概要
兵部京介をリーダーとする、超能力者によって構成された革命組織。
「普通人(ノーマル)の支配からエスパーを解放してエスパーだけの世界を作る」ことを理念としている。幹部は真木司郎、加納紅葉、藤浦葉の3人。巨大な客船「クイーン・オブ・カタストロフィ号」(未来にエスパーの導き手となる少女の別名として考案された名称をそのまま流用しているが、それは考案者である兵部が船に彼女の玉座という役割を持たせているため)を本拠とし世界各地に出没する。
物語のスタート当初は、虐げられているエスパーを保護する一方で、銀行強盗は勿論、危険なエネルギーの闇取引や電波ジャックによって普通人の反エスパー意識を煽る等、非合法どころかシャレにならないレベルの悪事・犯罪を劇中で散々行っていた。また、それらの行いは、何の罪もない普通人どころかエスパーの犠牲者すらも出していて、結果的にエスパーの排斥を唱える『普通の人々』の行動をより過激化させ、普通人とエスパーの共存を真面目に考えてきたB.A.B.E.Lの努力を台無しにする事もある為、平穏な暮らしを望む普通人やエスパーから見れば、傍迷惑な「悪の組織」以外の何ものでもなかった。
しかし、小学生篇の後半期に出現した世界中に影響力を持つ凶悪な犯罪組織『黒い幽霊』が出現するに至ってからは、多少ながらも組織の活動方針が変わりつつある。
ただし、黒い幽霊の刺客を潰す為だけに、大勢の普通人も同乗していた旅客機を「多少の犠牲」程度の感覚で爆破する等、同じエスパーへの仲間意識は強い反面、メンバーの殆どが基本的に普通人の命を軽く見ている為、客観的に見れば素直に賞賛出来ないのも事実である。
中学生篇以降は、裏工作によってロビエト連邦の国籍と外交官特権を取得した事で、表向き日本政府やB.A.B.E.LはP.A.N.D.R.Aに手を出せなくなっているが、逆に言えばP.A.N.D.R.Aの方も過激な破壊活動や犯罪活動等を迂闊には出来ない状態にもなっている。
また、黒い幽霊の強大な力には、P.A.N.D.R.Aの力だけでも対抗しきれない為、B.A.B.E.Lとは情報交換や表向きにはされないが、共闘する展開もある。
しかし、高校生篇に至っても実態的に非合法組織のままである為、年少メンバーは学生として何とかうまくやっているものの、既に大人メンバーの殆どは、社会に全く適応出来ていない(と言うより、しようともしない)ダメ人間の集まりとなりつつある(幹部格である葉に至っては、完全にニート状態で、まともに働こうとする意思自体が無い)。
これは、P.A.N.D.R.Aの保護下になっている将来のある子供達が、兵部と同じ思想に染まって今の社会に適応出来なくなってしまう危険性も含まれ、特に副官の真木にとっては頭痛の種となり、黒い幽霊のギリアムに漬け込まれてしまう隙を与えている。
この為、本人達はエスパーの理想郷を創ると嘯いているが、実際にそんな事が本当に出来るのかどうか、疑わしい部分がある。
そして高校生編の終盤では、遂に黒い幽霊の根回しによってロビエト政府との協力関係も一方的に打ち切られてしまい(外交官の役職についていたマッスルもクビにされた)、更にはリーダーの兵部が人工心臓の移植を行わなければならない程の瀕死の重傷を負う等、いよいよ進退の危うい状況となったが、B.A.B.E.Lから実質離反した明石薫が兵部の代理でリーダーに就任。黒い幽霊との最終決戦を迎える事になる。
構成員は幼少期に兵部に拾われた、あるいは京介の思想に賛同した人々で個性豊かな面々となっているため、『THE UNLIMITED 兵部京介』においてはアニメオリジナルキャラクターであるアンディ・ヒノミヤ、ユウギリ共に注目したい。
スピンオフアニメ『THE UNLIMITED 兵部京介』では京介と共に物語のメインとして語られる。
原作で主人公達の所属するB.A.B.E.L機関の裏で暗躍する闇として描かれている彼らが、アニメUNLIMITEDでは誰とどの様に物語を紡ぎ、本編へとリンクしていくのかが期待される。
メンバー
- 兵部京介(CV:遊佐浩二):P.A.N.D.R.Aのリーダー。史上最悪のエスパー犯罪者の異名をもつ複合能力者。超能力で遺伝子をコントロールしており、外見は青年だが実年齢は80歳超。気ままでイタズラ好きな性格の為、敵も味方もいいように振り回されている。
- 真木司郎(CV:落合弘治):兵部の片腕である合成能力者。中間管理職的存在。ボサボサの髪型が特徴だが、これは合成能力で精製した炭素を戦闘用の付け毛にしているだけで本来の髪型は爽やかなショートカット。
- 加納紅葉(CV:大原さやか):兵部に従うクールビューティな腹心。能力テレポート。実は中太りがストライクゾーンのデブ專(しかもストライクゾーンに入っていれば既婚者でもお構いなしという見境なし)。
- 藤浦葉(CV:羽多野渉):兵部の腹心で真木、紅葉の弟分。念動力ベースの合成能力者。
- 桃太郎(CV:釘宮理恵):マスコット的存在なユウギリの友達。エスパー改造されたモモンガで、何気に兵部とは年代が近い。能力はテレパス。
- 筑紫澪(CV:釘宮理恵):兵部を崇拝するツンデレ少女。能力はテレポートで、体の一部分だけをテレポートしたり、自分自身を分裂させることも可能。
- パティ・クルー(CV:小林沙苗):元「黒い幽霊」。プロポーション抜群の隠れ腐女子。テレポートベースの合成能力者で、自身を粒子化し、粒子の流れをコントロールできる(更に言うと名前自体も英語で粒子を意味する「パーティクル」が由来)。
- 玉置カズラ(CV:加藤英美里):幼馴染兼同期のカガリに恋する少女。テレポートベースの合成能力者。
- 火野カガリ(CV:入野自由):口より手が早い少年。念動力、発火能力、予知能力を持つ複合能力者。発火能力を持つため水中だと身体機能に支障が生じる。
- マッスル大鎌(CV:三宅健太):兵部を愛する筋肉質のオカマでハードゲイ。物質硬質化能力者。ファッションセンスをどうにかすれば十分過ぎるほどのイケメン。子供の頃、ファッションセンスのせいで執拗ないじめを受けるが、それをエスパー差別と誤解して組織入りした気の毒な人。意外と常識人。
- ヤマダ・コレミツ(CV:三宅健太):フランケンシュタインの様な大男で、精神感応能力者。元民間軍事会社社員で、作戦遂行中に怪我で声帯を損傷した上に能力も機能不全に陥り、途方に暮れていたところを兵部に拾われる。
- 九具津隆(CV:相馬幸人):元B.A.B.E.L。人形オタクの合成能力者。B.A.B.E.Lにいた頃から兵部に従っていた陰湿な男。裏切った動機は賢木への私怨(アニメオリジナルの設定であるが、後に原作にも私怨を抱くに至った経緯を変えて逆輸入された)。造形師として組織の財布を潤す役割を持つ。
- 黒巻節子(CV:渡辺明乃):元B.A.B.E.L。夢を操る合成能力者で、ものぐさ娘。腐女子の気があり、パティが腐女子化したのは大体こいつのせい。
THE UNLIMITED 兵部京介オリジナルキャラ
- アンディ・ヒノミヤ(CV:諏訪部順一):エスパー刑務所にて兵部にスカウトされる。実際は合衆国のスパイ。超能力不活性化能力者(アンチ・エスパー)。
- ユウギリ(CV:東山奈央):あどけなさの残る可憐な少女。精神感応能力者。その他にも何らかの能力を持つ。兵部を慕い行動を共にする。