概要
月経がある女性の卵巣の中では、毎月卵子の元である「卵胞」が育ち、一定の大きさになるとパチンとはじけて卵巣から飛び出す。これが「排卵」である。
排卵日は、その名の通り「排卵した日=卵巣から卵子が飛び出した日」のこと。
月経周期が安定している人の場合、排卵日は月経と月経の中間くらいの時期に当たる事がほとんどである。
排卵日と妊娠の関係
排卵された卵は卵管に入る。ここで精子がタイミングよく子宮内を通って卵管に入り、受精が起こると、卵は「受精卵」となる。さらに受精卵が子宮内膜に着床すると妊娠が成立する。
排卵された卵子の寿命は12~36時間とされている。そのため、排卵から遠いタイミングで性交を行っても卵子が受精する可能性は低く、当然妊娠もしづらくなる。反対に、排卵に近いタイミングで性交を行えば妊娠の確率が高まる。
排卵日の6日前からが妊娠が起こりやすい時期であり、排卵の4日前~前日は特に妊娠しやすいとされている。妊娠を望む場合は、排卵日を把握し、タイミングを計って性交を行う事が基本である。
排卵日を知る方法
基礎体温をつける
基礎体温のグラフが、おおまかに低温期と高温期の二相性を描いていれば、とりあえず排卵が起こっていると考えてよい。
排卵が起こるのは、低温期から高温期に移るとき。基礎体温が上昇し始める3日間くらいの間に排卵が起こる場合が多い。
しかし、下がった時点や、その直前に排卵が起こる場合もあり、個人差がある。そのため、基礎体温の計測のみで正確な排卵日を知る事は難しい。
なお、グラフが二相性を描かない場合(低温期と高温期が分かれていない場合)は、月経があっても排卵が起こらない「無排卵月経」である可能性が高い。
排卵検査薬を使用する
尿中のLH濃度を測定することで排卵日を予測する「排卵検査薬」を使用する。
医師によるタイミング指導
超音波検査で卵胞の大きさを観察したり、ホルモン値などを測定したりと、いろいろな角度から排卵日を予測する。医師から「この日に夫婦生活をしてください」という指示がある。
発情行動
高度の知能を有する人間の場合には適用できないが、家畜の中には排卵日が近づくとわかりやすい発情行動をとる例がある。
特にわかりやすいのは、ウシである。
ウシは3週間おきに排卵する定期排卵動物であり、排卵日が近づくとやたらモーモー鳴く、他のウシに乗臥(マウンティング)行動をとる、外陰部から発情粘液をダラダラ流すなどの特有の発情行動が見られる。
この時期のウシは人間にもよく懐き、やたらベタベタ甘えてくるが、軽トラックや人間も含め、乗れるものには見境なく乗り掛かってくるため、非常に危険(200~500kgの巨体が上から降りかかってくるため、骨折では済まない)であり、発情した牛による重大死傷事故は度々発生している。
さらに発情が進むと、乗臥する側から乗臥される側に転じる。一般にウシは他の牛にマウンティングされることを嫌がるが、この「受け」に転じた雌牛は無抵抗に許容するようになり、人間も簡単に背中に乗せてくれる。この状態(スタンディング発情という)になるといつでも受精・着床が可能であるため、農家は人工授精師に連絡して人工授精を依頼する。
別名・表記ゆれ
関連タグ
外部リンク
・排卵 … wikipedia