避妊
ひにん
人間の妊娠率は地球上の多くの動物の中ではかなり低い部類に入る(心身共に健康で肉体的に適齢期にある男女が最も適切なタイミングに性交を行っても妊娠確率は約30~40%程度と言われる)。
その生態上子供1人あたりの身体的経済的負担が非常に大きく、全ての受精卵を育てる事は現実的ではない。さりとて、中絶という手段にも心身に多大な負担がかかってしまう。
そのため、必要な時以外は事前に妊娠を避ける方法を発達させてきた。それらを総称して「避妊」と言う。
人間は、生殖を目的とする以外にも、快楽や愛情表現、コミュニケーションなどのため、避妊しながらも性交したいという需要を抱えている。
オーラルセックスやアナルセックスはそのための手法として古来より活用されてきたが、やはり事故により精液が胎内に入ってしまうケースは多かった(後述)。
現代に至っても「これ1つで完璧」という方法は生まれていない(と言うより、現代になってようやく「高確率」と言える手段が普及し始めたばかり)のが実情であり、複数の手段を組み合わせる事が推奨される。
手術
不妊手術
人間においては卵管や精管を縛る手術が行われる。精管を縛ったり切除する場合はパイプカットとも呼ぶ。高年齢でもう子供を作る必要がないと判断した夫婦などが行うことが多いが、母体保護法の制限を受けるため軽々しく行えるものではない。
道具
性交の際、コンドーム(ラテックス製の袋)を男性のペニスにかぶせて、精子が膣内に入るのを防ぐ。
安価かつ手間が少ないため最もポピュラーな避妊方法となっており、粘膜同士の接触を防ぐため性行為感染症の防止にも効果がある。
膣内に密着させる“女性用コンドーム”も存在する。
ただし、最初からつけていなければ意味がない。
「途中から着ければいい」「射精前に着ければ大丈夫」というのは誤った知識で、我慢汁(カウパー)にも精子は存在するため、きっちり最初から最後まで装着すること。
また、性行為感染症の観点から見れば、前戯の段階からでないとアウトである。
また、射精後すぐに取り除くのも大切。
男性諸兄がご存知の通り、男性器は射精後まもなく収縮してしまうため、勃起時の装着を想定しているコンドームはサイズが余ってしまって外れやすくなる。
「じっくり余韻に浸ってたら膣内で外れてました」なんてのはコンドーム使用時によくあるトラブル。勃起状態が収まる前に男性器を引き抜かなければならない。
女性が付けるゴム。元は子宮の位置を修正するための医療器具。
子宮口に被せるようにして装着し、精子の子宮への侵入を防ぐ。
後述の殺精子剤との併用でより高い効果を発揮する。
難点は気軽に購入できないこと。
子宮口は個人によるサイズ差が大きいため、産婦人科などに受診して計測してもらい、その上で自分に合ったサイズのものを受診先で購入することになる。
またコンドームよりも圧倒的に高価(3,000~8000円)な上に、装着の手間や着脱のタイミングも難しいとあって費用対効果が悪く、さほど普及しないまま他の手段に取って代わられた。
薬物
女性が飲むホルモン剤。排卵を停止させることで避妊する。
生理現象をコントロールするという性質から、月経の症状が重い場合などにも用いられることがある。
日本では産婦人科で処方してもらうが、生理に直接作用する関係上、体質に合うものがなかなか見つからない人もいる。そもそもこれに否定的な産婦人科医も一定数いたりするため、場合によっては医者から選ばなければいけないこともある。
名前の通り、精子を殺す。錠剤のものやゼリー状のものなどがあるが、いずれも女性が膣内で溶かして用いる。日本では「マイルーラ」の商品名が付いたフィルム状のものが有名。
しかし、子宮口周辺にまんべんなく付着させないと効果を発揮せず、皮膚トラブルなどの症状報告も多かったため、現在ではその多くが販売中止されている。
なお、それらに代わる男性があらかじめ体内で殺しておくタイプの避妊法が開発途上にあるという。
避妊手術を行うと、発情期に騒がなくなるため、基本的には静かに大人しくなる。
あとは行動半径が縮小するとも言われるが、これは大きな個体差があるため、手術後は注意深く観察しよう。
しかしこれも成猫なら結構開けてしまうため、使わない窓は金属用接着剤で接着してしまうことを勧めたい。台所とお風呂場の閉め忘れなどはよくある。
レバー開閉の窓なら、ダンベルを挟むなども有効である。
膣ではなく肛門にペニスを挿入し、そのまま腸の中に射精するというセックスの方法
オーラルセックスとは違い、女性も性感を得やすく、場合によってはセックスよりも気持ちがよいとされることもあって、アナルセックスは妊娠しないとはいえセックスであるとは言える
海外、特にアメリカやヨーロッパではよく使われる方法だが、そのままアナルに中出しすると、アナルから漏れる精液が膣に入る可能性がある。
だが、アナルからペニスを引き抜いて外で射精する場合は、妊娠する可能性は限りなく小さい。
また、前貼りを貼ることで女性器を塞いで避妊するという方法も存在しているが、セックスが終わってもまえばりを外せないという問題が存在している
アナルセックスから射精を口内で行うことをAtMという場合もあるが、口内に大腸菌などが混入するリスクも存在している。
とはいえ、コンドームを付けた状態でのアナルセックスならば、妊娠する可能性は小さく、AtMであってもアナルからペニスを抜いた際にコンドームを外せば問題ないため、避妊法としては最も安全な方法ではある
通称「外出し」。射精の直前にペニスを膣から引き抜いて、膣の外に射精すること。
しかし、精液でなくてもペニスから出るカウパー腺液(いわゆる我慢汁)の中にも精子は存在する上に、男性側に射精の感覚が無くとも、実際は精液の発射が開始している場合が多いため、避妊としての効果はほとんど期待できない。
また、膣へペニスを挿入した状態から、射精直前にペニスを膣から引き抜き、射精の時だけはアナルセックスで、膣の外、アナルの内に射精すると言った避妊法が良く使われるが、これは二重の危険性を持つ。
口内射精も、コンドームをつけずにペニスを膣に挿入してから、射精を口内で行うのであるのならば、同様に避妊法としては不完全である。
悪意の有無にかかわらず、これを求める男は強姦魔であるということを覚えておいてほしい。
月経周期から排卵日(俗に言う「危険日」)を予測し、その日を外して性行為を行うというもの。
本来は妊娠の確率を高めるための学説・手法であり、完全に誤用である。
実際、女性の排卵日は容易に変動し完全な予測は不可能であるため、失敗例が後を絶たない。
性行為の後に膣内を洗い流す方法。まず洗い流しきれないのであてにならない。
「コーラで洗浄すると妊娠しない」などという謎のデマが流れた事もあったが、常識的に考えて殺精子効果のある食物が嗜好品になるわけがない。
妊娠による肉体的負担が女性側に偏ることから、避妊は女性の自衛行為と言う側面が強調されることが多く、これが行き過ぎて女性主体で行われるのが自然であると考える向きすらある(下手すると多数派ではなかろうか)。
しかしながら、男の側も子供ができれば相応の責任を取らなければならない。
「前後がどうであれ、性交をする時点でその後の出産、育児に対して責任が発生する」と言うのが日本の司法の考え方である。
相手が「責任は取らなくていい」と言っていたとしても、或いは「避妊はバッチリしました」と言っていても、挙句その避妊宣言が嘘であったとしても関係はなく、認知をしないという選択肢は存在しない。
裁判所による強制認知が行われれば、養育費も遺産の相続権もばっちり持っていかれることになり、社会的信用も失墜することだろう。
男性諸兄も避妊に関して積極的にならなければならない。
コメント
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