男性キャラクター同士の恋愛を描いた、女性向けの漫画や小説などの俗称。
その中でも特に、既存の作品(漫画・アニメなど)の男性キャラクターを使用してその同性愛関係を描いた二次創作作品を指して「やおい」と呼ぶことが多い。
作者が自分のオリジナルの設定とキャラクターを使って男性同士の恋愛を描いたものはBL(ボーイズラブ)と呼ばれる事が多い。
「やおい」の語呂合わせで801とも書く。
BL全般ではなく二次創作BL(パロディ・妄想)のみを指す他、「男女のやおい」「単体のやおい」などの矛盾した表現にも使われたりし、「BLを筆頭とした女性向け二次創作のやまもおちもいみもないカップリングパロ・エロパロ妄想全般」の意味で使われるケースもある。
例えばネットスラングとなった「やおいハンド」「やおいアルパカ」は別にBLのみで見られたデフォルメではなく、腐女子で苦手とする人も多く、BLが初出典だったソースはない。
801はBLと比較すると一部の界隈で使われる単語となっている。
由来
同人誌の界隈において、自分が描きたいキャラクターをただ描いただけでストーリー性がまったくない自己満足ばかりの漫画を「やまなし・おちなし・いみなし」の頭文字をとって「やおい」と呼んでいたのがはじまり(後に、「やめて、おしりがいたいわ」(※)の意味が加えられたりもした)。
いつ頃生まれた言葉なのかには諸説あるが、この言葉が使われた最古の資料として確認できるのは1979年発行の 同人誌「らっぽり やおい特集号」である。ここに収録されている、作家3名によるフリートークでの中で、作家本人が自分たちの漫画を自虐的に「やおい」と称している。なお、この同人誌が「やおい特集」であることから、「やおい」という言葉自体がこの時点ですでに存在していたことを示している。
この言葉が生まれた当時は、今でいうところの「萌え重視で面白みのない日常系の漫画」に対する批判であったのだが、同人誌界隈でのそういう作品のほとんどは「アニメや漫画の人気キャラクターたちの妄想カップリングを描いた二次創作」でもあったので、いつしか「やおい」は後者の意味にすり替わってしまう。
さらにその中でも最も妄想的な熱量が良くも悪くもあったのが「男性キャラクター同士の同性愛を描く二次創作」だったので、そのようなジャンルを表す隠語として同人誌市場で定着した。
※:あの魔夜峰央が娘(山田マリエ)が腐の世界に魅了されだした子供の頃に「やおい」の意味を問われた際に答えたらしい。まだその手の性知識を知らなかった娘は意味がよく分からなかったそうだが。…とんでもない事を教える親も親である。