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パンドラ

ぱんどら

ギリシャ神話に登場する女性。またそれを由来とした名前。パンドーラー。
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曖昧さ回避

  1. ギリシャ神話に登場する女性。本項目に記載。
  2. 1が開けたとされる箱。→パンドラの箱
  3. 太宰治の小説。→パンドラの匣
  4. 望月淳の漫画作品。→パンドラハーツ
  5. 明智抄の漫画作品。
  6. 聖闘士星矢』の登場人物。→パンドラ(聖闘士星矢)
  7. ハーメルンのバイオリン弾き』の登場人物。
  8. セイント・ビースト』の登場人物。→神官パンドラ
  9. 絶対可憐チルドレン』に登場する組織名。→P.A.N.D.R.A
  10. ドラゴンクエスト』に登場するモンスター。→パンドラボックス
  11. ロックマンゼクス』の登場人物。→パンドラ(ロックマン)
  12. 遊戯王』の登場人物。敵側のブラックマジシャンの使い手。
  13. Wii専用RPGソフト。→パンドラの塔 君のもとへ帰るまで
  14. MIXIM☆11』の登場人物。→パンドラ(MIXIM☆11)
  15. 動画共用サイト。→パンドラTV
  16. ブレイズ・ユニオン』の登場人物、反乱軍のリーダー。→パンドラ(ブレイズ)
  17. ダンボール戦機』及び『ダンボール戦機W』に登場するLBX(ホビー用小型ロボットのこと)の名称。→パンドラ(LBX)
  18. 女神異聞録ペルソナ』のセベク編のラスボス
  19. オレカバトル』に登場する喋る宝箱。
  20. ウルトラマンタロウ』に登場したカンガルーの親怪獣。
  21. パズル&ドラゴンズ』に登場するキャラクター。→パンドラ(パズドラ)
  22. モンスターストライク』に登場するキャラクター。→パンドラ(モンスト)


『ギリシャ神話』

パンドラ(英Pandora)またはパンドーラー(古希: Πανδώρα、Pandōrā)とも表記される。ギリシャ神話に登場する女性。
ゼウス神々ヘパイストスに命じて土くれからプロデュースした神造人間で、名前の意味は『全て授けられた者』。

ἐν δ᾽ ἄρα οἱ στήθεσσι διάκτορος Ἀργειφόντης
ψεύδεά θ᾽ αἱμυλίους τε λόγους καὶ ἐπίκλοπον ἦθος
τεῦξε Διὸς βουλῇσι βαρυκτύπου· ἐν δ᾽ ἄρα φωνὴν
θῆκε θεῶν κῆρυξ, ὀνόμηνε δὲ τήνδε γυναῖκα
Πανδώρην, ὅτι πάντες Ὀλύμπια δώματ᾽ ἔχοντες
δῶρον ἐδώρησαν, πῆμ᾽ ἀνδράσιν ἀλφηστῇσιν.
(ついでに名に負うアルゴス殺し、神々の使者なる神
 雷を轟かすゼウスのみ旨のままに、乙女の胸に
 偽りと甘き言葉、それに不実の性を植えつける。
 神々の使者はさらに乙女に声を与え、
 その女をばパンドーレー〔「パンドーラー」の叙事詩語形〕と名づけたが、
 その故は、オリュンポスの館に住まう万〔パンテス〕の神々が、
 乙女に贈り物〔ドーロン〕を授けたからであったのじゃ)
(Ἡσίοδος, Έργα και ημέραι, 77-82)
※訳文は岩波文庫版の松平千秋先生の訳から。

パンドーラーは、別の伝承では、地下より人間へ恵みを与える豊穣の女神であったことが、いくつかの古い壺に描かれた絵から推測される(また「壺」とは一般に「箱」と訳されるパンドーラーの象徴である)。この女神は「アネーシドーラー(Ἀνησιδώρα)」とも呼ばれ、その意味は「(地下より)恵みを持ち上げる者」で、同じく豊穣の女神であるデーメーテールとも同一視された。ヘーシオドスの与えた語源解釈は、ギリシア人の愛好した通俗語源解釈に類するもので、明白な語呂合わせのこじつけと判断される(同様の例は旧約聖書など他の文化圏の産物にも見られる)。原語の解釈は、神々が女に「贈り物を与えた」からなのか、「贈り物として(人間に)与えた」からなのか、判然としない。いずれにせよ、無理の残る解釈と考えられる(ヘーシオドス『仕事と日』岩波文庫版、1986年、松平千秋訳、150ページ)。

男を骨抜きにする完全無欠のスキルと、この世の全ての厄ネタを収めた箱(もしくは甕)の蓋を開く役目を神々から与えられたとされる。プロメテウスから神の力であるを横流しされて栄える人類を危険視した神々から、プロメテウスの弟エピメテウスに贈られたギリシャ神話最高最古の女人にして究極の毒婦

ἤδη μὲν γὰρ κλῆρον ἐδασσάμεθ᾽, ἀλλὰ τὰ πολλὰ
ἁρπάζων ἐφόρεις, μέγα κυδαίνων βασιλῆας
δωροφάγους, οἳ τήνδε δίκην ἐθέλουσι δίκασσαι·
νήπιοι, οὐδὲ ἴσασιν ὅσῳ πλέον ἥμισυ παντός,
οὐδ᾽ ὅσον ἐν μαλάχῃ τε καὶ ἀσφοδέλῳ μέγ᾽ ὄνειαρ.
(以前我らは遺産を分けたが、お前はしきりと殿様方に取り入って、
 何かと余分にさらっていった――
 好んでかかる裁きを下し、賄賂を貪る殿様方にな。
 愚かなる輩じゃ、半分が全部よりどれほど多いかも知らず、
 ぜにあおいやアスポデロスに、いかに大きな福があるかもわかっておらぬ)
(Ἡσίοδος, Έργα και ημέραι, 38-42)
※訳文は同じく、岩波文庫版の松平千秋先生の訳から。

『仕事と日』においては、パンドーラーの甕の逸話はこの後に始まる。Martin Litchfield Westをはじめ、この繋がりには疑問が持たれている。『仕事と日』は労働の美徳を詩人が怠惰な弟ペルセースに説く内容であるため、論理としては「悪代官を篭絡して不正の利得を得ようとするのをやめて真面目に働け、正しい富は労働によってのみ得られる、人間が働かねばならぬのは……」と繋がることも予想される。
パンドーラーの逸話はヘーシオドスの別作品『神統記』にも登場するが、こちらは甕について触れられてはいない。いずれにせよゼウスがヘーパイストスに命じて「女」を造らせ死すべき人間どもへの災いとしたという点は共通している。しかし『仕事と日』ではパンドーラーという名が与えられ、彼女が甕を開いて悪を現世へ撒き散らしたということが強調されている。『仕事と日』では労働の由来と並び、女性が諸悪の根源であるという強調のため、元になった逸話が手直しされていると考えられる(ヘーシオドス『仕事と日』岩波文庫版、1986年、松平千秋訳、147-148ページ)。
ヘーシオドスのみならず、古代ギリシアは女性蔑視の世界だった。アリストファネスの喜劇『女の平和』は「女が男の議員を追い出して政治を行う」という「滑稽な状況」を描く笑い話だった。

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