概要
ホモ(HOMO)とは、ギリシャ語を起源とする、「同じ、よく似た」という意味の接頭辞。
男性同性愛者(ゲイ)、女性同性愛者(レズビアン)の総称である。
日本における「ホモ」の用法
いつごろから「ホモ」と言う言葉が日本に定着したのかは不明である。
1952年に森永乳業が「ホモ牛乳」という商品を販売、それに類するマスコットとして「ホモちゃん」というキャラクターを公開しているが、これは「均質化された」という意味の「ホモジナイズド(homogenized)」が由来であり、少なくともこの時点では同性愛者と言う意味の「ホモ」が定着していなかったことが窺える。
男性同性愛、または男性同性愛者を「ホモ」と略して呼ぶのは1980年代までは一般的で、現在で言うところの「ボーイズラブ」(やおい)は、特にゲイ漫画との区別化は意識されないまま「ホモ漫画」などとも呼ばれていた。
本来のホモセクシャルが指す『同性愛者の総称』という意味からは外れており、主に男性同性愛のニュアンスで定着している。
pixivも例外ではなく、その意味を込めてタグが付けられている。
2023年には「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」が施行され、ジェンダーマイノリティへの理解は少しずつ進んでいる。
近年では関連書籍、エッセイ等が数多く出版されセクシュアルマイノリティへの理解と認識を深めようという動きが進んでいる。
日本の法務省人権擁護局が公開している「多様な性について考えよう! ~性的指向と性自認~」というサイトでは、「性的少数者に対する偏見や差別の例」として、『「ホモ」「オカマ」「男らしくない」「女らしくない」などとからかう』という例が挙げられたり、そのサイトの動画の3:03でも、「ホモ」「オカマ」を「差別的な発言」と述べている。
メディア等では、同性愛を「ホモ」と称することを避ける傾向にある。
しかしSNSの政治問題系クラスタにおいては、左派LGBT活動家の運動方針や発言に反発する層、政治的に保守寄りの層である男性同性愛者のアカウントが「左派LGBT運動家と一線を引くスタンス」のアピールとして「ホモという呼称に誇りを持つ」意味も込め「自分はLGBTではなくホモ・オカマ」と名乗ることも度々ある。
同人用語としての「ホモ」
腐女子の多くが「BL」や「男性キャラ同士の二次創作」を指す言葉として「ホモ」を気軽に用いている。
pixivにおいては検索性を高めるために「ゲイ」「ホモ」両方のタグをゲイ向けのコンテンツにつけられることが多い。
pixivでは、男性同性愛を描いた作品の他、男性主体で性的な描写があるイラストには、同性愛的な描写がなくともこのタグがつけられることが多い。
差別用語としての「ホモ」
「ホモ」という言葉は差別用語として用いられることがあるため、扱いには慎重を要する。インターネット上の一部の人々の間では、男性同性愛者に対する「ホモ」という呼称が定着しており、「ゲイ」と呼ぶ人はあまり見られない。例えば「真夏の夜の淫夢」を取り巻く状況においては、特にそれが「ゲイ向けポルノ作品」であり、男性同士の性行為を異質なものであるとして、それを面白おかしく扱う背景があると考えることができる。そこで扱われる言葉が選択的であるということは、「ホモ」という言葉が差別のジャーゴンとして扱われていると考えることができる。
果たして、「ホモ」という言葉が差別的であるかということには議論があると考えられる。しかし、このような背景があることを勘案し、「ホモ」という言葉を使う前には自らがその言葉に差別的意図を込めていないか、一度立ち止まって考えてみることが大切である。
それ以外の用法
「ホモ」はもともとギリシア語で「同じ」をあらわす単語であるため「ホモ」で始まる語彙は「ホモセクシュアル」以外にも存在する。
前述の「ホモジナイズド(均一化された)」由来の「ホモ牛乳」や「ホモソーセージ」などは日本で同性愛者という意味が広まる以前の「ホモ」である。
「ホメオスタシス(恒常性の意味)」の「ホメオ」もギリシア語の「ホモ」に由来する。
また、生物で習った人も多いであろう遺伝子の分野(メンデルの法則とか)では、優勢遺伝子のみ(AA)または劣性遺伝子のみ(aa)をもつものを「ホモ」といい、これも語源は一緒。ちなみに対義語(Aaをもつ)は「ヘテロ」という。
対義語のヘテロは異性愛作品をネガティブな意図で言い表したい時に使う言葉だったのたが、フェミニズムに触れた人が先進的で配慮ができているとして異性愛作品を指して使っている。
ただ異性愛の作品に対して批判的な発言が多いため、異性愛作品を好む人の多くから完全にネガティブな意図で使う言葉としての認識をされているようだ。
ラテン語では「ホモ」というと「人間」のことである。ヒトの学名が「ホモ・サピエンス(知能ある人)」であるのはここに由来する。
化学の世界ではHOMOと綴り
最高被占軌道/Highest Occupied Molecule Orbital の略語として扱われている。
対義語は
最低空軌道/Lowest Unoccupied Molecular Orbital (略語はLUMO)である。
関連タグ
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同性愛以外の意味
MONO:当初、「HOMO」という名で売られようとしていた。