解説
尿道の根元にある「尿道球腺」(カウパー腺)から分泌される体液であるカウパー腺液の略称。
精液よりも先に滲み出るため、先走り汁や我慢汁(ガマン汁)などとも呼ばれる。
妊娠との関係
元来、尿道球腺から分泌された直後の尿道球腺液には精子は含まれていないため、生殖能力はない訳だが、
射精に備えて精管膨大部に蓄えられた精子が、射精以前に射精管を通じて尿道に排出されていることがあり、
その精子が尿道球腺液とともに排出される場合があるため、カウパーで妊娠する可能性も存在する。
このため、避妊法としての膣外射精(外出し)には、避妊効果はほとんど期待できない。
男性が性的興奮を感じると分泌され、尿で弱酸性に傾いた尿道をアルカリ性の腺液で中和する働きや、性交の際の潤滑油としての機能を持つとも推察されている。
名称について
1702年、イギリスの外科医ウィリアム・カウパーが、解剖学の書籍に発表したことから、その分泌腺である尿道球腺とともに、その名前にちなんで、カウパー腺(液)、カウパー氏腺(分泌液)、あるいはカウパー氏腺(液)と呼ばれるようになった。但し、それ以前の1684年に、外科医ジャン・メリーもこの粘液を発見しており、ウィリアム・カウパーが第一発見者ではない。また、さらにそれ以前からも、この粘液の存在は慣習的には認知されていたと考えられる。
なお、女性にもカウパー腺の相同器官(バルトリン腺)が存在する。
カウパーを題材にした楽曲
カウパーさん家の冒険王 - 盆地で一位(野性爆弾・フットボールアワー後藤・カネシゲタカシによるパンクロックバンド)の楽曲。