ヘパイストス
へぱいすとす
鍛冶の神で、同時に『鍛冶』という『炎』と密接に関連する職業から「火の神」でもある。象徴も火箸や金床、金槌といった職人らしいものが揃う。
ゼウスとヘラの第一子であるが、ゼウスの浮気にキレたヘラが一人で生んだとの伝承もある。
性格は真面目で、仕事を愛する硬派な職人気質。派手さこそ無いものの、非常に優れた技術を持ち、ゼウスの盾アイギスを始めとする多くの道具を作っている。(後述)
工房には、鍛冶の技能を持つサイクロプスを雇っている。彼らはかつてゼウス/ポセイドン/ハデス最大の武器を作っており、これ以上ない仕事仲間といえよう。
本人の容姿は醜く、生まれつき足が曲がっていたが、妻は美の女神アフロディーテ、または美と優雅を司る女神達の一柱アグライアだったと伝わる。一般的にはアフロディーテが有名だが、天界での妻がアフロディーテ、地上での妻がアグライアという説もある。
母ヘラにはその容姿のせいで嫌われ、出生後すぐに山から投げ捨てられる。その時に足を折ってしまい、一生足が不自由になってしまった。その後、海の女神テティスとエウリュノメーに拾われて育てられ、無事天に帰る。だが、相変わらず彼を嫌っていたヘラには中々認知されず、神としての地位を得られなかった。その為、彼は自作の椅子を上手く使ってヘラを拘束し、自分を認知させた上、アフロディーテとの結婚も承諾させている。
別の説では母に嫌われてはおらず、ヘラとゼウスの夫婦喧嘩で母をかばった際、ゼウスの怒りを買って地上に叩き落された結果足が不自由になったとされている。この場合、ヘパイストスの椅子に拘束されたのはゼウスである。
また、戦闘能力も高い方で、決して消えない炎を使って大河を蒸発させて河の神スカマンドロスを降参させたり、斧を使ってゼウスの頭をかち割った。
また、ゼウスの頭をかち割った際に生まれたのが知恵の女神アテナである。
こうして一組の夫婦が誕生したが、ヘパイストスは真面目で、仕事好きなので家には殆どいない。一方アフロディーテは、美しいが刺激を好む性格で、恋愛に関しても奔放。こんな二人が上手く行くはずも無く、アフロディーテは夫を嫌い、粗暴でも美男子のアレスと不倫してしまう(アレスはヘパイストスと父母を同じくする、兄弟同士であり、火や鉄との縁が深いという共通点がある。ある意味、この二神は同一神ではないかという人もいる。内なるエネルギーを闘いや破壊に向けるか、内向的に創造活動へと向けるかの違い)。
妻を愛していたヘパイストスもこの兄弟による寝取られには怒り、ベッドに細工して二人がアレしてる状態で動けない様にした。これをアフロディーテに片思いしていたヘルメスに見せ、彼が周囲に触れ回った結果、アレスとアフロディーテは繋がったまま他の神へ晒し者にされた。
ヘパイストスは二人を裁くようゼウスに迫ったが、自身が浮気者のゼウスが偉そうな事を言えず、お茶を濁されている内にポセイドンの説得で二人は解放される事になった。
堪えかねたアレスは早々に退散したが、アフロディーテは平然としていたらしい。
最終的にヘパイストスはアフロディーテと離婚、アレスから賠償を受け取っている。この時もポセイドンが仲介しているが、アフロディーテはお礼に一晩アレしたらしい。
因みに、ヘパイストスは離婚する直前、一度アテナに迫っているが、欲求不満だったせいで、アレが暴発して地面にアレをこぼしてしまい、しかもそこから子供が生まれている。結局フラれた彼だが、その時できた子供はアテナに育てられた。
「ブサメンでも芸を磨けば偉くなれる」という希望と、「偉くなっても女にはモテない」という絶望を突き付けている。
一部書籍では後にアフロディーテの侍女である三美神の一柱アグライアーと再婚したともされており、希望を捨ててはいけないという事かもしれない。
自律稼働型の椅子で、脚には黄金の車輪が付いている。
ゼウスの雷霆は、一般的にキュクロプスの作とされる。
- アポロンの金の矢/アルテミスの銀の矢
弓矢が得意な彼らに合わせて作られた矢。
金の矢には相手を苦しませずに一瞬で殺し、銀の矢は女性を一瞬で殺す能力がある。
- アキレウスの鎧/盾/槍
トロイア戦争の英雄アキレウスの装備一式。槍はトネリコ、鎧は青銅で出来ている。
また、盾にはギリシャの宇宙観を表した装飾が成されている。
- 青銅の鐘
ヘラクレスが12の試練の一つ「ステュムパーリデスの鳥退治」で使用した鐘で一度鳴らせば周囲に鳥たちが一斉に空に舞い上がる程の大音量が鳴り響く。
アテナの持つ最強の盾ないしは胸当て。
詳しくはリンク先参照。
不死身の敵にも有効とされた鎌または剣の一種。
アーサー王伝説に登場する刀剣で、威力だけならエクスカリバー以上。
この刀剣を使っている間、アーサー王はガウェイン卿にエクスカリバーを貸し与えたとも。
- ポルックスの持つメリケンサック
ボクシングの得意なディオスクロイの一人ポルックスの為に作られた鉄の義手。
ポルックスは両腕を切断してこの義手を装備し、大軍勢を相手に無双したという。
- ヘラクレスの鎧
黄金でできた胸当て。
ヘリオス神が乗っている4頭立ての馬車で太陽そのものとも解釈される。
- 装飾品
実は武器だけでなく、装飾品を作る事も出来た彼は、
テティスやハルモニアといった女神の婚姻の際には首飾り等をプレゼントしている。
- 見えない網
浮気をした妻とその浮気相手を縛り上げた見えない糸で編まれた網。へファイストス以外が解除する事が出来ない強力な力を持っており、シャルルマーニュ伝説ではカリゴランテという巨人の手に渡って彼が狩に使用していたが、アストルフォの策(?)によって自分が引っかかってしまい、彼の手に渡っている。
- 黄金の椅子
自分を捨てたヘラを成敗した豪華絢爛な椅子で、座った物を捕縛してしまう力を持っている。
- ヘクトールの鎧兜
シャルルマーニュ伝説においては九偉人に数えられるヘクトールが言及される事が多々あり、彼の装備もヘパイストスの作ったものらしい。
また、道具は勿論、ギリシャ神話のスーパーロボットタロスや人類最初の女性パンドラを作り出しているので、実質「彼に作れないものはない」レベルの技巧を誇る。ただし、医療の神でもあるケルト神話の鍛冶神の様に医薬品を作った記録はない。
ゴッドオブウォーシリーズ
CV:青森伸
名前自体は『落日の悲愴曲』から言及されていたが、本格的に登場したのは第3作から。名前は英語での発音に近いヘファエストスとなっている。
主人公・クレイトスの武器ブレイズオブカオスをはじめ、『ゴッドオブウォー』シリーズにおける数多くの武器や魔法のアイテムを発明し、『天の鍛冶屋』の二つ名で知られていた。
神をも殺せる力を封印したパンドラの箱と、その鍵となる少女・パンドラも創造したが、彼女のことは実の娘同然に可愛がっており、完成した箱をゼウスに献上する際には嘘をついてパンドラを守った。しかしクレイトスが箱を開けてアレスを倒したことで嘘がばれ、ゼウスの凄まじい拷問にさらされて結局はパンドラを奪われてしまい、自身も神の魂と座を奪われて異形の姿にされた上で冥界の鍛冶場に追放されることになった。
当然そのことでクレイトスを恨んでいたが、ゼウスによってラビリンスに幽閉されてしまったパンドラを取り戻す為、同じ父親だった者同士として彼に助力を求めた。だが、クレイトスがパンドラの箱を開ける気だと知った事で彼女を守る為に(パンドラの箱の鍵として使うとパンドラは消滅してしまう為)、「復讐を確実に遂げるための新たな武器を造ってやる」と彼を騙し、製作したネメシスのムチで攻撃するも、逆にクレイトスの反撃を受けて殺害された。
結果的にはクレイトスを騙して裏切ったものの、彼の行動は一貫して娘として思うパンドラの為であり、それを同じく親として理解していたクレイトスからは珍しく特に恨まれておらず、むしろ自分を裏切った事については「親として当然の行いをしただけ」として肯定的にすら見ていた。彼のそうした親としての姿は、その後のクレイトスの選択や行動にも大きな影響を与える事になっていった。
ソウルシリーズ
ソフィーティア・アレクサンドルに「邪剣ソウルエッジ」を破壊するよう、神託を出した。
BanG_Dream!
RAISE_A_SUILENのスタジオの所在する場所がHEPHAESTUS_TOWERという名前のタワーマンションである。メンバーの一人、チュチュの住所も兼ねる。
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