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セシウムさん

せしうむさん

2011年8月4日に東海テレビ放送のローカルワイド番組「ぴーかんテレビ」内で発生した不謹慎テロップによるお米の当選者。
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「ぴーかんテレビ」では、2011年8月1日(月)から東北地方岩手県産のお米・ひとめぼれ10kgを視聴者3名にプレゼントしていた。しかし4日11時03分、「別冊!ぴーかんテレビ」内の「しあわせ通販」VTR放送中に、画面が突然お米プレゼントの当選者発表画面に切り替わり、当選者の名前に「怪しいお米・セシウムさん」「怪しいお米・セシウムさん」「汚染されたお米・セシウムさん」(本来なら「怪しいお米」・「汚染されたお米」の部分には住所が、「セシウムさん」の部分には当選者名を入れる)という不適切な内容が書かれたダミー用テロップが23秒間放送された。

東海テレビは直後に謝罪を行ったが、福島第一原発事故によって放出された放射性セシウムが東北・関東にまで広がっており、農作物および人体への影響、そして風評被害が懸念される中で、このような「プレゼントのお米までもが汚染しているともとられかねない」不謹慎すぎるおふざけに、岩手県やJAが東海テレビに対して抗議した。東海テレビは2011年9月末まで公式サイトのトップページを差し替える形でお詫びの文を掲載した。

2011年8月11日に東海テレビは「ぴーかんテレビ」の打ち切りを正式に決定、30日に検証と謝罪を兼ねた特別番組を放送し、テロップ制作班所属の50代スタッフがダミー用テロップに悪ふざけで書いたものであることを認めた。この一連の騒動の重大さやそれによる社会的影響を鑑み、テロップ制作担当スタッフは2011年8月28日付で所属していたCG制作会社を懲戒解雇された(なお、このスタッフは以前から東海テレビの番組制作の作業で様々なトラブルを抱えており、近く別の部署への異動を控えていた矢先での出来事だったとされている。他にも番組のスタッフ数名や東海テレビの役員が同様に本件の責任および制作者への監督不行き届きを問われ、減俸・降格などの厳正な処分を受けた(詳細は、東海テレビが一般向けに公開した「ぴーかんテレビ」検証報告書と、この騒動後に放映された検証ドキュメンタリー番組を参照))。また東海テレビからはスポンサーの撤退(※)も相次ぎ、社長自ら岩手県に出向き謝罪行脚を行った。

こうして、地方局における一瞬での放送事故は、日本全国のテレビ局や番組制作会社スタッフたちのモラルの在り方が大きく問われる事態にまで発展した

なお、上のイラストは問題シーンが放送されたときに映っていた東海テレビのマスコット、「わんだほ」であるが、外見が米粒っぽい為に東海テレビの放送エリア外の視聴者にセシウムさん呼ばわりされる事態となった。彼もまた風評被害の犠牲になったのだ

(※)他の東海テレビのローカル番組のみならず、昼ドラなど東海テレビ発のフジテレビ系全国ネット番組でもスポンサー降板やCM自粛、果てはサザエさん(スポンサーにJAバンクが名を連ねている)などのフジテレビからのネット受け番組でもCMを拒否されACや番宣スポットへの差し替えを余儀なくされる始末だった。

「ぴーかんテレビ」とは

1998年3月30日に放送が始まった東海3県ローカルワイド番組。主婦層をターゲットとしており、ショッピング、ファッション、グルメ、料理、行楽、身近な法律問題などの情報を生放送で提供した。2011年8月4日まで放送回数が3620回に上った。
当初の放送時間は月曜 - 土曜の9時55分 - 10時55分(60分)。2000年4月7日から金曜の放送時間を11時10分にまで延長。2003年3月29日をもって土曜の放送を終了した。2009年4月には当初の放送時間とほぼ同じ長さに戻す。同年10月から月曜と金曜は9時55分 - 11時30分(95分)に拡大、同時に木曜には11時 - 11時15分の枠で「別冊!ぴーかんテレビ」の放送を開始した。2010年1月から「別冊!ぴーかんテレビ」を11時30分までの30分に拡大、同年4月からは月曜から金曜の9時55分 - 11時30分(95分)に拡大し、11時ちょうどを区切りとする2部構成となった。木曜の第2部「別冊!ぴーかんテレビ」は通販コーナー、スポンサーの新商品紹介やプレゼントなどのパブリシティで構成された。
番組開始当初から2008年12月末まで「生活情報」を中心に特集VTR、料理、スタジオで構成された。2009年1月に社会情報を扱う「おさらいTIMES」がスタート、同年4月から社会情報を中心に展開するようになった。ボードの「新聞レビュー」、大きなボードを使い政治・経済から芸能まで気になることを紹介する「ど~も気になる」で前半を展開。通販「一番本舗」も始まった(当初は月曜のみだったが、同年10月から月曜と金曜、さらに2010年4月からはすべての曜日に拡大した)。

不適切な放送について

以下、検証報告書に基づく。

放送までの時系列

年は2011年。スタジオはAスタジオ。

  • 8月3日12時
    • 「ぴーかんテレビ」では8月1日から「岩手県産ひとめぼれ」の視聴者プレゼントを行っていた。最初の3日間は大きな用紙に手書きで当選者を発表していたが、4日の放送でスタジオにある大型テレビで表示して発表することをスタッフ会議で決定。
  • 8月3日14時30分
    • 2人の番組ADがテロップ制作ルームに、当選発表方法の変更を伝え、テロップ制作を担当する男性スタッフにそのテロップ作成を依頼。テロップには本来仮の名前を入れるが、この時にテロップ制作スタッフが新聞記事に触発されて不適切な文言を思いつき、テロップを作成。
  • 8月3日19時
    • 女性の外部スタッフ2人(1人は新人タイムキーパー、もう1人はアシスタントプロデューサー)が翌日に使うテロップを確認するためテロップ制作ルームへ向かったところ、2人は不適切なテロップを初めて目の当たりにし、激怒したAPはテロップ制作スタッフに強い口調で修正を依頼するが、テロップ制作スタッフは他番組での作業に集中していたためか、そのAPの言葉を聞き流してしまう。本来ならTKはテロップをプリントし、プロデューサーやディレクターに確認を求めるが、問題のスタッフについては例外的に一旦自主的に修正させる対応を常にさせていたため、この日も2人はこの不適切なテロップをプリントせず、報告もしなかった。
  • 8月4日8時20分
    • APが、不適切なテロップが修正されていないのに気づき、テロップ制作スタッフに再度修正依頼するも、テロップ制作スタッフは、このときも他番組での作業に夢中になっていたため耳を貸さなかった。この時点で番組リハーサルが始まっていたため、APは他の仕事に追われて、修正依頼やディレクターへの報告ができず、テロップは結局修正されなかった。
  • 8月4日9時55分
    • 『ぴーかんテレビ』生放送スタート。木曜の内容は2部構成で、1部は社会情報中心、2部は『別冊!ぴーかんテレビ』として通販や営業パブリシティ中心。岩手県産ひとめぼれのプレゼント告知が1部冒頭(9時55分)、当選者発表が2部終了直前(11時23分)を予定していた。
  • 8月4日11時
    • 『別冊!ぴーかんテレビ』放送スタート。アナウンサーの挨拶から通販コーナーの紹介、そして事前収録のVTRに入る。この時間を使って次のコーナーのリハーサルと段取りの確認をしていた。スタジオからの希望でスタジオの大型テレビにテロップを映すことに。スタジオのフロアディレクターからの要求に応じるため、新人TKはテロップが修正されていないことを知りながら、スタジオの大型テレビだけに映そうとしたところ、操作を誤った。
  • 8月4日11時03分35秒

テロップが23秒間も流れた原因

  • 放送に使わないダミー用テロップとして作ったとはいえ、テロップ制作スタッフが著しく社会常識に欠けており、原発事故により放射能汚染の恐怖にさらされている人々の思いに至ることもない、しかも口に出すことさえはばかられる言葉を、何の意図もなく平気で書いてしまったこと。
  • テロップ制作スタッフが新人TKとAPから修正依頼を受けたにもかかわらず、それを認識しなかったこと。
  • 新人TKとAPが「明らかに間違いなものは、直してからでないと確認をもらっていない」ので不適切なテロップをプリントしなかったこと。
  • APが生放送を前に別の準備作業を優先させてしまったこと。
  • 「ぴーかんテレビ」で使ったAサブにはテロップ送出機が2台(T1・T2)あり、番組ロゴや出演者の名前など放送上の画面に映すテロップをT1、スタジオの大型テレビに出すテロップをT2に入れるが、テロップ制作スタッフがそのルールを知らず、問題のテロップをT1に入れたこと。これにより新人TKがT2からそのテロップを探しても見つからず、T1から探すことになった。
  • 新人TKがAスタジオのフロアディレクターからの指示に従いスタジオの大型テレビに当選者発表テロップを映そうとしたところ、目の前のモニターに番組ロゴ使用中であることを示す赤いランプが点灯しているのを確認せずにチェンジボタンを押してしまったこと。
  • 9分間の通販VTRが緊張感に欠ける時間帯だったこと(サブのスタッフの証言より)。
  • スタジオでリハーサル中だった福島アナウンサーとサブにいた音響効果担当の女性スタッフが不適切なテロップが放送画面に流れたことに気付くも、すぐさまディレクターに異変を知らせたり、確認を求めたりすることができなかった。
  • サブにいたプロデューサー兼ディレクターとスイッチャーが次のコーナーのカット割りを確認するためにスタジオのカメラ映像を映すモニターを見ていた中で、不適切なテロップが放送画面に流れ、ほとんどのスタッフが異変を認識していたものの、2人が約10秒後になって気付いたこと。


検証委員会が掲げた要因

  1. チェック体制の甘さ - すべての放送を100%チェックする人物がいなかったこと
  2. 当事者意識とコミュニケーション不足 - テレビの制作現場は役割分担がされており、それぞれがプロ意識を持って行うのが一般的であり、他のパートに口を出しにくい面があること
  3. サブ機能の高度化と複雑化 - 映像加工、テロップ制作、加工、送出の作業量が増加しサブ機能が高度化、複雑化。「ぴーかんテレビ」が使っていたラインは6つ。この数だとスイッチャーだけではこなせず、ディレクターもタイムキーパーも扱わなければならないこと
  4. 統一性のない送出ルール - 2つあるテロップ送出機の運用方法について、東海テレビでは番組ごとに異なり、「ぴーかんテレビ」内でもそうだったこと
  5. 社会常識に欠けたテロップ制作スタッフの存在 - 社会常識に欠けるテロップ制作スタッフを教育する努力を制作会社も東海テレビもしなかったこと
  6. 不慣れな新人TKの存在 - 新人TKがテロップ送出機の運用に対する理解、リスク回避の方法などに不慣れだったこと

検証委員会は、テロップ制作スタッフや新人TKよりも、スタッフの当事者意識の欠如、放送倫理の低下、チェック機能の低下のほうが大きな原因であり、それを放置し、改善しなかった東海テレビの責任が大きいとしている。

ただし、検証委員会とは別に、この事故を扱った大学の研究論文では、検証委員会が製作現場をめぐる問題点に関する検証が優れていることや、テロップを作成した問題のスタッフが社会常識だけでなく基本的な職務スキルや勤務意欲が不足していたことを認めつつ、特に「チェック体制の甘さ」と「当事者意識とコミュニケーション不足」を招いた根本的な原因として、製作現場におけるスタッフ一人一人に対する仕事量の異常な重さや、その上での過密なスケジュール、新人TKへの教育体制の不十分さ(上記でも示唆されているように、AP兼TKの個人指導にほぼ依存しており、それ以外のスタッフによるバックアップや指導がほとんどなかった)、事故を防ぐための作業に時間を割ける人員を確保できていなかった製作現場における人的不足を挙げ、その大きな背景として、過度な効率化で局自身で適度な人員数を確保せず局の正社員でなく製作会社からの外部スタッフに依存しすぎるようになった東海テレビの経営面の姿勢を指摘している。

電話とメール

放送当日から東海テレビには電話とメールの抗議が殺到し、8月28日までの25日間で合計17,064件に上った。東海地方だけでなく、東北地方からの件数が目立った。
以下、検証報告書に記載されている電話とメールの一部。

  • 東北の人は我慢強い人が多いと言われますが、これほど怒りを感じたことはありません。被災した人間のつらさや苦しみを分かってください。たくさんの大切なものを失ったところから、これ以上失わずにすむように戦っているのです。意図せずとも風評被害を生み出した責任は重大です。東北の米がセシウム汚染されていないことをきっちり伝えてください
  • ふざけ心で済まされるような甘い問題ではありません。いい年齢になっても善悪の区別がつかず、また常識も良心もない方なのでしょうか。テロップ制作者が自らテレビ出演して詫びること、厳罰に処されることを望みます。そのような方を使っていたテレビ局にも問題と責任があります
  • 東海テレビの番組をよく見ていました。良い番組が多くて、名古屋では一番のテレビ局と思っていましたが、もう全くダメです。もう見ません

関連イラスト

これは元素擬人化によるセシウムの擬人化であり、今回の騒動とは関係ない。

セシウムたんww



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元素擬人化 セシウム
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東日本大震災 福島第一原発 No_More_FUKUSHIMA

関西テレビ:「あるある」問題で同じく番組を打ち切った上で検証番組を放送。

外部リンク・出典先

ぴーかんテレビに関する情報
セシウムさん騒動 -Wikipedia
「ぴーかんテレビ」検証報告書
騒動後に放映の謝罪を兼ねた検証番組
東海テレビ「ぴーかんテレビ」不適切テロップ事件の事例分析

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