バラ科バラ属の植物の名前。ノイバラやハマナスを含む複数種の原種からの育種をされている。品種が非常に多く、品種ごとの性質も多様である。落葉低木（蔓性のものもある）であり、花が鑑賞される。葉は複葉。主に茎に棘を持ち、スポロトリクム症という真菌感染症の原因となることもある。

花は元々は一重咲きだが、八重咲きの品種も多くある。花色は、赤、ピンク、黄、白、黒など多様。青いバラは不可能とされていた（「青いバラ」は、不可能事を表わす慣用句として使われていた）。本来、バラは青い色素を自分で作れないため、従来の交配技術では青いバラを生み出すことは不可能であった。しかし、近年では、遺伝子組み換え技術の発展により、ある会社がパンジーの青色遺伝子を用いて青色色素を持ったバラを作ることに成功した。

地植えのみならず、鉢植えや切り花としても、イラストの題材としても、とても人気の高い花である。

花言葉

花言葉は多く、花色ごとに異なる。古くから親しまれてきたことが分かる。

赤薔薇	「愛情」「情熱」「美」など
黄薔薇	「嫉妬」「不貞」など
白薔薇	「私はあなたにふさわしい」「無邪気」など
桃薔薇	「上品」「気品」など
黒薔薇	「あなたは私のもの」「憎しみ」「恨み」「決して滅びる事の無い愛」「永遠の愛」
青薔薇	「不可能※」「奇跡」「夢かなう」

※遺伝子組み換え技術によって青薔薇が完成されたため「夢かなう」の花言葉が付された。

余談

薔薇はかつて男性同士の同性愛を指す言葉でもあった（→薔薇族）。
これはBL・ゲイを包括する用語であったが、現在ではその意味での用法はほぼ廃れている。これは対となる「百合」と対照的だが、リアルのレズビアンとの距離感が近くレズビアン向けを包括するジャンル名として定着した（創作者や愛好者に女性同性愛者も多くいる）百合に対し、腐向けとゲイコミュニティが断絶していることからくる必然だったと思われる。

詳しくは、下記リンクにて。

薔薇/薔薇族/Bara/ 同人用語の基礎知識

「薔薇」の漢字表記は音読みでは一般に「ソウビ」と読まれるが、本来の音読みでは「ショウビ」である（前者のような読みを慣用音という）。特に花を愛でるものという意味を強調して、「花薔薇（はなそうび）」という言い方をする場合がある。

「バラ」という日本語は、古くは「イバラ/ウバラ」と言っていたものから語頭の母音「イ/ウ」が脱落したもの。

桜、梅、李、桃、杏、苺、林檎、梨、ビワ、木瓜、カリン、アーモンドはいずれもバラ科。