概要
献血は16歳から69歳までが可能(但し成分献血および400ml献血は18歳以上でないと無理、65歳以上の献血は60~64歳で献血している人に限る、などルールがある)。
全国各地にある献血センター、またはイベント時にやって来る献血車で受け付けている。
また、何度も献血する人なら献血サイト・ラブラッドに登録しておけば、過去の献血結果がわかったりして地味に便利。なお、地域の病院等で血液が足りなくなったときに臨時でお呼び出しされ献血の要請がある場合もたまにあるという。
集められた血液はいったん地域の日本赤十字の血液センターに運ばれて検査の後各病院からの発注に応じて配送される。また血液製剤としても加工される。
献血は無償のボランティア行為だが、何らかのお礼の品がもらえる。景品は献血の種類や場所により色々で、ファーストフードチェーンの割引券、ちょっとした日用品等、レトルト食品など様々。地域によっては、地元の協力団体(ライオンズクラブなど)による景品提供(卵など)の追加もある。400ml、成分献血は後述の理由により景品が若干豪華になるらしい。
また献血センターや献血ルームではフリードリンクや菓子食べ放題などのサービスもある。献血後は貧血を起こす可能性もあるので、少なくとも水分は遠慮せず十分に補給しよう。
分類
- 全血献血……伝統的な献血。提供者の体から採った血をすべて献血用に回す。200mLと400mLがある。時間は短時間で20分前後。ガタイのいい男性は400mlを勧められることが多い。また、最近の献血バスでは400mlだけを募集しているケースもみられる。
- 成分献血……比較的最近始まった献血方法。血漿のみを献血する「血漿成分献血」と、血小板のみを献血する「血小板成分献血」がある。いったん提供者の体から採った血から該当する成分だけを抜き取り、残りは提供者の体に戻す。時間は40分~1時間ほどかかり針も全血用より太い物を使うが、提供者への体の負担は少なく、最大で2週に1度可能なので回数を稼ぎたい派の献血マニアにはウケがよい。
(現在血が混ざりすぎて拒否反応の恐れがあるとの事で200mlを集めていない場所もある)
ちなみに使う側(医療機関)側からすると400ml、成分の方が助かる。ただし、400ml献血には体重制限が存在し、50㎏以上であることが条件となっている。
輸血も臓器移植の一種であるため、多数の人数分の血液を使うとそれだけ抗体などのリスクが上がるからである。また、成分献血は血液製剤などへの転用もしやすく、手術中の出血リスクを抑えるのには血小板だけ必要、ということも多いからである。
献血ルームなどでは盛んに成分献血を勧められる事が多く、景品も少し豪華になることが多い。
献血マニア
献血が大好きでたまらない人達。何がそんなに面白いのかは人それぞれで注射が大好きかと言われれば必ずしもそうではなく、手軽にできるボランティアとしての側面もあってか、結構な人数がいたりする。
規定回数いっぱいまで献血ルームに通い詰めたり、同好の士と回数を競ったり情報交換をしたりする。各地の献血ルームには交流者用のノートも置かれていたり。
心臓手術や事故での大けが等、際限なく血液が要る手術がひとたび起こると一気に地域の血液が不足するため、こうした人達が足しげく献血に通ってくれる事が地域医療の大事な支えなのであり、つまりはありがたい人々である。なお、区切りのいい回数ごとにガラスの器(おちょこに似ている)が記念品としてもらえる。
コミケと献血
最近の冬コミでは、年末年始の血液不足を解消するべく、コミケット準備会・出展企業・東京都・千葉県赤十字血液センターが一致団結して「献血応援イベント」を開催している。
年末年始は事故が増加しやすい(=輸血が必要になりやすい)時期であるうえに、献血ルームも休みであることが多く、こうした悪条件が重なるため深刻な血液不足に陥りがちであり、そんな状況下においてなお、コンスタントにある程度まとまった量の血液確保が見込めるコミケの献血は赤十字らにとっても重要なイベントであり、コミケは何度か赤十字から感謝状を贈呈されている。
事実、2015年冬のコミケット89には三日間のコミケで1500人分=600リットルの血液が確保できたというのだから、赤十字から有り難がられるのも頷ける。
このほか、コミケット83では、なのはのポスターセットを目当てに献血したものも多かったとか。
なお、夏コミは献血者が水分不足に陥る可能性を鑑みてか献血の募集はされないが、その代わりに都内や近隣県の献血ルームなど、献血者の身の安全が十分に確保できる環境下において「献血応援イベント」が開催されるケースが増えている。
そして2023年10月には、コミケット本部が日本赤十字社から金色有功章なる賞を受章したことが明らかになった。 (ソース)
余談
- 献血ではエイズ感染は判別できません※1。そもそもエイズ検査なんてしていません。理由はAIDSの項目を参照の事。実際に2013年に問診の際虚偽申告をして検査目的献血をした人のせいでAIDS感染した被害者が発生しています(同様のことを故意にやらかした場合、刑事罰に問われるかは微妙ですが、感染者から民事訴訟を起こされる可能性もありえます)感染判別目的で献血に行くのは、ダメ。ゼッタイ。問診は正直に答えましょう。※2
- その他、実施前検査の結果次第では献血を断られる場合がある。以下に例を挙げる。
- 投薬治療を受けている場合。理由はその人(血液提供者)に処方されている薬の成分が他の人(血液の使用対象)にとって危険な場合があるため。同様の理由で予防接種を受けて間もない場合も引っかかる可能性がある。
- 出血を伴うケガを負って間もない場合、及び歯科治療中の場合。これは血液に細菌が混ざるリスクを防ぐため。後者は抜歯や手術に限らず歯垢除去だけでも(血が出た場合は)抵触する。
- 海外渡航歴がある場合。行き先や時期によって基準は異なるため、問診票を良く読んでおこう。
- 体重が軽すぎる場合。
- 女性の場合は月経などの関係で血が薄くなることがあるため、検査で断られることがある。
- 6か月以内に異性と新しく性的接触があった場合。
ただし一度断られたからといって、一生献血ができないわけではないので安心。自身の健康にも気を配った上で改めて出直そう。
※1 エイズウイルスに感染した血液が患者2人に輸血された事件が発生。40代男性がホモセックスを行いその後検査目的で献血を行った。問診に嘘のことを書いた。さらに献血を行った時期は感染初期でウイルスが、まだ体に蔓延していない空白期間で、すんなり通ってしまった。このことにより60代男性がエイズに感染した。もう一人は感染しなかった。
※2 エイズ検査は保健所で無料でおこなえる。
関連イラスト
- Pixivでは個人が作成した広報マンガが上げられているので、初心者は要チェック。
関連タグ
- 塩見周子:献血が趣味(お菓子が食べ放題でお茶も飲み放題だから)。
- 宇崎ちゃんは遊びたい! - 同作との献血コラボキャンペーンが結果的に先述したコミケを筆頭としたアニメ・漫画作品との献血コラボキャンペーンの存在や意義を大きく注目させたという出来事があった。詳しくはこちら