概説
正確には不要になった子宮内膜。
生理周期に入ると、子宮は子宮内膜を肥大化させ、受精卵が着床しやすいように子宮の壁を厚くしていく。
その後に排卵に至り、その卵子が精子と結びついて着床すれば妊娠することになる。
なお、妊娠するかしないか、については人為によってコントロールしきれる範疇ではなく、「排卵日」でないと判断される日の性交渉で妊娠することもあれば、不妊治療、人工授精を長年続けても子供ができない、という事もある。
生理周期において肥大化した壁が、妊娠に至らずに崩壊して排出されたものがいわゆる経血である。
そのためゼリー状でぶよぶよしており、塊になって排出される。
また一気に排出はされず、数日にわたって徐々に出されていく。
人によって、排出量・粘度・色・臭いの度合いなど、様々な要素で個人差が出る。
経血の質が変動すると、体調不良による体質不全や、悪い場合は子宮に関連する疾患に罹っている危険性を診ることが出来る。
文化
古来より、経血に対する考え方は様々あった。
不意に血でその場を汚すことから、多くの国や地域で神事に女性を参加することを禁止する習わしがあった。一方で初潮を迎えた女性を祝う風習もあり、昔の日本では赤飯を焚くこともあったという。
子供を産める女性の性器から滴る血であるため、呪力、とりわけ「媚薬としての効能」があるという迷信も根強く残っており、バレンタインチョコレートに経血を入れる人もいるとかいないとか…
そして昨今、Twitter上で「経血ゼリー」「経血カフェ」といった、斜め上を行く存在がまことしやかに噂として流行している。いわゆるスカトロやカニバリズムに接触する行為に近いため不用意に検索するのはお勧めしない。
もう一つ、経血は黄色ブドウ球菌が発生しやすく、さらにブドウ球菌の毒素は加熱処理をしても分解されないため、食中毒を起こす危険性が高い。
他人の食べ物に体液を混入させるのは立派な犯罪行為である。相手が気づき、被害者届を提出した場合は傷害事件として調査が行われる。
関連タグ
メイヴ…神話時代のケルトの女王。たくさんの夫たちに自分の経血入りワインを振るまい、領地の権利を約束したという。
外部リンク
「バーバラ・ウォーカー『神話・伝承事典』の検証」(Barbaroi!)よりMenstrual Blood(経血)
なお、このページはウォーカー女史に批判的な視点で書かれている。