「オッパイ吸わせてやるからよォ、イチモツしゃぶらせろ」
「誰に向かってフカしてんだコラァ。ワシが脚で負けるわけねえだろうが」
「許せねえなぁ、ズルばっかりしてよォ。何が気に入らねえってよォ、年上に対する“リスペクト”が無え」
「クソだらあがああ!!」
「よし殺す。テメエはグッバイ」
「怒られてる時はラーメンのことでも考えとけ」
「1拍で5拍子、ワシなら余裕だがよ」
「星子の大事なもんを、ほっとくわけにはいかねぇだろがい!!」
CV:田中真弓
概要
正能(しょうのう)市の廃トンネルに巣食う近代妖怪。時速100kmで走り追い付いた相手を呪う力を持っている。
口癖となっている「クソだらあ」をはじめ極めて口が悪く、「リスペクト」という英語を先に使っておきながら相手が同じ単語を使えば「日本語喋れや、クソだらあ」「英語使って老人騙そうって魂胆が見え見えだぜ」と宣うなどダブルスタンダードも平気で行う。
そして、何より常人にはとても逃げきれない脚の速さに相当な自信を持つ故に煽り耐性が低く、挑発されるとすぐ怒りを露わにする。
ちなみにオカルン曰くカナヅチらしい。
容姿
普段はぼさぼさの白い長髪に赤い肌と黄色く光るギョロ目という風体の小柄な老婆の姿(画像左)だが、顔面を巨大化させトンネルを塞いだり歯が剝き出しの蛇のような顔貌になったり(画像右)と体格は変幻自在。招き猫に憑依してからは作中屈指のマスコットキャラになりつつある。
性格
上述した通り、日常で罵詈雑言を頻繁に吐くほどの口汚さの持ち主。
基本人間への敵意が強く殺害に躊躇しない凶悪性を持つが、全国各地を巡って理不尽な死を遂げた少女達の霊を慰めたり野良猫を拾って自身の食料を分け与えるなど、虐げられた弱者に対しては非常に心優しい一面を持ち、最初は敵対していた桃やオカルン達に対しても何だかんだで世話を焼くなど、本質的にお人好しな性分と思われる。
上述の凶暴さにも、非業の少女達が眠る禁域を土足で荒らす傲慢な生者達の非礼に怒り、恐怖の制裁で戒めている側面がうかがえる。また、女性よりも男性に対して敵意を強く持っている節があり(呪いも直接的に作用するのは男性のみが該当している)、セルポ星人と言った人の生殖器を狙う宇宙人の股間を噛み千切ったり、桃が気絶した際には性暴力を受けてないかを確認したと思われる行動を取ったこともある。
強力な妖怪でありながら意外とノリも良く、桃達と悪ふざけをしたり、オカルンの金玉を使った野球やラグビーなどを行うなど、気さくな一面もある他、仮にも老人だからか、金八先生やスクール☆ウォーズなども知っている(金玉でラグビーをやる際にはスクール☆ウォーズの主題歌であるヒーローを歌っていた)。
長年妖怪やっているおかげで他の怪異にも詳しく(ただ、比較的若い妖怪であるアクロバティックさらさらに関しては「三下のルーキーは眼中にねえのよ」とあまり知らなかった)、同時に近代妖怪であるため学校や電車等の近現代的施設の仕組みにも造詣があり、パクったスマホもちゃっかり使いこなす。吸血鬼にも出会った事がある模様。
モモやオカルンとはあくまで力を取り戻すための利害一致による関係ではあるが、物語が進むにつれて、時にオカルンに力の使い方をレクチャーしたり、増えていく仲間と漫才を繰り広げたりするうち、面倒見の良いところも徐々に垣間見せるようになっていく。桃とは日々レベルの低い喧嘩を繰り返しているが、煽り耐性が極めて低いために桃に挑発されては激怒しているが、何度か桃を論破して言い負かしては歓喜の雄叫びを上げている。
綾瀬家では割と自由な暮らしを満喫しておりテレビを見てオムレツを食べたくなって出掛けたり10円貯金や星子からおつまみを貰うなどして過ごしている。同じ老人同士ということもあり星子と仲が良く、互いに軽口を叩き合いながらも共に買い物に出掛けることも多く、星子もターボババアが食べたがっていたオムレツを作ったり、ターボババアが世話をしていた子猫の餌を買うなど、不思議な絆で結ばれたような関係となっている。また、星子の大事なものであるという理由から桃を命懸けで助けようとしたこともある。
過去の詳細は不明だが、登場する妖怪の例に漏れず生前は人間だったようで、瀕死の捨て猫にミルクを与えながら「あきらめるんじゃねえぜ、おめぇはまだ生きてんだからよ」という言葉を残していることからも無念の死を遂げたことを示唆している(上述の性格から男女関係に関連する過去を持つ可能性がある)。
なお、単行本のおまけ及びアニメED『TAIDADA』では招き猫の姿で登場し、ドレッサーでポーズを決めながらドヤ顔を決めたり、ノラの子猫を拾い世話をする。
さらにはイヤホンを装着し音楽を聴き子猫と一緒にノリノリになったり、オムレツを作る(失敗してるが)など、コミカルで意外な一面が見られるので必見である。
本編での動向
妖怪や幽霊の存在を信じないオカルンが訪れた廃トンネルに音もなくいきなり出現。
オカルンは彼女に敗北した(と言うより恐怖のあまり逃げ出してしまったのを追いつかれた)ことで呪われ、取り憑かれイチモツを奪われてしまった。後述のように取り憑いた相手の姿を変えるほど強大な呪いを振り撒けるが、同時期にセルポ星人に拉致された際に超能力に覚醒した綾瀬桃の手によって(ターボババアにその気が無い内は)オカルンは人としての姿を保つことができている。
更に廃トンネル内にいた地縛霊達と合体し、強力な霊媒師である星子ですらトンネルに近づくことさえ叶わない程の強大かつ危険な存在へと変貌を遂げている。
そこでオカルンのイチモツを取り戻すために星子から「ターボババアを正能市外に誘き出し、力が弱まった所で退治する」と言う作戦のもと各々が鍛えて準備を整えようとするが、ターボババアはオカルンを介して「今夜トンネルに来い。じゃなきゃこのガキ使ってそこら辺の奴ら全員呪い殺す」と桃に脅迫。準備が不十分のまま向かうことになる。
そして、トンネル内で前後に巨大な顔を作り出し食い殺そうとするという初見殺し(しかもイチモツを返すことでオカルンの変身も無力化している)を繰り出すが、星子のアドバイスを思い出した桃に「脚で負けるのが怖ぇのかよ」「ターボならターボらしく脚の速さで勝負してみろや」と煽られた事で鬼ごっこに乗る。
しかし桃と取り決めた10分の待ち時間を「ルールを守らない奴は嫌いだ」と言いつつ、「数え方は言われてない」という暴論で1カウントで何分も飛ばすという数え方で踏み倒したうえで桃を拘束。続けてオカルンも飲み込もうとするも、咄嗟に「オッパイ吸わせろおお!」と叫んで飛びついたオカルンに乳房に思い切り噛みつかれてしまう。
オカルンが着ていた魔除け装束の効果で振り解こうにも力が入らず、仕方なく再度彼に取り憑き装束を破り捨てさせるも、体内に入って縮んだ所を桃の念動に捕えられ、直後に助けに現れた地縛霊に二人の抹殺を命じた。
巨大蟹に変身した地縛霊の追撃に併せ近辺の墓地からも霊達を動員し、地縛霊+霊が取り憑いた無数の人間で2人を追い詰め、更に自身も地縛霊と合体し食い殺そうとするが、時速120kmで走る電車を念動で掴み包囲を突破した桃に「遅えぞこのノロマ!」と挑発される。
凄まじい殺意と執念深さでカーブ時の減速という隙を突いて後部車両に追い縋るも、そこで架線を切断して電車を止める等の確実策を取らなかったため、遂に神越市内まで誘き出されてしまう。
星子が大量の護符を貼り付けた架線柱の結界を潜り、焼きガニになった所を桃の念動に押さえ込まれ逃げることもできず、「クソブタドグサレ野郎があ!!」と罵詈雑言を吐き散らしながら炎上し消滅。合体していた地縛霊も元の少女達の姿に戻り、安らかな笑顔を浮かべ消えていった。
実はターボババアが縄張りとしていた廃トンネルは連続少女殺人事件の現場であり、乱暴されバラバラにされて殺された少女達が地縛霊となっていた。
星子曰く、ターボババアが必ず現れるのは理不尽な死を遂げた少女の霊がいた場所であり、地縛霊となった少女たちを慰めて回っていたかもしれないとのこと。
「放せクソだらあ!!てめぇら3人共ブチ殺したらァ!!」
「誰がてめぇら若造ごときにやられるかよ。年上ナメんじゃねぇぜ」
「負けてねぇわぁ!!ワシが負けるわけねぇだろボケがぁ!!」
…だがターボババア自身はまだ消滅していなかった。
実は焼き尽くされる前にオカルンの体内に潜んで命辛々生き延び、霊力が回復したら復讐しようと企んでいた。
しかし、「タマ」の紛失に気付いたオカルンを星子が再除霊の為ハリセンで引っ叩いた拍子に、厄移しの形代として用意された招き猫の置き物に意識だけ乗り移った状態で表に引きずり出される。
そうとは知らず、ここでも往生際悪く負けを認めず、オカルンに対し「自分が死ねば、タマは永久に元に戻らない」「主導権は自分にしかない」と反抗的な態度を取り星子と桃の殺害を促すが、その傲慢さに怒ったオカルンが変身したのを見てようやく自らが無力な存在になったのを思い知らされ形勢逆転。一気に弱気になり汗ダラダラになりながら星子のハリセンで滅多撃ちにされる羽目に合うも、桃は「地縛霊の少女たちを想う気持ちは同じ」として、力を返す代わりに失くしたオカルンの「タマ」を返却する事を条件にしぶしぶ協力関係を結ぶことになった。
その後は物理的には無力なマスコットのような立ち位置に落ち着いたが、ふてぶてしい態度なのは相変わらず。
しかし単なるマスコット要員に留まらず、幸運を招く能力でサポートしたりオカルンを鍛えるため音楽室の怪異と戦わせたりと要所要所できちんと活躍している。
ちなみに招き猫に憑依後は物を食べることも可能であり、意外と舌が肥えている。
そして、165話では遂にオカルンが両方の金玉を取り戻したことで、約束通りに霊力を返還され、力を取り戻すと一言「あばよ」という別れの言葉を残して綾瀬家を後にした。また、この際には元の姿には戻らずに招き猫の姿で出て行った。
能力
時速100キロで走る能力
「ワシは常に100キロで走れる!!ワシは最速のババアだからな!!」
100キロババアとしても知られる、ターボババアを象徴する能力。
単なる速度だけで言えば乗り物が発達した昨今では特別速いとも言えないが(最高速度では電車に劣り、比較対照が電気ではあったがオカルンも「100キロって遅くない?」と発言したこともある)、その真骨頂は「どんな場所でも」あらゆる条件を無視してトップスピード100キロを発生させられる点にある。
言うなれば「ターボババアは100キロで走る」という概念を能力として備えているようなものであり、不安定な壁面から電線まであらゆる条件下で高速移動が可能。
それとは別に、オカルンに初めて取り憑いた際はスマートフォンの画面を介し通話相手の場所まで瞬間移動するといった力も見せた。
呪い
「心臓発作か脳梗塞か、死因を選ばせてやるってんだよ」
「ワシの呪いは感染する。このガキを媒介してな。ガキが見た人間は全員呪い殺せるのさ」
広く知られる近代怪異として、とてつもない霊力を持つ。
取り憑いた相手に肉塊を纏わせターボババアとして顕現できる。これは桃の超能力で抑えることが可能で、制御下に置いたまま意図的に力を解放したものがオカルンのターボババアモードになる。
また、取り憑いた相手を媒介してなお見た者すべてを呪い殺せると豪語し、心臓発作や脳梗塞など死因を選ぶ選択肢さえ有する余裕を見せていた。星子すらこの呪いには抗えず、まるで時間でも止めたかのように自覚さえ与えぬまま動きを拘束していた。
幸運を招く能力
「招き猫ってのはよォ、何か良い事を招いてくれる能力らしい」
「その偶然はよ。ワシがいる事によって必然になる」
招き猫の置物に憑依した後に得た能力。そのため、本来のターボババアの能力ではない。
詳細は不明だがババアがその場にいるだけで一定の効果を発揮し、本来なら偶然起きる幸運な出来事を必然的に引き起こす。
余談
ターボババアを演じた田中真弓は、幅広い作品で活躍されている大御所声優なのだが、ターボババアの最初のセリフが、まさかの下ネタ発言だった為、「大御所声優に下ネタ言わせるアニメ」と話題になった。また、同話にて登場したセルポ星人を演じる中井和哉は、田中が主人公・ルフィを演じる『ONEPIECE』にて、ゾロを演じたため、「麦わらの一味からの刺客」ともネタにされた。
なお、当の田中は原作のファンで「演じるならターボババアが良い」と言っていたほどであり、アフレコ時にはアレンジしたグッズのパーカーを着ていたとのこと。