※この項目には血液・流血に関する描写が含まれます。
概要
月経はおおよそ10~15歳頃に始まり(初潮)、48~52歳頃に終了する(閉経)。
出血が始まってから終わるまでの日数は 正常範囲として3~7日。通常1日目は黒ないし茶色っぽい血液が出る。2~3日目は鮮血色で量も増える。4~5日目には減り、その後は黒っぽくなり出血も止まっていく。
この生理現象は25~38日周期で繰り返される。月経の経過には個人差が激しく、大半は日常生活に影響を及ぼすものではないが、2-5%くらいの女性は、精神的に不安定になったり、体のいずれかの部分に激しい痛みを伴ったりする(PMS=月経前症候群)。
少しだけ詳しく
子宮内膜は、細胞や毛細血管、分泌液を出す分泌腺などが含まれた粘膜質の組織。月経の周期に応じて、子宮内膜はだんだんと厚くなっていき、月経前になると約1cmほどになる。
受精卵がこの子宮内膜に着床すると妊娠が成立し、受精卵はこの子宮内膜から栄養を吸収しながら育っていく。
しかし妊娠が起こらなかった場合、古くなった子宮内膜に栄養を送っていた血管は収縮し、血液がいかなくなることで自然と剥がれ落ち、膣を通って外へ排出される。これが月経である。
つまり、月経のときに出る血液は、子宮内膜がはがれて、溶けて出てきたものなのである。そのため月経血にはサラサラとした血液だけではなく、レバーのようなドロッとしたかたまりが含まれている。
はがれた子宮内膜の下には、また新たな子宮内膜を再生させる層が残っていて、また次の月になると新たに組織を作り出し、内膜を厚くしていく。
このように子宮内膜がはがれて外に出て、また作り出すという毎月のサイクルは、複数の女性ホルモンの働きによって起こる。
月経周期の管理
上記の現象は周期的に起こる。健康な場合、25日から38日くらい。人によって違うが固定ではなく、月や体調によってこの期間は変動する。
この間、ホルモンの変動により、上述のように卵子や子宮の状態が変化。最終段階において子宮内膜が剥がれて血液とともに体外に出される。
この最終段階を「生理」といい、ここに至るまでの月経周期は「生理周期」とも呼ばれる。
月経周期(生理周期)の把握は女性の生活において極めて重要である。体内ホルモンの変動と連動するため、子宮だけでなく心身全体のコンディションと深く結びついている。
生理周期のズレを把握することで健康状態が悪くなっていることを察知できる。
そして生理の日は、内臓の一部(?)だったものが流血と共に出てくる日でもあるため、ナプキン等を用意しなければ服や下着が汚れてしまう。生理の日は体調が悪くなる日でもあり、その面でも用事を休んだり休養を選ぶ目安となり、一部の会社でだが生理休暇を導入しているところも存在する。
月経周期(生理周期)把握・管理のための手帳やアプリも存在する。こうした把握や管理は上述のように純粋に健康のために女性が普段から気にしているものである。
こうした事情に明るくない男性に誤解されることがあるが、上述の理由もあり「月経期間、生理関連アプリをインストール、使用していること=彼氏、配偶者、性行為する相手がある」ではない。つけ加えるなら医学的には安全日なるものは存在せず、所謂危険日を避けようと、避妊の手段を重ねない限り(重ねないならなおさら)妊娠する時は妊娠する。安全日・危険日は飽く迄確率でしかない。
男性ファンがつきやすい職種の女性有名人において生理、月経関連の情報が出た際に、背景を詮索してネットに書き込む者もいるが、こうした事柄は言うまでも無くプライベートかつデリケートなものである。
絶対にしてはならない。
生理がつらい原因
生理は辛いものと認識されているが、辛くなる原因の大部分が生活習慣の乱れによるものであり、生活習慣を改善することで生理の辛さは軽減される。
生理がつらくなる理由として主に
といったことが挙げられる。
体に負担をかける生活、生活リズムの乱れや栄養バランスが偏った食事等をすることで膣が凝り固まり、月経血も粘着質になってスムーズに排出されにくくなり、そのために子宮の収縮が激しくなる結果、生理痛や腰痛などの諸症状が引き起こされるのである。
上記の症状が周期的にやってくること、それも人生の約半数も付き合い続けなければならないことから「女の子がつらい」、「男の人に産んで欲しかった」と自己嫌悪や被害意識を抱いている女性も決して少なくない。特に思春期が訪れ、心が不安定になりやすく繊細な中学生と高校生の時期の子達が非常に陥りやすい。
さらに生活上、ふと立ち上がったor座った際や友人との会話で笑い合って興奮状態になっている時等にも一気に出血してしまう可能性が高い。これはナプキンやタンポンを併用することで被害を抑えられる上、日本のナプキンは海外のものよりも高性能と評価されているから下着の汚れ等はそこまで心配しないでいいだろう。だが、いざ出血した際には爆弾を抱えた状態になってしまい、せっかく楽しかった気分もげんなりしてしまう。
上記の事から『生理中は風呂やプール、海などの水場に入ることを原則禁止』としている。血が水に溶けてしまい、水が赤くなるのも当然あるが、生理中は体の免疫力が低下していて、特にプールなどは雑菌や細菌が繁殖しやすく新たな感染症に掛かる恐れがある。これらの対策としては
- 膣内にタンポンを挿入する
- ピルを使って、期間をずらす
- 月経カップを使う
生理前の不快感や痛み・倦怠感は前述のようにPMSと呼ばれるが、PMSの重さも、大部分はこうした生活の乱れが原因であり、これらを正し、規則正しい生活を心がけるようにすれば軽減する。
これでも改善しない人は、医師と相談の上ピルを服用したりの手当を受けることになる。
ただ、出血が半月以上も続いたり、あまりに不順だったりする場合は何か他の病気が隠れている場合もあるため、素人判断せず婦人科を受診しよう。
タグとしての「月経」について
「生理」「初潮」タグと同様、女性器からの出血が描かれている場合が多い。中にはR-18Gの作品もあるので苦手な人は閲覧に注意が必要である。
関連動画
生理の話題が出た作品
別名・表記揺れ
関連タグ
外部リンク
性教育の一環として男子の方も知ってもらいたい次のサイト
- 僕たちは生理を学んでこなかった(NHK公式サイト内)
- 男子からみた月経、男子の月経教育と防災 『月経の人類学』より(世界思想社のwebマガジン)
- 男の子のための生理教室。ナプキンを手に取り、考え、意見を交わす(ランドリーボックス)