完璧超人始祖編(アニメ)
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あにめばんぱーふぇくとおりじんへん
本記事では2024年7月放送のアニメ版「完璧超人始祖編」について解説する。
さあ、伝説の続きを始めよう──。
『キン肉マンアニメ化40周年』を記念して2023年に制作が発表された。
当初は『キン肉マン』のタイトルのみで完全リメイクか新作か不明だったが同年9月末に「完璧超人始祖編」であることが判明。
2024年7月から、TBS系列「アガルアニメ」枠、BS11、アニマックスで放送されているほか、Netflixでの全世界独占配信も実施されている。
第2クールにあたるSeason 2は2025年1月12日から開始予定。
Season 1はキャラクターブック『生誕29周年 肉萬 ~キン肉マン 萬之書~』に収録された「キン肉マン結婚式の巻!!」を元にキン肉マン(とその仲間達)の足跡を駆け足で辿るダイジェスト形式で構成されたプレストーリーである「第0話」から話数が始まる。
(第0話を含め)全12話で、第1クールは第1陣とキン肉マン+悪魔超人との戦い、そして第2陣襲来+アイドル超人達の復活までが描かれる。おそらく何クールにも分かれると思われる。
話数 | サブタイトル | WEB予告 | 原作話 | アイキャッチ(前半/後半) |
---|---|---|---|---|
0 | キン肉マンよ永遠(とわ)に……そして | キン肉マン/キン肉ドライバー(VSザ・ホークマン) | ||
1 | 新たな歴史の幕開け‼ | リンク | 1話〜3話 | テリーマン/カーフ・ブランディング(VSキング・ザ・100トン) |
2 | 恐怖の完裂地獄‼ | リンク | 4話〜5話 | アレキサンドリア・ミート/バックドロップ(VSミキサー大帝) |
3 | 執念のテキサスブロンコ‼ | リンク | 6話〜9話中盤 | マックス・ラジアル/ビッグ・ラジアル・インパクト(VSビッグ・ボンバーズ) |
4 | 強襲!悪魔超人軍‼ | リンク | 9話〜12話 | ステカセキング/地獄のシンフォニー(VSウォーズマン) |
5 | 悪魔超人の誇り‼ | リンク | 13話〜15話 | クラッシュマン/アイアングローブ(VSジェロニモ) |
6 | 策略の四次元空間‼ | リンク | 16話〜18話 | ダルメシマン/マッドドッグ・トゥース(VSジェロニモ) |
7 | 衝突!超人たちのイデオロギー‼ | リンク | 19話〜21話 | マーリンマン/スピア・フィッシング(VSアトランティス) |
8 | 最初で最後の必殺技(フェイバリット)‼ | リンク | 22話〜24話 | アトランティス/水芸セントヘレンズ大噴火 (VSキン肉マン) |
9 | 学べなかった心‼ | リンク | 25話〜27話 | ピークア・ブー/キン肉バスター(VSキン肉マン) |
10 | 魔雲天!悪魔の意地‼ | リンク | 28話〜30話 | ザ・魔雲天/マウンテンドロップ (VSテリーマン) |
11 | 新たなる無量大数軍‼ | リンク | 31話〜33話 | バッファローマン/ハリケーンミキサー(VSウォーズマン) |
全体を通して
- 原作にてやや不自然なシーンなどには細かい修正が入っている。
- アニメ故にテンポ感が良くなるよう・時間枠に収まるように一部のシーンがカットされている。一方でアトランティスとマーリンマン戦のフィニッシュのように、盛られている・追加されているシーンもある。
- 旧作アニメおよび原作未読の視聴者に配慮してか、過去の戦いなどの回想シーンやプロレスの選手紹介風の煽りVが追加され、これから戦う超人達の特徴を短くもわかりやすくまとめてくれている。またアニメ故に入るCMのアイキャッチでも超人や彼らの使う技紹介を入れてくれている。
- ブロッケンJr.のコスチューム(特に色は原作では緑色だったが、今回のアニメでは紺色または黒色となっている)。
- なお2019年に発表された40周年記念ストップムービーでは緑色だった。
- 時系列は冷戦が終結した頃(1980年代後期)だが、近代寄りで高層ビルや2000年以降に製造された車が出ており、東京ドームのスコアボードがBSO表記だったり当たり前のようにスマホが使われている事から現在を匂わせる時代背景となっている。
- なお、そもそも時代設定そのものが明記されていない(冷戦以外にも東ドイツなど割と扱いづらい言葉も多いので致し方なしか)。ついでに原作の時点ですでにノックがタブレット端末らしきものを使用していた。
- またスプリングマンなど登場人物たちの台詞の内、時代を感じさせるものや以前の戦いから何年経ったかが推測できるようなものは変更されている。
- 「超人オリンピック」が「超人ワールドカップ」に変更。
- これにはちゃんとした理由があり「オリンピック」という名称は商標登録されており、スポンサー企業以外が商業利用として使う事が出来ないため。
第0話の回想における相違点
- ラーメンマンVSブロッケンマン戦において制作陣が残虐描写への自主規制として考慮し、彼の死亡シーンは旧作アニメではラーメンマンの手でブロッケンマンがラーメンにされ食べられるだったが本作では原作通りキャメルクラッチで胴体を真っ二つに分断され死亡する描写となった(代わりに死亡シーンで映像は若干ぼかしている配慮がなされた)。
- 怪獣退治編のシーンでお金を持って来た子供に対するテリーマンの外道行為がお金を手で払いのける描写に変化。
- バラクーダがウォーズマンVSラーメンマン戦にて頭部の変装を解いている。
- 7人の悪魔超人が登場当初から正規メンバーである(したがって、あの超人などは登場しないが、バッファローマンには初期同様顎鬚がある)。
- ステカセキングとブラックホールが持つミートのパーツが入れ替わっている。
- 悪魔六騎士が宣戦布告直後に正体を現した(プラネットマンの体型も初期のものではなく新シリーズのビジュアルになっている)。
- ネプチューンキングの1000人の弟子の中にグレートハリケーン、フィッシングマン、キャッチマンが存在している。
- キン肉マンがスーパーフェニックスを倒した後に「長かった戦いよ、さらば…」と呟く。
- キン肉マンが王位を継いだ際の神々の中にフードを被った神がいる。
第1話
- 三属性超人不可侵条約締結式での中継レポーターの説明がカットされた。
- 自身の名が後世に残される事に喜び咽び泣く委員長にノックがズッコケず、呆れたような目で見ている。
- ザ・フィッシャーズの姿が見えない。
- ティーパックカフェに行列が出来ている。
- 無量大数軍が襲来した時、「なんなの奴らは〜っ」と怯えていた女性の存在がカットされた。子供達も名前はなく正義超人達に避難させられるのみ。
- 着地してから発言する武道。
- アパッチのおたけびを放とうとするジェロニモの喉を潰す武道(原作ではモロに顔面ストレートであった)。
- 無量大数軍にやられ、縛られているネプチューンマンのイメージ図がない。
- 怒るテリーマンを止めるのが原作ではチエノ輪マンとカレクックだったが、カレクックからオイルマンになっている。
- マックス・ラジアルのビッグラジアル・インパクトを食らうスペシャルマンの向きが逆。
- 人間にされたカレクックが仰向けで股間をカレーで隠している。
第2話
- 翔野ナツコの存在が全カット(原作でもこれ以降出番が無かったためか)。
- 喋るポーラマン(告知がなかったので何気にサプライズ)
- 武道の諫言に笑顔で言葉を返すダルメシマン。
- マックス・ラジアルの特徴を冷静に分析し、内側から攻めるようテリーマンにアドバイスを送るミート(まぁ仲間達がやられてブチギレていたためかアドバイスガン無視でゴングが鳴る前に攻撃する訳だが)
- 牛丼屋にいたコートの客の正体に気付く牛丼屋の店主。
- いち早くメディカル・サスペンションの解けたバッファローマンのくだりがカット
- マックス・ラジアルの右タイヤを肘の連打で破壊するテリー(原作では骨まで露出しており、その骨でタイヤを削り割ったが流石にグロすぎた模様)。
第3話
- キン肉マンがビビった時に尿失禁したり脱糞したりしない(いくら深夜11時半からの放送と言えど下品な表現はアウトだったか)。それに伴い、ミートくんがキン肉マンと再会した際のセリフである「替えのパンツもしっかり用意してますからね」もカットされている。
- マーリンマンと武道の待つイギリスとアメリカが夜中で、日本との時差がちゃんと反映されている。
- 相撲の試合の最中だったのにいきなりピークア・ブーがリングごと出てきて吹き飛ばされる両国国技館の力士達。
- テリーマンに「休んでりゃいいんだよ!」と言っていたのが魔雲天だと判明。また、突き飛ばしてそのまま入るのではなく一旦見下ろした後に入って行く。
第4話
- 悪魔超人軍+キン肉マンがデュエルピットに入った際のアナウンサーのセリフがカット
- ステカセキング出現の直後にチャイコフスキー云々のセリフが組み込まれている。
- ついさっき終わったばかりのラジアル戦で食らった傷がもう治りかけているテリーマン。万全の状態における超人の回復力の高さを描写しているという事なのだろうか?
- バッファローマンの「日本にこんな屋根付き球場ができていたとはな!!」というセリフが上記の時代設定の曖昧化により「オレが眠っている間に派手にやっていたようだな!!」というセリフに改変。
- バッファローマンを見て逃げるアデランスの中野さんのヅラが取れる。
- ステカセキングの煽りVでベンキマンとスカイマンに変身している(この2人は旧作でステカセキングを演じた二又一成が担当されているためそれ繋がりか)。
- ターボメンの「CD全盛の時代にカセットテープは古すぎやしないか?」という畜生発言がカット。これも時代設定の曖昧化によるものと思われる。
- ステカセキングの過去のミスがわざわざ映像化。これにより旧アニメでは見られなかったステカセ戦でのキン肉バスターによる決着が映像で初めて描かれた。
- ターボメンのターボチャージャーがパワーを貯める際目が赤く点滅して分かりやすくなっている。
- ステカセキングが超人大全集をセットして変身した時、その元となった超人に声を寄せている(実際インタビューにて柿原徹也はこれについて「大変だった」、「キャラ5人演じたんだからギャラ5倍くれ」と冗談めかしつつも発言している)。
第5話
- 完璧超人の「1度でも負けた場合は自害しなければならない」という掟に対し「負けることから逃げているだけ」と痛烈に批判するステカセキング
- ステカセキングが死ぬ直前にウォーズマンのカセットを選んだ理由がカット(尺の都合上とこの後ターボメンとウォーズマンが絡まない為か)。
- カーメンの手でミイラにされた野犬が登場しない。
- 荒ぶる悪魔のポーズがカット(一応飛んだ際それっぽいポーズは一瞬だが取っている)。
第6話
- ブラックホールがダルメシマンに仕掛けた投げ技がジャパニーズレッグロールクラッチからジャーマンスープスレックスに変更。
- 原作では人の一京倍とされていたダルメシマンの嗅覚が犬の一億倍に変更。
- 唾液分泌シールドで影を消す事が出来た理由として「手術室の無影灯と同じ効果」がある事をテリーマンが解説。
- ブラックホールの内部にあるブラックホールの輪郭が最新版のオレンジ色。
- 四次元空間の中に入ると度々ノイズがかったようにガビガビになる。
第7話
- ダルメシマンの斬首シーンが断面などは見せないようマイルドになった。
- アトランティスミストを飛んだ際の風圧で掻き消すマーリンマン。
- アトランティスのウィークポイントを鍛えるのにスプリングマン、カーメン、ステカセも参加。
- ロビンマスク戦の回想が原作よりも大幅に追加されている。
- 前述の通りイギリスは日本との時差が存在する。試合を見守る群衆の中でただ1人アトランティスを応援したポール少年は、保護者同伴だったとはいえ夜中に出歩いていたことになる。
- と思いきや原作にはなかったシーンが追加されており、4話でテリーがマックス・ラジアルに勝利したのは日本の14時頃であったと判明。時差と試合時間を考えるとイギリスは朝6時頃であり、8話の決着時の演出と合わせ、夜明け直前の早朝だったと考えれば散歩などで出歩いていてもおかしく無かったと判明。
第8話
- アトランティスがタワーブリッジをかけ浮上した時、跳ね橋が上がり朝焼けの太陽が登るというかなり胸熱な展開となった。
- 苦戦するキン肉マンに全く興味を持たず伸びをするスプリングマンがカット。
- 旧アニメでは名称変更がされた「超人絞殺刑」が原作通りのまま使用された。
第9話
- ピークア・ブーのキン肉バスターについて自身の解説をバッファローマンがカット(旧アニメで6を9にするという説明がなかったためか)。
- ピークア・ブーの一人称が最初から「オレ」。
- 多くの観客が風林火山を初めて見るというセリフがカット、同じく中野さんは見たことがあるというセリフもカット(旧アニメでは頻繁に使われていた技であることと、ハワイで見たことがあるのはそっくりさんのカズ・ナカーノ氏であるためか)
- 武道の「太古の昔」発言にシンプルに「何を言っとるんじゃ?」と首を傾げるキン肉マン。
- 公開されたティザーPVでは無量大数軍の襲来が描かれており、ストーリーは無量大数軍との戦いからしっかりと描かれていく事が確定した。
- 作者のゆでたまごによる生の収録現場の視察によると、2023年9月末の時点でアトランティスvsマーリンマン戦までは制作されている模様。
- キャストについては新たにキン肉マンを宮野真守が担当。初代でキン肉マンを演じていた神谷明がキン肉真弓とプリンス・カメハメのWキャストとなった。更に「キン肉マンⅡ世」で二代目のキン肉マンを演じた古川登志夫もハラボテ・マッスル役で出演している。なお、キャスティングは本作でも青二プロダクションが担当している。
- また、一部超人達の名称(リキシマン→ウルフマン、ザ・ベンキーマン→ベンキマン)やデザインも変更されており、ステカセキングとベンキマンも原作準拠のデザインになっているが、上記のようにブロッケンJrは服装が一新されており、ナチス要素が極限まで薄められた。
- 「キン肉マン」のアニメではレギュラーであったナチグロンが今作でも出るかは不明である。
- 制作会社が過去に同シリーズを幾つか制作した東映アニメーションではない(始祖編アニメの製作委員会には名を連ねている)点については過去作の視聴者からは違和感があるかのような反応もしばしば(2022年以降に発売した「キン肉マングミ」のパッケージには「©東映アニメーション」と記述してある)。
- 放送局に関しても、これまでの2シリーズの放送を行ってきた日本テレビ系列局(ほか)(ただしキン肉星王位争奪編については放送しなかった放送局もある)に代わり、TBS系列局が請け負っている。なお、TBS系列局でも、北陸放送が第1期を放送したことがある(ただし途中で放送を止めてしまったが)。
- 「王位争奪編」から33年ぶり、「二世」を含めると18年ぶりのアニメ新作であり空白期間は大分あったが視聴率は2.0%台と深夜アニメとしては好調な部類。朝~夕方放送のジャンプ原作アニメの「ONEPIECE」「僕のヒーローアカデミア」の同時期の視聴率が1~2%台だということを踏まえると未だに根強いファンが多くいることがうかがえる。
2.5次元の誘惑:この作品もまたADKエモーションズとポニーキャニオンが製作関与された同時期のジャンプ系作品繋がり。→キンにご
しかのこのこのここしたんたん:本作の裏番組。→しか肉マン
転生貴族、鑑定スキルで成り上がる(第1期、2024年春)→本作(第1期、2024年夏)→転生貴族、鑑定スキルで成り上がる(第2期、2024年秋)→本作(第2期、2025年冬)→戦隊大失格(第2期、2025年春)