概要
進行中のプロジェクト、主に漫画や小説の連載、アニメやドラマなどTV番組の放送が、何らかの事情で本来予定されていた期間より前に終了してしまう状態。
本記事では、pixivにおいて投稿数が多いという理由から、日本の漫画やアニメの打ち切りを中心に解説する。
打ち切りは作品だけではなく、作者や編集者、企画担当者、制作スタッフなど作品の制作に関わった人たち、そして熱烈なファンにとってある意味バッドエンドの一つと言え、また打ち切りに至った経緯や本人たちの思い入れの深さによっては相当なトラウマを残す、裏切り行為だと感じるような事態になりかねない。
元より長い創作の歴史においても、読者が納得する形で、なおかつ作者の望み通りに「円満な完結」を迎えることのできた作品は極めて少なく、かつて一世を風靡する程の人気が出た作品であろうと例外ではない。
同人誌など非商業作品を含めれば尚更であり、評判やクオリティが高くとも、ある日ぷっつり更新が途絶えてそのまま消滅する事態もザラである。
また、続編ありきで中途半端または含みのある終わり方にした結果、人気や期待を得られかったり、他の問題が発生するなどで、その続編自体が白紙になってしまったパターンも多い。
基本ストーリーが連載式であるソーシャルゲームなども、複数事情が重なってサービス終了→ストーリーも完結しないまま打ち切りというケースは少なくなく、中には正式リリース前に開発打ち切りの事態さえある。
原因
打ち切りが決まる原因は「作品の人気低迷(売上や視聴率、反響が少ないこと)」が大多数とされるが、中には人気作にもかかわらず、制作側の都合(例えば作者や権利者と版元・放映元の間のトラブルや、出版社・制作会社の経営状況悪化など)で打ち切りまたは絶版になることも度々起こっている。
版元や放映元では継続の意思があったが、作者や制作の主要スタッフの個人的な事情(長期の体調不良、死去、失踪など)や不祥事からやむを得ず打ち切り扱いとなる場合もある。
また個人創作から商業化したり、アニメ化などメディアミックスが成功して人気が出たりしたことで、心境や制作環境の変化からそれまでと同じように続けられなくなり辞めてしまう作者もいる。
突然打ち切りが決まった作品では綺麗にストーリーがまとまりきらず、重要な展開への布石となるような要素を残したまま終了することも少なくない(※単なるミスリードや、作者が意図的に謎のまま残している、続編や次回作への伏線にしているようなことも)。このため、謎を解決しきらないまま無理やり畳んだようなエンディングのことを「打ち切りエンド」と呼ぶ場合がある。
また、作者本人が特にまとめることないまま伏線を放り投げて大団円にした場合、「打ち切られた」のではなく、自ら「打ち切った」というべきという意見もある。
漫画や小説だと、(早い段階で)単行本化が決まった場合は、収録分を増やすため少し長く連載されることがあるほか、それまでの未発表作・未収録作をまとめたり、大幅な加筆(単行本のみの追加エピソードなども)をしたりすることでボリュームを足すことも多い。単行本が出るギリギリの期間での打ち切りと、最初から掲載期間が決まっている短期集中連載との区別がここでできる場合もある。
週刊漫画誌のうち『週刊少年ジャンプ』は短期打ち切り作品でもジャンプコミックスとして単行本が出る場合が多いが、これは『コマンダー0』の件が大きいとされる(※かつてジャンプでは、短期で打ち切りとなった作品の単行本は売上が期待できないことから子会社の創美社からの出版という扱いであり、『コマンダー0』も同様であったが、本作の単行本の売れ行きが好調であったことから、打ち切り作品も集英社からの出版に変わっている)。実際にその後の作品でも「アンケート人気が低く早々に打ち切りになったが、単行本の売上や次回作の評価が高かったので注目されるようになった」という事例は多い。
一方、『週刊少年チャンピオン』などでは、「人気自体はある程度あっても単行本が出ない」、「1巻は出たけど続刊は出ない」といったケースが多い。
なお、前々から作者が終了の予定時期を公言していたもの(※「○○号で終了」という細かい予定ではなく「今年中に終了」や「次が最終章で○○年以内に完結する」などの大まかな目標)や、読者や視聴者からは打ち切りに見えるタイミングであっても内部では連載回数が決められていた場合など、計画されていた完結は打ち切り扱いされない。
また打ち切りではない、もしくは早い段階で打ち切りが作者に告知されており、中でも長期連載で連載誌の、ひいては出版社の売上に大きく貢献した作品は「最終回まであと○回」のように事前に予告されることが多い。
アニメやドラマ、映画など個人制作でない映像作品の場合、放映を行う放送局や配給会社や、広告を出すスポンサーなど、直接製作に携わらない側の事情も大きく関係してくる。スポンサーが撤退した、(日本ではそう多くないが)製作国・公開国の政治情勢などの理由で放送・公開打ち切りになる作品は少なくない。
基本的に一人から数名で制作を行う漫画や小説に対し、映像作品は出演者・スタッフの数が多く、またそれぞれが複数作品に関係してくるため、急な降板や不祥事の影響は大きい。
また、特にテレビやラジオは公共性の高いメディアであることから規制が厳しく、BPO(放送倫理機構)の意見が影響して打ち切りになるような番組もあり、それ以外も含め不人気以外の理由での打ち切りのリスクは高いといえる。
具体例など
漫画作品
- 読者人気が低かった、売上が悪かった
- 週間・月間連載の少年漫画ではよくあるものであるが、中でも『週刊少年ジャンプ』は読者アンケート(ハガキ)が掲載作品の継続を決める大きな基準の一つとなっており、このアンケートの評価が芳しくなければ打ち切りになることが多い。
- 打ち切られる連載期間は、単行本化などの関係から週刊誌だと17週前後(2〜3巻分)が一つの基準となるようである。月刊誌だとページ数も多いため10ヶ月前後となっている。最短だと10週(1巻分)となるが、ネット上ではある作品にちなんで「つきぬけ」と呼ばれる。ちなみにジャンプの最短記録は9週打ち切りであり、過去に「大相撲刑事」などがある。
- 月刊誌は単行本刊行前の人気よりも、1巻の売上を加味して打ち切りが決まると見られており、最速だと第1巻発売の3週間後くらいに打ち切り宣告がなされる(『死神見習!オツカレちゃん』『銭湯の女神さま』『有限世界のアインソフ』など)。
- また隔週刊誌である『ヤングアニマル』もアンケート重視でアンケートが悪いと1巻発売前に打ち切りが決まり、単行本は1巻のみとなるようだ(『ギャルごはん全10巻全68話』の後書きにて、アンケートが取れなかったら5話で終了予定だったとの事)。
- (特にジャンプは)アンケート至上主義とも言われており、実際に単行本は1巻当り30万部も売れていたのにアンケートが悪くて打ち切られたケースがあったが、近年では単行本の売上やインターネット上の反響を鑑みて、連載継続や系列誌への移籍、次回作の早期決定など作者に良い形で対応が行われることも多い。
- ノルマン効果など、特別人気ではないが他作品が不人気だったので延命されたり、打ち切り候補に上がった段階で人気作や新作の企画が詰まっていたので早期に打ち切りになったりするケースもある。
- 短期打ち切りが続いて雑誌を離れる・廃業することも少なくないが、あくまで「その作品の人気が出なかった」「作者のカラーが雑誌と合わなかった」だけで、次回作が大ヒットする、他誌に移籍して売れっ子になることはある。例えば累計発行部数1億部超えした大ヒット漫画である『BLEACH』や『僕のヒーローアカデミア』も前作は短期打ち切りだった。ヒット作から短期打ち切りを乗り越え、再びヒット作を生み出した椎名高志のような例もある。
- 作者などがオーバーワーク、ネタ切れ、体調不良、家庭の事情等で執筆ペースが上がらない。
- 体調不良や家庭の事情で連載終了になった作品としては『プレイボール』や『風魔の小次郎』など。ただし『MAJOR2nd』など長期休載が続いた結果隔週連載に移行を余儀無くされた作品も存在する。
- 休筆扱いのまま雑誌の掲載枠が埋まって事実上の打ち切りになることも(『NANA』など)。
- 原作・作画者などの死亡もこれに該当するが、アシスタント経験者などが作品を引き継ぐケースもある(『ゴルゴ13』『クレヨンしんちゃん』『ベルセルク』など)。
- 他作品の執筆や漫画以外の活動等オーバーワークでスケジュールが崩壊し、締め切りに間に合わず、掲載できなくなる件も少なくない。打ち切り前に余裕のある月刊誌や隔月刊誌に移籍したり、元々完結が近ければ一旦終わらせてから単行本で加筆したりする形で対応されることも。
- 実績があるベテラン漫画家は「一年間に10週掲載(月一連載 )」「不定期連載」などの特殊な掲載方式が認められる場合がある。
- 作者のモチベーションの低下や心境の変化(『X(漫画)』、『やじきた学園道中記』、『天地を喰らう』など)。
- 作者の不祥事
- 掲載した作品の内容が何らかの問題が発生し、社会問題になる。
- 掲載誌の休刊・廃刊及び出版社の倒産。
- 編集部および出版社やスポンサーの不手際、勝手な都合
- 抗議や圧力を恐れて自主規制的に打ち切る(『境界のないセカイ』『君に愛されて痛かった』など)。
- 担当編集者や出版社の独断、個人的な好き嫌い
- 作者と編集サイドの確執、軋轢によるもの
- 系列誌への移籍、出版社そのものの移籍で連載・活動継続することもしばしばある。
- 特にジャンプで連載していた漫画家が、週刊少年チャンピオン(秋田書店)や週刊漫画ゴラク(日本文芸社)などに移籍するケースが多く見られる。
- コンビ・グループで活動している作者の仲間割れ。
- 『キャンディ・キャンディ』は厳密には打ち切りではなく、絶版になるが、原作と作画のトラブルにより作品展開がこれ以上不可能な状態になり、単行本の再販やアニメの再放送が望めない(地上波はもとより、有料のCS放送すら望めない)。
- 原作が編集者の変名の場合、配置転換により執筆不能になる場合も存在すると思われる。
アニメ、特撮
- 作品自体の視聴率が低かった
- 原作破壊(原作レイプ)や、アニメ化するまでの手続きの契約・交渉上のトラブル、その他制作側の人間の不手際や著しい無礼などで原作者を怒らせた。
- 裏番組による視聴率低迷や、対象年齢の設定失敗や玩具そのものの出来の悪さなどによる玩具売上の不振による打ち切り。
- 特に子供向けアニメ(ホビアニ)や特撮の場合、視聴率が良くても関連商品の売上が悪いと打ち切られるケースがある。
- 視聴率不振は『アルプスの少女ハイジ』の裏番組だった『宇宙戦艦ヤマト』や『ドラゴンクエスト』など。
- 対象年齢設定ミスは想定よりも上の層に人気だった『快傑ズバット』など。ズバットに関しては「変身後よりも変身前の方がかっこいい」と言う点も問題だったとされる。
- 玩具の売上では『アイドル天使ようこそようこ』など。なお、実際には売上そのものに加え脚本の首藤剛志や監督のアミノテツローらスタッフのスポンサーの意向に反する行動が関係している。
- 玩具そのものの出来の悪さや販売不振による場合は『蒼き流星SPTレイズナー』『鎧伝サムライトルーパー』『銀河漂流バイファム』など、作品やキャラが人気になったものも含まれている。逆に『鋼鉄ジーグ』は視聴率は低かったものの、玩具の出来が良く売上も良かったため放送期間が延長されている。
- アニメと原作の進行具合の違いにより、原作のストックが切れる、いわゆる「ネタ切れ」。原作の執筆速度の違いや休載などでストックが枯渇してしまった場合も該当する(近年ではこの形が増えてきたため、分割クール制で対応する場合が多くなっている)。
- 監督や脚本担当など主要スタッフ、あるいは主人公などの重要な役を演じるキャストの休業、不祥事、その他個人のやむを得ない事情や、それらを理由とする降板
- 脚本家降板は『イタダキマン』など。キャスト降板は『魔法少女ちゅうかなぱいぱい!』など。
- キャストの不祥事では『ウルトラマンコスモス』がある。こちらは早期に誤認であると主演俳優の所属事務所から声明が出され、結果として不起訴となったため降板もなく放送が再開されたが、5話分の放送が見送られてしまった。
- 放送局の大規模な放送形式・番組編成変更のあおり。
- 何らかの事情により、スポンサーや関係会社が作品を支えられなくなる。
- 資金繰りの悪化によるものか多い。映画『ファイナルファンタジー』の大失敗でスクウェアが大赤字を出してしまい、映像部門から撤退。アニメ『FF:U』は打ち切りになってしまった。
- 制作スタッフなどによる資金の持ち逃げ、情報漏えい等の不祥事(詳細は不明だが『ドン・ドラキュラ』などが該当するといわれる)。
- 放送時期中に発生した実際の事件、災害などの影響
- 制作会社側の倒産などの大人の事情
- 『日テレ版ドラえもん』や『ふたり鷹』や『サイボーグクロちゃん』など。
テレビ・ラジオ番組
※アニメ・特撮を除く。またそちらの項目と重複する部分があるため、一部の詳細や実例は省略する
- 最も多い打ち切りの理由は「視聴率が想定よりも低かったから」。
- スポンサーの倒産など経営上の判断、不祥事などにより番組が支えられなくなった。スポンサーと制作や出演者がトラブルになった。
- 番組制作費の高騰
- ネタ切れ、もしくは番組作成が間に合わない。
- 大改造!!劇的ビフォーアフターなど。特番という形になっている。
- 番組制作会社やスタッフ、あるいは出演者の事情
- 放送時の不手際や不謹慎な内容、また放送局のコンプライアンス違反やBPOや視聴者などからのクレームによるもの。
- 実際に起こった事件や事故、災害の影響、番組内での事件や事故の影響
- 不謹慎、冒涜的な内容。「セシウムさん」のような制作者の不見識など。
- 番組収録で事故を起こし、出演者に重大な負傷をさせた。『3B juniorの星くず商事』、筋肉番付など。『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!』は撮影中に出演者が大怪我を負う事故が発生し、放送休止に、その後出演者が亡くなったためそのまま打ち切りになった。
- ヤラセ、取材内容やデータの偽装など
映画
※こちらもアニメ・特撮・テレビ番組の項目と重複する内容が多いため一部省略
- 複数作品から構成されるシリーズ物として制作される予定だったが、途中作品で興行成績が悪いため打ち切り
- 映画公開直前~公開中でも各種事情により上映が打ち切られる場合がある。
- 原作者など権利者からの要請。
- 表現規制などの問題。
- 上映期間に大きな事件や災害などが発生した。特に作中にそれを想起させるようなシーンがあった。
小説等一般書籍
※漫画の項目と重複する部分があるため一部省略
- (シリーズの場合)売上の低迷。
- 作者の体調不良などによる休筆、死去
- 出版していた作品レーベル消失、出版社の倒産。
- 何らかの理由で原版が盗難・破損・紛失してしまい継続、あるいは再制作や出版が困難な場合。
- 作品はでき上がったが、挿絵が間に合わなかった。
- 編集側のミスなどにより契約が切られる。
- 会社および組織からの検閲や自主規制、あるいは本当に発売禁止を命じられる。
- 話が長くなりすぎた、収集がつかなくなったためその媒体での掲載を断念する。
- 新聞の紙面連載などスペースが限られている場合。文芸誌等への移籍のほか、ある程度巻数がある場合、書籍のみの展開になることもある。
- 作者が今後の展開や結末を決められなかったため、作品制作を断念。
- かの江戸川乱歩は長期的なプロットを作るのが苦手で、雑誌連載を後先考えずに始めて展開に行き詰まり休載にすることが多かった。中でも『悪霊』は、長いブランクを置いた上で書いた推理小説であったが、読者があっと驚くような展開が思いつかないという理由で打ち切りとなり、乱歩は雑誌上で謝罪している。
- 作者のモチベーション低下。
- 『インフィニット・ストラトス』は12巻まで刊行済みで、続く13巻で完結の予定だったが、2024年9月に作者がXにて絶筆を宣言した。
打ち切りによるオチの付け方
コミックにおける打ち切り対処
- 定番中の定番は、事前の予告もないまま「俺たちの冒険はまだまだ続くぜ!!」「第1部 完」「未完」「NEVER END」など、また続編が連載されるであろう、と匂わせて終わるパターン。しかし、「第2部」として連載されることはまずない。
- 一応は四天王の1番手や先遣隊の隊長などが暫定ラスボスを務めたりもする。
- 残り少ない話数で伏線などを無理矢理に回収して終わらせるパターン。通称:ソードマスターヤマト型。
- 願いを叶える秘宝などを集める系の話の場合、ライバルや悪の組織が残りの秘宝を全て回収しており互いの持つ秘宝を賭けてラストバトル、というパターンになりがち。
- そしてそのラストバトル自体が俺たちの戦いはこれからだ!で省略されたり、いきなりバトル終了後に跳ぶのもありがち。
- 八魔将など敵幹部の顔見せが済んでいた場合は仲間割れを起こしたり、ラスボスに吸収されるなどして一斉処分されがち。
- 願いを叶える秘宝などを集める系の話の場合、ライバルや悪の組織が残りの秘宝を全て回収しており互いの持つ秘宝を賭けてラストバトル、というパターンになりがち。
- 新聞や雑誌などの連載ならともかく、そうでない場合は特にオチも告知もなく続刊が出なくなるということもある。このパターンは小説に多い。
- 一部、同人誌やインターネット上のサービスなどで打ち切られた作品の続きを発表する者もいる。
- 打ち切りあるあるに含まれる事がほぼない辺りからも判るが、広げた風呂敷を畳む余裕がないからといって夢オチで投げ出す例は実は意外と少ないようだ。
- 別雑誌や単行本最終巻の書き下ろしでその後の話を収録し、一応完結させる。掲載誌を(あるいは出版社まで)変更して何度かの読み切りや連載を経て完結したり(『武装錬金』、『世紀末リーダー伝たけし!』)、新装版の単行本でその後を描いて完結させる(『シャーマンキング』)場合もあるが、多少話数に融通の利く週刊誌などでは珍しい例(本誌アンケートで全く奮わなかったにもかかわらず、アニメ化されるほど人気のあった『武装錬金』などは特例中の特例)。
- 話数の取り辛い月刊誌に掲載されていた作品では、最終巻がほぼ描き下ろしという作品もある。
- 漫画作品を打ち切る場合、通常は原稿が単行本を出せる量に達したところで打ち切る場合が多いが、「単行本を出しても採算が見込めない」「作者や作品自体の不祥事による打ち切り」などの理由により、連載された作品であっても、後続の単行本が出てないケースも多い。
- 石川賢などは何を描いても石川賢になる、と称されるのだがその中でも有名なのが打ち切りラストである。実際に打ち切られたケースもままあるのだが、誰の目から見ても畳めない程広げた風呂敷を更に広げる作風が特徴であり、大抵の場合は作者自身がブン投げたような打ち切りエンドになりがち(例:でたなゲッタードラゴン)。
- 「単行本を出しても採算が見込めない」がそれでも世に出したい場合、著作権に問題なければ、同人誌で販売する、クラウドファンディングで資金を集めて本を制作し販売する(例・にわのまこと、須本壮一)場合があるが、1冊当たりの値段は高い。
テレビにおける打ち切り対処
- テレビ番組の場合は基本的に、改編期(主に4月と10月、一部1月と7月)に番組の存廃が決定されるため、打ち切る場合もそれに合わせることが多いが、「あまりにも低視聴率だった場合」や「不祥事などで中止せざるを得ない場合」は改編期を待たずに番組が終了することもある(例:TBS系で放送された『関口宏モトをたどれば』という番組の場合、ゴールデンタイムで放送したにもかかわらず視聴率2.8%を記録したため、次回予告が放送されたが打ち切りが決定。翌週からはつなぎ番組が放送された)。
- このような場合は、改編期が来るまでの間に特番や再放送、総集編、あるいは適当なつなぎ番組などを入れて、次の改編期までの時間を稼ぐ。
- 既に改編期での放送終了が決定していた場合は新しく放送する予定だった番組を前倒しにして、放送を開始する場合もある。
- ただし、昨今のテレビ界では全体の視聴率が低迷していることから、プライムタイムの放送で既に視聴率( 視聴率÷100 )ひとケタが常態化していても占拠率(視聴率÷全局合計視聴率)が悪くない場合は延々と放送が続いているケースも多々見られる。視聴率低迷による番組打ち切りの検討は占拠率に基づいて行われるため(すなわち「見た目数字が悪くても他局の裏番組に勝っていれば良し」とされる)、このような現象が起きる。
アニメにおける打ち切り対処
- 本編は打ち切られたが、OVAや映画などで完結させる。
- 『超獣機神ダンクーガ』、『蒼き流星SPTレイズナー』、『聖闘士星矢』など。
- 原作付きのアニメなど元々何期かに分けて製作される予定だったが、その後長期に渡ってアニメ続編の展開がない作品。宇宙海賊キャプテンハーロックシリーズ( 無限軌道SSX )と「破邪巨星Gダンガイオー」などもその一つとされる。
- 近年のスーパーロボット大戦シリーズにおいては、その種の作品が参戦した場合、オリジナル展開で決着をつける場合がある。これを「トゥルーエンド」とするか、はたまた「スパロボではよくあること」と考えるかは人それぞれ。
- ただしスーパーロボット大戦Kだけは誰がどう見てもバッドエンドの類であろうが。
関連タグ
最終回 欠番 封印作品 視聴率 サービス終了 黒歴史 虚無る
- ソーシャルゲーム:売れないと突然サービス終了打ち切りとなるジャンルの一つ。
- 俺たちの戦いはこれからだ! 先生の次回作にご期待ください でたなゲッタードラゴン:有名な〆
- 放送延長:テレビ・ラジオに於ける打ち切りの対義語
- ごらんの有様だよ!:魔法少女アイ参にあったフレーズで作品そのものを表している。
有名な作品 |
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番外編
- 宇宙戦艦ヤマト&機動戦士ガンダム
- 今の人気からは考えられないが、本放映時は低視聴率過ぎて打ち切られた(裏番組がアルプスの少女ハイジ&まんがはじめて物語)。もっとも、ズバットと同じく対象年齢失敗(大学生以上に人気)とも言えたが。その後、両者とも映画版で人気爆発。リメイクやスピンオフを得て今でも若い層を中心にファンが増えている
- ソードマスターヤマト:打ち切りあるあるネタを描いた作品。
- 仮面ライダーディケイド:最終回が本編では完結せずに劇場版に繋がるような内容だったため、夏未完と評された。なお、公式曰くループエンドとのこと。