子供が、ヘラのどの子よりも偉大な神になる運命を担っていることを知ったヘラは、それを阻止しようとレトの出産を徹底的に妨害。ヘラは地上のすべての場所にレトに出産の場を提供することを禁じたうえ、大蛇ピュトンを送って彼女を襲撃させた。身重の体で大蛇から逃げ回るので精一杯のレトだったが、デロス島はヘラの布告のあとで浮上した島だったためにヘラの禁令が及ばず、ここにたどり着いた彼女はようやく出産の場を得る。それでもヘラが妨害を重ねたために9日9晩かかったが、誕生したのが双子のアポロンアルテミス兄妹である。


とうにお見通しです!編集

 ヘラは夫がイオという美しい娘に手を付けている現場を押さえようとするが、ゼウスはその寸前にイオを牝牛に変えてごまかそうとする。とうにお見通しのヘラは知らないふりをしてゼウスに牝牛の引き渡しを要求。ゼウスは浮気の露見を恐れて、非情にもイオをヘラの手に委ねてしまう。ヘラは彼女を牝牛の姿のまま監禁し、百眼の巨人アルゴスに見張らせた。ゼウスはヘルメスを送ってアルゴスを退治させ、イオを解放するが、ヘラはなお許さず巨大な虻を送ってイオを追い回し、執拗に苛み続けた。ゼウスは見かねて彼女には二度と手を出さないと約束し(二度と浮気をしないとは言っていない)、怒りを解くよう懇願。ヘラもようやく納得し、イオのたどり着いたエジプトの地で元の姿に戻してやったという。ヘラの執念深さもさることながら、姑息な手段で浮気をごまかそうとしてトラブルを深めてしまったゼウスも大概なものである。


美しいのがいけないのです!編集

 ニュンペーカリストは処女神アルテミスに仕える身として貞節を固く誓っていた清純派美少女。だが彼女に一目惚れしたゼウスは、こともあろうにアルテミスに化けて彼女を誑かし、百合まがいの行為に偽装して乙女の純潔を奪ってしまう。心ならずも孕まされたカリストはそれが露見するとアルテミスの寵愛を失い、お供を辞めさせられただけでも不幸だが、子供を生んだ直後にさらに恐ろしい運命が彼女を待ち受ける。ヘラは夫の浮気を「ゼウスが魅了されるほど美しいのがいけないのだ!」と完全にカリストのせいにし、彼女を毛むくじゃらの熊の姿に変えてしまったのだ。夫に騙され、凌辱された被害者にまで嫉妬するのがヘラのヤンデレの真骨頂であろう。後にカリストは狩人に成長した息子の手で獲物として殺されそうになった(ヘラがここまで企んでいたかどうかは諸説あり、完全な偶然とされることもあるが、ここまでが彼女の差し金であるとする話もある)ところでゼウスに救われ、おおぐま座として天に上げられるが、ヘラはまだ許さず、地平線下に沈んで休むことができないようにする嫌がらせを続けるのだった。


夫の手にかかって死になさい!編集

 夫がテーバイ王女セメレのもとに通っていることに気づいたヘラは、恐ろしい計略を用いて復讐を図る。セメレの乳母に化けて、あれは実はゼウスの名を騙る偽者ではないかという疑念を彼女に吹き込み、本物のゼウスである証拠を見せてもらうよう唆したのだ。それを真に受けたセメレはゼウスに本来の威光を見せてくれるよう頼んだ。ゼウスは彼女の望みを何でも叶えてやるという誓いを取り消すわけにいかず、仕方なく雷光に包まれた姿でセメレを訪れたが、それは生身の人間に耐えられるものではなく、彼女は焼け死んでしまった。これこそゼウス自身の手で浮気相手を抹殺させる、ヘラの狙いだったのだ。セメレが身ごもっていた胎児は神の血を引いていたので焼死を免れ、酒の神ディオニュソスになったが、彼も成長するまでヘラに狂気を吹き込まれるなど、執拗に迫害を受けた。


この子だけは許しません!編集

 ペルセウスの孫娘だったアルクメネ(人妻)との思いを遂げ、自らの子供を孕ませて得意の絶頂だったゼウスは、「これから生まれるペルセウスの後裔がアルゴスの王になる」と高らかに宣言。これを聞いたヘラは愛人の子にいい思いはざせまいと、腹心のお産の女神エイレイテュイアに命じてアルクメネの出産を妨害し、ヘラクレスを産むまで7日7晩陣痛で苦しめる。その間に同じくペルセウスの血を引くエウリュステウスを7ヶ月の早産で先に誕生させた。「自分の子が」とはっきり言わなかったことが仇となってゼウスは自らの宣言を履行せざるをえず、ヘラクレスは明らかに小人物であるエウリュステウスの下僕として仕える運命に陥った。ヘラは赤子のヘラクレスのもとに毒蛇を送って暗殺を企てたり(瞬殺で返り討ち)、狂気を吹き込んで妻子を手にかけさせ、10の難行(しかも、その内二つは些細な理由でノーカウント)を果たさなければならない運命を課したりするわ、その難業も積極的に妨害するわと、生涯にわたって執念深く迫害を続けた。どう見てもラスボス以外の何者でもありません、本当に(ry。


思い通りにならない孫娘は・・・編集

 アマゾネスの女王ヒッポリュテはヘラの息子である軍神アレスの娘、即ちヘラの内孫で父親から親子の証の宝帯を与えられていた美と武勇を兼ね備えた半神である。

 難行を次々クリアするヘラクレスに激怒中のヘラは自身の直系の孫娘でヘラクレス同様の半人半神で武勇に優れるヒッポリュテにヘラクレスを討ち取らせる事を思い付き、エウリュステウスの娘にヒッポリュテの帯を強請らせる。

 ヘラクレスも自身と同じ半神、しかも武勇に長じた戦闘民族の女王にして最強戦士相手に単身では心許なくテセウス達に応援を要請。

 ところが訪問したヘラクレスにヒッポリュテは一目惚れしてしまい、宝帯も「自分との間に優秀な子を作って次代のアマゾネス女王にする」と言う条件で譲渡の約束をしてしまう。

 ・・・確かに「ゼウスの息子」と「アレスの娘」の間に生まれた姫なら絶大なポテンシャルを秘めた半神となる可能性が極めて高いので、取引としては十分に成立する。

 ヘラクレスも神々の中でも美女美男で有名なヘラとアレス譲りの美貌と半神の身体能力、女王としての気高さを兼ね備えたヒッポリュテが恋情露わに子作りを迫ってきて大歓喜。

 思い通りに動かない孫娘に苛立ったヘラは自らアマゾネスに変身すると、「ヘラクレスが女王を攫おうとしている」とヒッポリュテの部下達を扇動してヘラクレス一行を襲撃させた。

 無敵の英雄と最強の女戦士の半神同士の決戦・・・と思われたが、ヒッポリュテは愛するヘラクレスに自らの潔白を証明する為に殺される最期の瞬間まで無抵抗を貫き、結果として逆上したヘラクレスに惨殺されてしまった。

 一連の流れではヒッポリュテは好意を抱いた男性相手に周囲を納得させる条件で譲渡契約を結んだだけで、ヘラが乱闘を引き起こした際にも非暴力の弁明に徹しており一切の落ち度は無い。

 流石にヘラクレスも冷静になった後に後悔したようであるが、落ち度の無い孫娘を悲惨な最期に追いやったヘラは酷いの一語に尽きる。


その減らず口をこうしてくれます!編集

 ニュンペーのエコーはおしゃべり娘として知られていたが、ゼウスは自身が浮気に興じている間、ヘラをその得意の話術で引き留めてくれるように彼女に頼み込む。このせいで夫の浮気現場を押さえることに失敗したヘラはブチ切れたが、その怒りをエコーに向け、二度とこのようなおしゃべりができないよう、相手の話の末尾を繰り返す以外に話すことができなくしてしまった。その後彼女は美少年ナルキッソスへの失恋もあり、やつれ果てて肉体そのものが失われ、声だけの存在になってしまったという。木霊になったわけである。

 ヘラが現場を押さえそこなったおかげで浮気相手の女性は追及を免れ、その名前も伝わっていない。代わりに酷いとばっちりをエコーが受ける形になったわけである。


島の民は皆殺しじゃあ!編集

 ゼウスは今度は川の神アソポスの娘・アイギナという美女を誘惑し、情事に及ぶと、生ませた息子アイアコスを彼女の名にちなんで名付けたアイギナ島の王とした。アイギナ自身を追及する機会を逸したためか、ヘラの怒りは恋敵の名を冠した島の民たちに向けられた。ヘラは疫病を島に流行させて島民たちを全滅させてしまう。治めるべき民をすべて失い悲嘆に暮れるアイアコスが父ゼウスに加護を祈ると、それに応えたゼウスは島にいた無数のアリたちを人間に変え、新しい民としてアイアコスに仕えさせた。こうして島は繁栄を取り戻すことになったのだが、失われた命が還ったわけではなく、ヘラのせいで滅ぼされた旧島民たちは不憫というほかない。


その姿になり果てよ!編集

 リビアの女王だった美女・ラミアは、ゼウスに愛されて子をもうける。しかしこれを知ったヘラは、その子供を惨殺したばかりか、彼女を上半身は人間、下半身は蛇の怪物に変えてしまう。ヘラのあまりに残酷な仕打ちにラミアは身も心も荒み果て、子供を攫ってはとって食うようになってしまったという。家庭を守護する女神でありながら、私怨から家庭の幸せを破壊する怪物を生み出してしまったのだから皮肉なものである。


私が正しくないというなら……編集

 ある日ゼウスとの間で「性の快楽は男女どちらが大きいか?」という他愛もない話題をこじらせて、夫婦喧嘩にまで発展させてしまう。比べようがないので決着がつかず(自在に女体化できるゼウスも、自ら女性の性の喜びを味わうことは出来ないらしい)、人間の中で不思議なことが起こって一時女性に変じた経験をもつテイレシアスという男に意見を求める。テイレシアスの答えは「女の方が男の10倍(あるいは9倍)大きい」というもの。要は「女の方が圧倒的にスケベだ」と言ったようなもので、散々女遊びを楽しんでいる夫よりも貞淑を貫く自分の方がそうだと言われては許しがたく、怒りのあまりテイレシアスの視力を奪うという罰をあたえた。ゼウスは夫婦喧嘩に巻き込んだ挙句にこんな悲惨なことになった彼を憐れみつつも、「ある神が起こったことを他の神が打ち消すことは出来ない」という掟には大神とて逆らえないので、代償として予言の力を授けてやったという。

魔獣使いとしての逸話編集

ところで、彼女の部下は思いの外ゲテモノが結構いることに気付いたろうか。

実はヘラは神々でも随一の魔獣コレクターであり、アルゴス地方近辺やタルタロス出身の怪物が唐突に英雄の前に立ちはだかる場合は大抵がヘラの差し金。

恐らくティタノマキア時代にスカウトした反ティターン派の魔獣か、戦争後に軍門に下ったかどちらかだろう。

だが、女神の部下でも川を汚染したり人間を食っていたりする連中が多いので、彼女は北欧神話におけるロキと似たポジションにもいる(部下の中に人肉を喰らう馬がいるが彼女の馬車を引いているのがこの馬かは不明)。

関連タグ編集

Hera / ヘーラー / ユノー……別名・表記ゆれ


ギリシャ神話 女神 ゼウス

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